まさゆきの地図(まさゆきのちず)とは、スクウェア・エニックスのコンピュータRPG『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』(以下本編)内に登場するアイテムの一種につけられた愛称。隠しダンジョンに入るために必要なアイテム「宝の地図」の特定の内容のものを指す。
発見者である「まさゆき」の名前からこの名称で呼ばれるが、本編中でのアイテムとしての地図名は「見えざる魔神の地図Lv87」である[1]。
概要[]
宝の地図の詳細については「ドラゴンクエストIX 星空の守り人#宝の地図」を参照
本編中盤から手に入れられる宝の地図の一つで、地下15階+ボスのいる層で構成されている。地図レベルが高いことから非常に手に入れにくいばかりでなく、かなりの実力が必要なものになっている。
この地図内で出てくるモンスターは、地下4階までは本編終盤のモンスターが主であるが、地下5階以降より宝の地図にしか出てこないモンスターの比率が高くなり、地下9階以降は非常に強いモンスターが登場するため、プレイヤーのレベルが非常に高い状態でないと最下層にまで至るのは難しい。しかし、地下15階にはメタルキングのシンボルのみが発生する[2]ため、多くのプレイヤーのレベル上げ作業に大きな貢献を果たした[3]。
後にメタルキングシンボルのみ発生するフロアがこの地図より浅い、メタルキング以外の同伴モンスターがこの地図より弱いなどの理由で、よりレベル上げのしやすい別の地図が発見された[4]。さらにそれらがすれ違い通信で広まり、この地図は使われなくなりつつあった。しかし、2010年春に地図を使って敵のアイテムドロップなどの乱数を操作できることが発見され、この地図を使った乱数調整のやり方が2ちゃんねる等によく書き込まれるため、テンプレート:要出典範囲
広がるまでの経緯[]
発見者であるまさゆきは、プレイ時間が150時間 - 170時間の頃、150回目の宝の地図(魔王系の地図を除く)をクリアした際に手に入れたとしている(この地図を手に入れる前は、はぐれメタルばかりを倒してレベルを上げていたという)。
プレイ当初、地下15階においてメタルキングのエネミーシンボルが連続で出てきても運がよかった程度に思っていたが、そのうちメタルキングしか出ないということに気づく。これは非常に価値のある地図ではないかと思い、「たくさんの人に配りたい」と考えるようになる。2009年7月23日に、他に誰も持っていないかを確認するために、インターネットの掲示板に書き込んだところ、地図を配ってほしいというコメントが多く寄せられた為、その場の勢いで秋葉原で配ることを書き込んでしまう。本人いわく「家でじっくりドラクエIXを楽しむ予定」で、「自分で書いておきながら『行くのが大変だな』と思っていた」。その日の夜に秋葉原の大型量販店前[5]で配ることを改めて報告している。
2009年7月24日の午前11時に同所ですれちがい通信を開始(開始直前に掲示板で配信予告をしていた)。12時頃のそば屋での昼食を挟んで、14時頃まで配布を続けていた。それ以降は他のプレイヤーが配布(二次配布)を開始していたのを確認したので引き上げることにしている。
その後、様々なプレイヤーによって加速度的に日本全国に広がり、2009年8月の頭には様々なメディアで「まさゆきの地図」と呼ばれ始める。
影響[]
すれちがい通信そのものは、既に他のソフトでも利用されていた[6]ものだったが、本編の登場によりその利用価値が見直されるようになった。さらに、この地図の登場により、ニンテンドーDSを持って出掛ける機会が増え、すれちがい通信がヒットするきっかけになったとされる。
まさゆき自身が初めてすれちがい通信を行った秋葉原におけるヨドバシカメラをはじめ、一部の家電量販店や和歌山県にあるコミュニティFMのバナナFMなどでは、「ルイーダの酒場」と称したすれちがい通信のためのコミュニケーションスペースが設けられるようになった。
先述のように非常に人気の高い地図のため、改造プログラムによって制作されたと思われる偽物の地図が出回ったこともあった。ただし、「まさゆきの地図」自身は改造プログラムなどの「仕込み」ではないことをCESA Developers Conference 2009(CEDEC 2009)の基調講演で、本編開発に関わった藤澤仁が明らかにしている[7]。
また、2009年12月25日に集英社から発売された本編の攻略本『ドラゴンクエストIX 星空の守り人 PLATINUM BIBLE 大いなる神々の書』(ISBN 978-4-08-779538-7)には人気地図としてこの「まさゆきの地図」の全容が紹介されている。
『電撃ゲームス』Vol.6、2010年4月号の堀井雄二のインタビューにおいて、本来は魔王の地図のLVなどの比較のために、発見者名をつけたつもりが「まさゆきの地図[8]」のおかげで、ダンジョンの方がメジャーになった事に対して想定外だったと語っている。なお、発見者名を入れるアイデアは堀井のものである[7]。
発見者[]
発見者(男性。発見当時大学生[9])は、本編を買いたいと思っていたものの予約していなかった。ただ、近所の量販店でのアナウンスで予約購入できると知り、予約購入することになる。その際、当日に買えなかった場合、本編をプレイしていなかったかもしれないと語っている。
2009年10月の『ファミ通』でのインタビュー以降、同誌の本編に関するコーナーに特別部員として登場したり、彼が好きな作品である『ドラゴンクエスト モンスターバトルロードII』の大会でゲスト出演するなど、一躍時の人になった。
なお、キャラクターネームである「まさゆき」は彼自身の本名で、本編以外のドラゴンクエストシリーズ(ただし『VII』や『VIII』は未プレイ)をプレイする際にも使用している。
参考資料[]
- 『週刊ファミ通』NO.1091(2009年11月12日(10月29日発売)号)P246 - P255「こちらファミ通ドラクエ部」より
※記事に該当する部分はP246 - P251。なお、そこで掲載されたインタビューは、ファミ通.comにて完全版が記載されている。
- 『電撃ゲームス』Vol.6、2010年4月号(2010年2月19日)
注釈[]
- ↑ 本編では同一名称でも異なるダンジョン構成の地図も数多く存在するため、「見えざる魔神の地図Lv87」が即ち本項の地図と同一のものであるとは限らない。
- ↑ ただし、戦闘ではメタルキング以外の同伴モンスターも出現する。
- ↑ 『週刊ファミ通』NO.1091「こちらファミ通ドラクエ部」 P246
- ↑ ドラクエ9の『まさゆきの地図』よりもっとレアなメタルキングオンリー地図が発見される!! 【ゲーム×コンボ】(livedoorニュース) 2009年8月7日
- ↑ 『週刊ファミ通』NO.1091「こちらファミ通ドラクエ部」(P249)内で、具体的名称は挙げていないものの、同店舗の外観が写真で掲載されている。
- ↑ 本編発売前のドラゴンクエストシリーズに限れば、『IV』の移民の町で出てくる「すれちがい大使」、『V』の名産品で出てくる「すれちがい交換」がある。
- ↑ 7.0 7.1 噂の「まさゆき地図」は仕込みではなかった--開発者も驚くドラクエ9 CNET Japan 2009年9月3日
- ↑ ただし、電撃ゲームス誌面では「の」の記載はない。
- ↑ 詳細は外部リンク参照。インタビュー内に「大学に行っても一人もすれ違いできなかった」という主旨の記述がある。
関連項目[]
- 裏技
- ドラゴンクエスト モンスターバトルロードビクトリー…レジェンドモードのレジェンドクエストIXにこの地図の洞窟を再現したクエストが登場する。
外部リンク[]
- 『ドラゴンクエストIX』の有名プレイヤー、“まさゆき”インタビュー完全版をお届け! - ファミ通.com
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