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ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』(ドラゴンクエストエイト そらとうみとだいちとのろわれしひめぎみ)は、スクウェア・エニックスより発売されたゲームソフト。ジャンルはロールプレイングゲーム(RPG)。

日本では、2004年11月27日の午前7時00分にプレイステーション2用ソフトとして発売された。また、後に廉価版「アルティメットヒッツ」として再発売されている。

アメリカでは、"Dragon Quest VIII: Journey of the Cursed King" のタイトルで2005年に発売。またヨーロッパでは、「VIII」を除いた"Dragon Quest: The Journey of the Cursed King" のタイトルで2006年に発売された。本作は、欧米において"Dragon Warrior"ではなく"Dragon Quest"の名で発売された初のタイトルである。

概要[]

ドラゴンクエストシリーズの第8作。スクウェア・エニックスとして初めてのドラゴンクエスト本編の新作でもある。『ダーククロニクル』『ダーククラウド』などで実績のあったレベルファイブが開発を担当した最初のドラゴンクエスト作品である。日本で発売されたプレイステーション2用ゲームソフトでは最多の出荷本数を記録した。日本国内では370万本(アルティメットヒッツ版込み)、全世界も含めると472万本で、シリーズでは次作の『IX』に次ぐ出荷数を記録している。

これまでのドラゴンクエストシリーズとは異なり、後方視点の3Dグラフィックが採用された。キャラクターやモンスターの表現にはトゥーンレンダリングを採用。キャラクターは従来の2頭身のドット絵から、アニメ風のリアルな描画に変化し、原画のイメージが忠実に再現された。「スキル」による成長システム、攻撃威力を高める「テンション」、複数の道具を合成させる「錬金」などのさまざまな新システムも導入された。また日本国外版ではシリーズ初のボイスも採用されている。

ストーリーは、呪いをかけられた主人公の故郷である王国と、姿を変えられたその国王と姫を救うことが主な目的となっており、ほぼストーリーの全体に渡って、犯人と思われる人物を追跡することが中心となっている。

本作の発売後には、本作のキャラクター「ヤンガス」の幼年時代を描いたスピンオフ作品として『ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン』が2006年に発売されている。また2007年には、本作の「モンスター・バトルロード」をカードゲーム化したアーケードゲームである『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』も登場した。

ゲームシステム[]

ドラゴンクエストシリーズ#ゲームシステム」も参照

移動画面[]

従来のナンバリング作品では上方からマップを見下ろした視点だが、本作では後方から先頭キャラクターを見た視点となった。先頭キャラクター自身の視点から周囲を見渡せる機能も搭載されており、謎解きでもこの機能を活かせる場面がある。移動画面では、パーティーの人数に関係なく、先頭のキャラクター以外のキャラクターが登場しない。

移動画面の視点の変化に伴い、プレイヤーが迷いにくくなるような工夫がなされている。移動画面では自分がどの方角を見ているかがわかるように、画面左下にコンパスが表示される。また、フィールド上だけでなく町やダンジョン内でも地図を見ることができ、ダンジョンでは宝箱から手に入れることにより閲覧可能となる。

キャラクターグラフィックでは、そのキャラクターのアクションが移動時でもアニメーションで表示される。上記の地図の閲覧の時は道具袋から地図を取り出し、洞窟探索の時は手に松明を持つ。また、そのキャラクターが装備している武器も一緒に表示されている。移動画面では、例えば剣なら肩口に背負う(主人公)・腰に差す(ククール)、鞭なら丸めて腰に下げるなどしており、従来作品の「街中でも常に武器を構えている」ようなキャラクターアイコンとは一線を画している。装備している武器が変われば、武器グラフィックも変わり、戦闘画面でもそれに合わせた演出がなされる。以降、詳しくは「戦闘」の項を参照。

従来の作品では町・城などの施設がフィールドマップにアイコンで表現されていたが、本作では画面の切替はあるが、フィールドマップからも町などの建物を同サイズで見ることができる。フィールド上には、主要な町やダンジョンを結ぶ街道が存在しており、街道と道しるべに従って走っていけば、確実に目的地に着くことができるようになっているが、街道から外れることにより、後述のチームモンスターや宝箱を発見できることもある。

キャラクターの移動は「歩く」と「走る」を使い分けることができる。「走る」を利用することが多いが、ダンジョン内や特定のイベントなどでは、あえて「歩く」必要がある場面も存在する。旧来の「しらべる」は廃止され、何かを調べる際には「べんりボタン」を使用する。

『ドラゴンクエストIII』『IV』『V』で採用されていた「昼」「夜」の時間の流れが再登場した。本作では立ち止まっていても、また、町などの中でも屋外であれば時間が経過する。本作には時間を操作する呪文やアイテムは登場しないが、昼間に宿屋で「泊まる」ではなく「休む」を選択すると、HP・MPの回復と同時に時間を昼から夜にすることができる。夜でなければ見られないイベントやモンスターも存在する。

仲間として同行しているキャラクターと会話する機能が前作から引き継がれたが、今回は「なかま」コマンドを実行し、話しかけるメンバーを選択して行うシステムになった。選択しなかった場合、順番に一人一人話しかける形になる。またロードした際に「なかま」を使うと現状を確認する専用のセリフが用意されたため、それらを網羅するにはイベント終了後には一旦セーブ、リセットすることが推奨される。

また、本作からトラップモンスターはひとくいばこやミミックのような宝箱だけとなり、本作以外の作品に登場する壷、本棚、井戸は全て安全に調べられるようになった。かわりにそれら宝箱モンスターと一般エンカウントでも遭遇する。

乗り物[]

本作では乗り物もリアルなサイズで描かれており、水上や空中の移動の際は、地上とは別の専用のフィールド画面に切り替わるようになっている。

  • 古代船 - 乗り込むことによって水上を移動する。上陸時は船に備わったはしけ(タラップ、ランプ)を降ろすため、高さの調節ができ、船より背の高い崖などを除けば大抵の場所に接岸できる。動力は風力だが帆船ではなく、「Vジャンプ緊急増刊2004」に掲載された資料によると、製作した古代人が「空神石(くうしんせき)」という隕石の性質(強力な引力で互いにくっつきあおうとするが、手のひらや動物の皮などの遮蔽物でコントロールできる)を利用して、風車の回転とオールが連動するメカニズムにしてあるという。なお、これはあくまでデザインの際に鳥山明が考案した「裏設定」であり、ゲーム中では一切語られない。
  • キラーパンサー - ヒョウのような姿をした魔物。フィールド上で「バウムレンのすず」を使用することによって呼び出して騎乗し、陸上を高速で移動する。モンスターとのエンカウントは徒歩時と同様に発生するが、距離あたりのエンカウント数は少ない。地域によっては呼び出せない場所もある。
  • - アイテム「神鳥のたましい」を使用することにより、主人公たちが鳥に姿を変え、空中を自在に飛ぶ。闇の世界では使用できない。

戦闘[]

戦闘画面には、ボスなどとの強制戦闘以外ではランダムエンカウントにより移行するが、後述のチームモンスターと戦う場合はシンボルエンカウントである。戦闘は旧来のシリーズと同様のターン制。パーティは主人公に加えて3人のキャラクターが仲間になり、彼らには設定した作戦に応じたAI(人工知能)によって自動的にコマンド入力をさせることもできる。ストーリーの進行上馬車が同行しているが、旧来のような戦闘に参加するメンバーの入れ替えのための馬車ではなく、パーティはほぼ固定である。

コマンド入力時は従来のように敵モンスターが横に並んで表示される形式だが、ターン中はプレイヤー側のキャラクターも画面に映り、カメラアングルが目まぐるしく変化する3Dアニメーションで戦闘が展開される。戦闘結果を示すメッセージは従来と同じように画面下に表示されるが、それとともにダメージ量や回復量の数値が対象キャラクターに重なって表示され、ダメージ対象が複数の場合は個々のダメージ値を一斉に表示し、メッセージでは平均値(連続攻撃が一対象のみの場合は合計値)のみを表示することによって、戦闘のスピード化が図られている。

プレイヤー側キャラクターは戦闘画面切り替え直後、それまで収納していた武器を構えるアクションが見られる。これは毎回やるわけではなく、街などの施設からフィールドに出て最初の戦闘などで見られる。さらに戦闘終了後は武器をしまうアクションを行う。こちらは「にげる」や全滅で戦闘終了した場合以外は毎回行う。各自、装備している武器によってこれらのアクションも異なる(例えばブーメランなら、しまう前に一回宙に放り投げたりする)。戦闘中には武器に加えて盾もそのデザイン通りに描かれる。

戦闘中、「こうげき」や「とくぎ」を行う場合、装備した武器を持って敵に攻撃する様がアニメーションで表示される。「ぼうぎょ」した場合は装備している盾を構える。これらの装備品が変われば、ゲーム中のグラフィックも変化するのだが、本ゲームではアクション表現の関係で、「クロスボウ」や「ビッグボウガン」がその名に反して手で弦を引くタイプの弓矢としてデザインされていたり、従来シリーズではジャマダハルを想起させる独特の形状であった剣「ドラゴンキラー」が普通の大剣としてデザインし直されていたりしたため、そのことに対する批判も存在した。ただし呪文を唱える際、および一部の特技の際には武器・盾が表示されない。

ターン開始時のコマンドには、旧来の「たたかう」「にげる」「さくせん」に加えて、敵を脅かして退散させることができる「おどかす」が追加された。退散する確率はパーティーとモンスターのレベル差によって変化し、退散した敵はアイテムを落とすこともある。失敗時は敵から攻撃を受ける場合もある。機械系の魔物は感情を持たないため効果が無く、ゾンビ系の魔物は感情をほぼ持たないため効きにくい。

攻撃呪文・特技の威力は、使用するキャラクターの「かしこさ」の値によって変動するようになった。

他、全滅時のペナルティは、従来のシリーズでは「所持金が半分になり、主人公以外は全員死んだままの状態で最後にセーブした場所から再開」だったのに対し、本作からは仲間も全員生き返るようになった。

テンション[]

攻撃などの威力を高めるための要素としてテンションという新たな概念が登場した。これに伴い、AI戦闘の作戦にもテンションアップを重視する作戦「テンションためろ」が新登場した(代わりに「おれにまかせろ」が廃止)。このシステムは、『ドラゴンボール』の「サイヤ人」の影響により考案された。

テンションを上げると、武器攻撃・呪文・特技のダメージ量が通常時と比べて増大する。相手へのダメージだけでなく、防御行為や回復呪文・特技、味方への補助呪文の効果も同様にテンションによって増幅するが、一部の呪文・特技やアイテムの使用に関してはテンションの影響を受けない。

テンションは「ためる」コマンドの使用によって1段階アップし、続けて使うことで最大4段階まで上昇する。4段階目は身体からオーラを放つスーパーハイテンション(以下SHT)状態になるが、SHT状態になれる確率は低く、一定回数のテンションアップを経験していないとSHT状態になることはできない。また、敵モンスターにもテンションを使用するものが存在し、中には一気にハイテンション(第3段階)、SHTになるものもいる。テンションの効果を一度発揮すると元の状態(ふつう)に戻り、ステータス異常に陥った場合や特定の攻撃を受けたときなども「ふつう」に戻る。

本作では、ゾンビ系やエレメント系(幽霊など)の敵モンスターは、普通に攻撃してもダメージを与えにくくなっているが、テンションを使うことにより、物理攻撃・呪文攻撃に関係なく大きなダメージを与えられる。

スキル[]

メンバー全員が共通の特技・呪文を習得できた『VI』『VII』とは異なり、本作では戦士・勇者・僧侶・魔法使いといった明確な役割をキャラクターに割り振ったものに戻した。レベルアップによる固定された成長システムのほかに、スキルという新要素によってプレイヤー独自の育成要素を確保している。このシステムは『ウィザードリィVI』の成長システムと類似性がある。

各キャラクターには、各々が使用できる武器のスキル3種類と、素手での攻撃に関する「格闘スキル」、各キャラクター固有の特殊スキル(登場キャラクターの節を参照)の合計5つのスキルが備えられており、レベルが上がると、ステータスの上昇と同時に与えられるスキルポイントを5つのスキルに任意に振り分けることができる。スキルポイントが一定値に達することで、呪文・特技の習得や該当武器での攻撃力上昇などが起きる。レベルアップ時以外でも、アイテム「スキルのたね」を使うといつでも5スキルポイントを得られる。ただし、レベルによってスキルポイントに上限があり、それ以上に上げることはできない。

各スキルポイントの最大値は100。レベルアップで得られるスキルポイントはレベルごとに決まっており、最強レベル (99) に達するまでに得られる総スキルポイントは350である。よほどのやり込みを行わない限りはすべてのスキルをマスターできるわけではないため、ゲーム途中のスキルポイントの振り分け方によって戦闘のスタイルが大きく変わる場合もある。一度振ってしまうとやり直しが効かないため、慎重に振る必要がある。

スキルアップによって覚える特技の中には、特定の種類の武器を装備して(もしくは素手の状態で)いないと使用できないものも存在する。

この成長システムに伴い、シリーズを重ねるごと必要以上に増加傾向にあった呪文・特技が適量に整理された。また前作までノーコストだった特技に、MPやアイテム消費を課すなどの調整もしている。

錬金釜[]

戦闘に直接関係のないシステムとして、錬金術によって2つまたは3つのアイテムを合成させ、新たなアイテムを作り出す「錬金釜」が初登場した。ストーリーが進み錬金釜が使える状態になった後、馬車が一緒にいる移動中に使用できる。当初は釜に入れられる材料は2つだけだが、シナリオが進むと3つのアイテムを合成できるようになる。全く使用しなくてもゲーム自体は進められるが、店では入手できない強力なアイテムを製造できたり、販売している物でも自作することで普通に購入するよりも早い時期に、また安価に入手できたり、売値の高いアイテムを合成することで金を稼いだりと、攻略を有利に進められる。

「れんきんがま」コマンドで材料となるアイテムを釜に入れた後、一定時間歩くか走る(静止していると錬金は進まない)ことにより“チン”という音が鳴りアイテムの合成が完了する。所要時間はアイテムによって異なる。完成前であればキャンセルも可能。なお、錬金できない組み合わせの場合はすぐに材料が戻ってくる。このように錬金完成までに時間がかかるシステムとなったのは、プレイヤーが錬金ばかりに夢中になってしまうことを防ぎ、冒険と錬金を同時に楽しめるようにするためである。ただし、ゲームクリア後に挑戦できるイベントをクリアすると、待ち時間なしですぐにアイテムを合成できるようになる。

錬金の材料の組み合わせに関するヒント(錬金レシピ)は、世界各地で人々の話や文献などから入手でき、情報を得ると「錬金レシピノート」に追加される。中には完成物や材料がアイテム名ではなく曖昧な表現となっているレシピもあり、その場合は対象物の錬金の成功時に正しいアイテム名が表示される。ただしレシピを入手しなくても必要なアイテムが揃い、正しいレシピであれば錬金は可能である。

この錬金釜という魔法の道具は、劇中のトロデ王曰く「王国につたわる秘宝」であり、ゲーム中では主人公達が使用するひとつしか登場しない。しかし、錬金釜の存在・使用を前提とする道具の製作法(レシピ)が書物などの形で各地に伝わっていることから、王国にあったものが唯一無二と言うわけではなく、珍しいものながら存在自体は複数あると思われる。

モンスターチーム[]

本作のフィールド上には目に見える魔物(チームモンスター)が特定の場所を徘徊しており、これらをスカウトしてモンスターチームを組むことができる。フィールド上にモンスターが見えるという設定は開発当初は無かったが、試行錯誤的に制限の範囲内でモンスターを配置したところ、それらのモンスターを特別な存在とすることをひらめき、モンスターチームのシステムが採用されるに至ったという。

チームモンスターには、同じ種族のモンスターでも各地に散らばって数種類生息しているものや、時間限定の者など発見自体が困難なレア度の高いものも存在する。チームモンスターに接触すると戦闘となり、一定条件を満たしていると、勝利後にこれらのモンスターをスカウトできる。そしてスカウトしたモンスターの中から最大3匹でチームを結成することができる。

結成したモンスターチームは闘技大会モンスター・バトルロードに参加させることができる。モンスター・バトルロードはランクGからA、そしてSまでの8段階があり、それぞれ3試合連続で勝利すると優勝となり、賞品や特典が得られる。低ランクの試合で優勝しないと上のランクの試合には参加できない。

バトルロードでのランクを上げると、主人公が「チーム呼び」の特技を覚える。戦闘でこれを使うとターン最初に主人公パーティーとモンスターチームが入れ替わり、一定ターンの間戦闘を任せることもできるようになる。戦闘に参加するターン数は、チームのメンバー構成によって異なる。さらにランクを上げればモンスターチームを2つ持つことも可能となるが、呼び出せるのは1回の戦闘内で1チーム1回のみである。

バトルロード、戦闘のどちらの場合においてもチームモンスターは自動で行動し、プレイヤーが行動を指示することはできない。チームのメンバーを特定の組み合わせ(同じ武器を持つモンスター同士など)にすれば、一定確率で特殊な必殺技が発動することがある。また、チームモンスターも主人公たちと同様HP・MPを持ち、HPが0になり死亡したモンスターは無料でモリーに復活させてもらうことができる。

やりこみ要素・ミニゲーム[]

戦いのきろく
プレイステーション版『ドラゴンクエストIV』で登場した戦歴システムが継承された。戦歴画面では勝利・逃走・全滅の回数や1ターン最大ダメージなどを閲覧でき、トロデによる状況に応じたコメントが付く。戦歴画面のほか、以下のコレクションも閲覧できる。
  • モンスター討伐リスト - 前作の「モンスター図鑑」に相当するもの。本作では最低でも1度以上モンスターに勝利することでリストに掲載される。また、本作ではドラゴンクエスト本編作品で初めてモンスターに「系統」(スライム系やゾンビ系など)が設定され、従来のドラゴンクエストモンスターズシリーズに無かった「怪人系」と「マシン系」が追加されている。討伐リストを完成させるとレアアイテムが貰える。
  • アイテム収集リスト - 新登場の機能。今までに入手したアイテムのデータを閲覧することができる。本作ではすべてのアイテムにおいてアイコンが用意され、ゲーム内でもアイテムの外観を見ることができるようになった。
  • 錬金レシピノート - 人々の情報や文献、メモなどから入手した錬金レシピ(前述)の一覧。
カジノ
ゲーム中の2か所に存在する。専用のコインを購入して各ミニゲームに挑戦し、獲得したコインを景品と交換できる。『ドラゴンクエストIV』と同じ方式のスロットマシンに加え、本シリーズ初登場のビンゴとルーレットが登場。
ちいさなメダル
一定枚数の「ちいさなメダル」を集めることにより、特定のアイテムを得ることができる。本作ではメダル王ではなくメダル王女がメダル収集の役割をする。

日本国外版[]

アメリカ版やヨーロッパ版では、特にインタフェース面で日本版と異なる部分が多くなっている。移動中の呪文の使用や、アイテムの管理・装備、買い物などは、コマンドウィンドウを開いて行う方式の日本版と違い、サブ画面で行われる。HP・MPのゲージやキャラクターの顔、アイテムのアイコンなどの絵表示も多く取り入れられている。

ストーリー中のイベントの会話ではキャラクターボイスがついており、これは本シリーズでは初の試みである(ただし主人公の名前の部分は読まれない)。この本作へのボイス導入の手ごたえから、後に日本版の『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』にもボイスを導入するきっかけとなったと堀井は語っている。バックグラウンドミュージック(BGM)は東京都交響楽団によるオーケストラバージョンが使用されているが、オーケストラで録音されていないものは、日本版と同じく内蔵音源である。

それ以外にも、ゲーム開始時のプロローグ追加、戦闘アニメーションの一部変更、主人公の特技 "Dragon Soul" の追加などが行われている。

なお、欧米版でのキャラクター名については登場キャラクターの節を参照。

物語[]

世界設定[]

本作の世界観は従来のドラゴンクエスト作品の世界観を踏襲しているが、ほかのドラゴンクエスト作品との関連は基本的には無く、まったく別の世界である。ただし、後述のレティスのエンディングでの台詞や、モンスター・バトルロードに『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』のトルネコとライアンが出場するなど、繋がりを匂わせるものはあるが、はっきりとした繋がりはゲーム中で語られることはなく、本編中でも一切触れられていない。また、世界地図も地図の中心をずらすと前作のドラゴンクエストVII エデンの戦士たちの世界地図と良く似たものとなる。

本作では、フルカラーである光の世界と、地形や生物がモノクロになっている闇の世界という、地形が同一の2世界が存在する。ただし2つの世界を頻繁に往復するシナリオであった『ドラゴンクエストVI』や『VII』とは異なり、本作ではレティス関連のイベントで闇の世界を訪れるのみで、それ以外はすべて光の世界が冒険の舞台となる。闇の世界で行動できる範囲は「隔絶された台地」のみで、光の世界との行き来は瞬間移動の呪文「ルーラ」や道具「キメラのつばさ」では行えない。

地域[]

本作では「モンスター討伐リスト」において地方名が設定されている。

  • 王国
    • トロデーン国領 - 主人公たちの王国。城はドルマゲスにイバラの呪いを掛けられ、魔物たちの巣窟と化した。南部は荒野が広がる。トラペッタ地方と繋がる吊り橋は、本編前から壊れて落ちたままとなっている。
    • サザンビーク国領 - クラビウス王が治める王国。城下町では年に1回バザーが開催される。南西にはふしぎな泉のある森林地帯、南東には船でのみ上陸できる砂浜がある。
    • アスカンタ国領 - パヴァン王が治める国。シセル前王妃の死去以来、2年間もの間喪に服し続けている。
  • 三大聖地
    • マイエラ地方 - 三大聖地のひとつであるマイエラ修道院を中心とした地域。マイエラ修道院にはククールの所属する聖堂騎士団の宿舎がある。修道院の北にはポルトリンクの定期船の船着き場、南にはドニという宿場町がある。
    • 聖地ゴルド地方 - 世界地図の中心にある島。巨大な女神像が祭られた三大聖地のひとつある聖地ゴルドがある。
    • サヴェッラ地方 - 王家の結婚式なども行われる三大聖地のひとつであるサヴェッラ大聖堂がある島。険しい山の上には、七賢者の一人・レグニストの末裔でもある法皇が住む法皇の館があり、サヴェッラ大聖堂からパイプ通路で連絡しているが、この館を訪れることができるのは、法皇に呼ばれたものと翼を持つものだけだという。
  • 人間の住む上記以外の地域
    • トラペッタ地方 - 七賢者の末裔マスター・ライラスや世界で高名の占い師ルイネロが住むトラペッタの町を中心とした地域。物語の最初に訪れる地域。一応トロデーンの城下町という位置づけではあるものの繋がりは薄く、町の人たちは城が滅んだことを知らなかった。
    • リーザス地方 - 名家アルバート家の屋敷があり、ゼシカの故郷でもあるリーザス村を中心とした地域。南西にはアルバート家運営の、マイエラ方面への定期船が発着する港町ポルトリンクがある。
    • パルミド地方 - ヤンガスの住んでいた貧民の町パルミドを中心とした地域。パルミドは治安が悪く、闇商人の店やカジノもある。
    • ベルガラック地方 - 大きなカジノのあるベルガラックの町を中心とした地域。カジノはギャリングによって運営されていたが、ギャリングが殺害されて以来、閉鎖されている。
    • リブルアーチ地方 - 海峡に掛かる橋上の町リブルアーチより北側の地域。石像造りが盛んでいる。
    • 雪山地方 - 北にある雪に覆われた地域。正六角形の建物と地下街から成るオークニスの町、七賢者の子孫の一人であるメディの住む家がある。
  • 異民族・異種族の住む地域
    • 隔絶された台地 - 険しい断崖絶壁により船での通常の方法での上陸ができない南の島。唯一の村レティシアには神鳥レティスを崇める人々が住み、独特の衣装や住宅などを持つ。一方、闇の世界のレティシアは村を襲うレティスに悩まされているが、人間は襲われていない。村の南西にはレティスの止まり木と呼ばれる鳥居状の石柱がある。
    • 人跡未踏の森 - マイエラ地方とパルミド地方に挟まれた密林地帯。船での上陸はできない。賢者クーパスの仲間の妖精ラジュと魔物ギガンテスが作った集落である三角谷がある。
  • 都市・村などの無い地域
    • モグラの生活地域 - アスカンタの北の半島。ドン・モグーラ率いるモグラ盗賊団のアジトがある。
    • 砂漠地方 - サザンビークの南西にある砂漠地帯。中央に竜骨の迷宮がある。
    • 北西の孤島 - ベルガラックから北西にある、緑の無い島。暗黒神ラプソーンの復活を願って建設されたという闇の遺跡がある。
  • 煉獄島 - 大罪を犯した者たちが入る監獄。ここに入った者は死ぬまで投獄される。
  • 暗黒魔城都市 - 空中に浮かぶ暗黒神ラプソーンの居城。ラプソーンの復活とともに出現する。
  • 異界 - クリア後にのみ行くことにできる世界。竜神族の里には、竜と人の2つの姿形を持つ竜神族という種族が暮らしている。

ストーリー概要[]

本作のゲーム本編は、主人公たちが既に旅をしている途中の、トラペッタ手前の森の中で休憩をしているシーンから始まる。主人公たちの目的は、姿を変えられたトロデとミーティアの呪いを解くため、呪いを掛けた張本人である道化師ドルマゲスを追うこととされているが、主人公の出身地が呪われたトロデーン城であることは後に明らかになる。

ストーリー前半は主にドルマゲスを追跡することが中心となる。主人公たちは、行く先々の町で手がかりを得ながらドルマゲスを追っていくが、そうしている間にも、リーザス村のゼシカの兄、マイエラ修道院の院長、ベルガラックのカジノオーナーがドルマゲスに殺害されていく。旅の途中ではヤンガス、ゼシカ、ククールが仲間に加わり、やがて闇の遺跡でドルマゲスとの対決を迎える。

ドルマゲスを倒した後のストーリー後半戦では、彼の持っていた杖に封印された暗黒神ラプソーンの存在が明かされる。暗黒神復活を阻止するため、主人公たちは神鳥レティスの力も借りて賢者の子孫の生き残りを守ろうとするも、七賢者の子孫は全滅し、そしてラプソーンが杖から復活。主人公たちは完全復活を遂げたラプソーンと戦う。

登場キャラクター[]

( )内の英語表記は欧米版での名前。解説文中の呪文についての詳細はドラゴンクエストシリーズの呪文体系を参照。

主人公と仲間たち[]

以下の4人は、本作で最も中心となるキャラクターであり、ゲーム中で戦闘に参加する。

主人公
元トロデーン王国近衛兵。クリア後にサザンビーク王国第1王子だったエルトリオと竜神族の長老の1人・グルーノの娘・ウィニアとの間に生まれた息子(つまりハーフ)で、サザンビーク王国の後継者たりえた出生であることが判明する。18歳、男性。赤いバンダナがチャームポイント。両親は既にこの世におらず、幼年期に記憶を失って8歳の頃トロデーン城に迷い込んだ。元々は住み込みの小間使いだったが、王女ミーティアの要望により近衛兵に採用される。記憶を失った際のある理由から呪いに対して強い耐性を持っており、敵の呪い攻撃には絶対にかからず、呪われた武具を呪いにかかることなく装備可能。また同様の理由から、トロデーンがイバラの呪いにより滅んだ際にもただ1人難を逃れ、国を救うために国王トロデとともに旅に出ることとなった。王女ミーティアとは幼馴染でもあるためトロデ達からの信頼も厚い。
素早さはやや控えめで力、HPなどが高い。後半に差し掛かると爆発的にステータスが伸びてゆく。最終的に賢さとMPはゼシカ・ククールに劣るが、それ以外はパーティーで最も高い数値となる。武器は剣・ヤリ・ブーメランを扱い、呪文は回復呪文・ギラ系呪文などを覚える。主人公のもちものにチーズを加え戦闘で使用することによって、トーポに様々な特殊効果や特殊攻撃をさせることも出来る。
特殊スキルは「ゆうき」。デイン系やベホマズンなどの呪文を覚える他、一定量以上になると消費MPが軽減される。「竜神の鎧」と「竜神の兜」を装備させるとグラフィックで赤い甲冑を着た姿になる。
『IX』では服装が装備品として登場した。また、アーケードゲーム「ドラゴンクエストモンスターバトルロード」内では『ロトの剣』をなぜか背中に背負っているが、詳細は不明。
ヤンガス (Yangus)
パルミド出身の元山賊の男。31歳。イガイガ帽子がチャームポイント。トロデーンとトラペッタを結ぶ橋の上で、トロデーン城から旅立った直後の主人公たちを襲ったが、その際に橋から落ちそうになったところを主人公に助けられた。これ以来、主人公を「兄貴」と呼び慕い、主人公に同行するようになった。このエピソードのように、ガラは悪いが、非常に義理堅く人情深い性格である。主要人物の中で唯一ドルマゲスとの関連性がない。言葉の最後に「…でがす」「…でげす」をつけるのが口癖だが、これは彼なりの敬語表現らしく、主人公以外と話す時はつけないことが多い。「おっさん」と呼ばれるのを嫌っているが、イベント中にトロデが登場すると、その都度「おっさん、いつのまに!!」と言う。ただし終盤では面倒くさくて言わなくなる。自分自身、こわもてで誰からも相手にされなかった時期があるせいか、魔物にされたトロデに若干同情することもある。盗賊から足を洗った今でも時々、無意識のうちに昔の思考回路が戻ってくることがあり、月影のハープを「売れば金になりそう」と発言したり、山の中にいた商人たちを指して「(山賊行為に)いいカモだ」と口に出してしまい、その都度我に返ってあわてて主人公に弁解している。本人の証言によれば、ギャンブルは苦手で、昔空腹のときにハトやワニ、カバの肉を狩って食べたことがあるらしい(カバの肉が一番美味い、とも)。子供の頃は動物好きだったらしく、アニマルヤンちゃんと呼ばれていた。また、彼の出身地・パルミドでも、彼は町の人から「ヤックン」と呼ばれ、親しまれている。他にも「目利きのヤンちゃん」と呼ばれていたという発言もある。
ちからやHPが高くすばやさやMPが低い。武器は斧・鎌・打撃系武器(ハンマー、棍棒など)・鉄球(スキル対象外)を扱うが、覚える呪文は数少なく、レベルアップで呪文は習得しない。特殊スキルは「にんじょう」。熟練度を上げると回復魔法を覚える。
後に発売された『ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン』では少年期の彼が主人公を務めている。
IX』では配信キャラクターとして登場した。
ゼシカ (Jessica)
本名ゼシカ・アルバート。名家アルバート家のお嬢様であり魔法使いの卵。17歳。七賢者のひとりであったシャマル・クランバートルの血を受け継ぐ最後のひとり。ドルマゲスに殺された兄サーベルトの敵討ちのため、勘当同然で家を飛び出し主人公たちと行動をともにする。気が強く、少々わがままで周りを見ないところがあるが、根は心優しく、他人の痛みを分かってあげられる性格である。何が何でも敵討ちするという意思は固いが、トロデーン城などでドルマゲスの猛威を目の当たりにして、ふと弱気な発言を口にすることも。巨乳の持ち主であり、さらに露出度の高い服装のため、一部男性キャラクターに注目されることも。彼女自身も胸の大きさに対しては絶対の自信を持っており、特殊スキルはその色気に溢れたボディを生かした「おいろけ」。また、一部の防具を装備しているときは、ゲーム画面上での衣装が変化する。
中盤トロデーン王家の宝の杖を握ったことで、ラプソーンの邪悪な精神によって身も心も支配されてパーティを一時離脱。リブルアーチで一度主人公たちと戦うが、ハワードの結界によって正気に戻る。彼女は全体的に自分がしたことを覚えており、夢だと思っていた。支配されたのは、負の心が強かったためだと気づき、彼女は「ドルマゲスを憎む心が強かったせいかもしれない」と言っている。彼女が一時的に支配下に置かれたことで、敵の真の目的が明らかとなる。その後、改心したハワードによって魔法の素質を揺り起こしてもらい強力な攻撃魔法を習得する。
ククールからのアプローチには当初は辟易していたが、終盤ではくたびれたのか半ばあきらめムードになった。「なかま」コマンドでは主人公に対して好意を寄せていると思わせるセリフがたびたび出る。特にパーティ復帰後は言葉遣いも柔らかくなり、ラプソーン戦直前には告白めいたセリフもある。「兄との想い出は自分の宝」と語り、またふとした事で家に残してきた母を思いやるなど、肉親との情が深い。そのような意味ではククールとは正反対。家柄や権力などで威張る人間が大嫌いで、マルチェロやニノなどには露骨に嫌悪感を示す。
ヤンガスと対照的にHPやちからが低いがMPや素早さが高い。ただしムチのスキルを上げての特技攻撃は他のメンバーに全く引けをとらない威力となる。武器はムチ・短剣(短剣スキルを上げれば大半の長剣も扱えるようになる)・杖を扱い、杖スキルを上げると呪文の習得に加えて杖装備中に最大MP上昇・ターン終了後にMP回復といった特典を得る(ククールも同様)。呪文はメラ系・ギラ系・イオ系・ヒャド系攻撃呪文の他、特にボス戦で有効な戦闘補助呪文も覚える。スキル育成次第で回復・蘇生もこなせるようになり、またそのお色気にモンスターが見惚れて行動を忘れるようにもなる。
『IX』では、Wi-Fiクエストのお題条件クリアーの報酬に、配信キャラクターとして登場した。
ククール (Angelo)
マイエラ修道院の聖堂騎士団に所属する聖堂騎士で、長身銀髪美形の妖艶な男。20歳。修道院の宿場町であるドニ周辺一帯の領主の息子だったのだが、幼少時に流行り病で両親を亡くし、マイエラ修道院でオディロ院長によって育てられた。育ての親であるオディロをドルマゲスに殺された後、敵討ちのため主人公たちの一行に加わる。左利きで左手で武器を扱い、右腕に盾を装着する。女性からの人気が高いが、斜に構えていて口が悪く、ナルシストな面とキザな性格を持っている。また、芝居の一節のような台詞を平然と口にするロマンチストでもある。女性をナンパしたり(常に女性のことを考え、それを隠すことが無いオープンスケベな面もある)、賭博(イカサマ)や酒を好むなど聖職者にあるまじき行為を平然と行うため、ほかの聖堂騎士団員からは煙たがられている。制服もほかの聖堂騎士とは違うが、理由は明らかではない。常にクールにシニカルに振舞うが、それは体裁を保つための表向きの性格でもあり、時折自身の生い立ちなどについての弱音や愚痴を吐くことがある。信頼した相手には思いやりを見せ、一部の台詞には主人公を褒めるものがあり、徐々にお人好しになっていく。
修道院での生活が長かったため、教会の内部事情には詳しく、腐敗しきった教会内部組織の現状に辟易している面もある。また、組織内の抗争や家柄のため追放された兄などもあって家柄や血筋による身分を嫌っている節が言葉から垣間見られ、身分を盾とするチャゴスには不快感を露にした。マルチェロの腹違いの弟でもあり、マルチェロを平素は肩書などで呼び、腹を割って話す時や感情が高ぶった際にのみ「兄貴」と呼ぶ。その兄との長年の愛憎関係から、ゼシカなどが口にする兄弟愛や肉親との絆に懐疑的な反応を示す。修道院に来るまでは自分に兄がいたことは知らなかったという。(その兄弟の愛憎関係とは、ククールとマルチェロが始めて出会った時の会話、及び本編序盤のマイエラ修道院内でのククールに対するマルチェロの説教などから見られる。)冒険途中でも酒場などで飲んでいるのか、「二日酔いがぶり返しちまう」と発言したことも。
おおむね主人公に似たバランスの良い能力だが、素早さとMPが主人公に勝り、力とHPで劣るなど若干の違いがある。武器は剣(レイピア中心で主人公との共用は少ない)・弓・杖を扱い、呪文は回復・蘇生呪文やバギ系・ザキ系を中心に覚える。特殊スキルは「カリスマ」。
『IX』では、配信キャラクターとして登場した。
非戦闘員[]

以下は戦闘には参加しないが、主人公たちの旅に同行する重要キャラクターである。

トロデ (Trode)
トロデーン王国国王。妻は既に死去している。ドルマゲスの呪いでベージュの服を着た緑色の魔物の姿に変えられ、自分や娘、城の人々の呪いを解くために、主人公たちとともにドルマゲスを追っている。非常に身長が低い小男で、主人公の腰辺りまでしかない。作中ではほとんど馬車に乗っており、ミーティアにその馬車を引かせている。王なので自尊心が高く、中年なので少し頭が固い。仲間達にも偉そうな態度(家臣扱いなど)をとるが、ジョークを飛ばしたりと気さくな面もあり、ヤンガスとは漫才コンビのようにふるまう。呪われた姿が仇となる場面もしばしばで、トラペッタで町人から魔物と勘違いされて以降、主人公たちが町の中に入っても、ほとんどの場合トロデ自身は町の外でミーティアとともに待機している。一方で愛娘ミーティアを大変可愛がっており、彼女を最優先に考えている場面も多い。しかしおっちょこちょいの為、雪中泊だった姫の事を「忘れていた」と発言した事も。基本的に思い込みの激しい性格らしく、「トロデーン城に住んでいる(月影の扉が開いただけ)」「自分達に協力してくれる」という理由で、後述のイシュマウリやレティスまでも家臣呼ばわりした。本人曰く「一目会ったらお友達、言葉を交わせば主従関係」。トラペッタのユリマやアスカンタのキラなど、ミーティアと同じ年頃の娘の健気な振る舞いに強く感動し、主人公達に「力になれ」と命令したことも。またミーティアによれば、何のかんの言いながらも主人公を頼りにしているとの事。若いころは兵法を学んでいたらしく、武芸の面でも木の枝で聖堂騎士団のポールアックスを受け止めるなど、なかなか強い。さらに独力で錬金釜の修理・改良を行ったことから、魔法・錬金術関連の知識や技術もある模様。基本的に物語の途中で本来の姿を現すミーティアとは違い、物語の最後にならないと本来の姿は判明しないが、後ろ姿ならば回想シーンで確認することができ、トロデーン城にある肖像画でも顔を多少確認できる。本人は「人間の頃はハンサムだった」と言っているが……。
錬金釜の管理を行ったり、戦歴画面でコメントを述べたりする役割も担う。本人の証言(冒険記録画面の発言など)によれば、年齢は50歳らしく、神経痛・肩こり・慢性胸焼けなどの持病も持っている。胸焼けは魔物になってから多少おさまったらしい。酒好きの一方で好物はチョコクレープ。つまり甘党で辛党。また、「あと二歳若ければ魔法使いとして活躍できた」とか、「昔はファッションに詳しくて『おしゃれトロちゃん』と呼ばれていたが、町に入らなくなったのでトレンドが分からなくなった」とか、様々な発言が飛び出すものの、どこまで本当かは確かめようがない。
ヤンガスの特技のひとつ「おっさん呼び」では、どこからともなくトロデが多数の男(おっさん)を率いて敵にダメージを与える。戦闘能力に関しては不明だが、作中では木の棒1つで衛兵の攻撃を見事に受け流す腕前を披露する。
モンスターズジョーカー』では何故かスライム系の仲間モンスターとして、配信限定キャラとして登場した。『モンスターズジョーカー2』では自然系のモンスターとして配合で作ることが可能になった。
『IX』では、配信キャラクターとして登場した。
ミーティア (Medea)
トロデーン王国の姫。サブタイトルにある「呪われし姫君」である。年齢は主人公と同じ18歳。そのこともあって主人公とは幼馴染の関係であり、主従以上の信頼・友好関係がある、実は住み込みの小間使いだった主人公を近衛兵に採用したのも、彼女の要望からだと旅の中で明かされる。ドルマゲスの呪いで白馬の姿に変えられ、物語内では馬車馬として働く。馬の姿になっても気品は失われておらず、魅せられる者も少なくない。パルミドでは主人公達が目を離している隙に馬泥棒に遭い、馬車つきで1000ゴールドで売り飛ばされた。普段の馬の姿で着ている布は、元の姿の青いドレスと同じ色をしている。旅の中盤から「ふしぎな泉」の力で一定時間だけ元の人間の姿を見ることができるようになり、その後は主人公の夢にたびたび登場する。祖母の代からの約束事のため、サザンビークのチャゴス王子と婚約しており、ミーティア自身も運命と思っているが、旅をすることで心境が変化していく。会話での一人称は「私」ではなく「ミーティア」(「私」を使うときもある)。ピアノを始めとして音楽が好きで、その歌声は評判になっている。また夢の中での本人のコメントによるとカナヅチ。トロデによると、彼女は母親似であるらしい。
トーポ (Munchie)
普段は主人公のジャケットの右ポケットに入っており、そこからいつも顔を覗かせているネズミ。頭から背中にかけてモヒカン頭を思わせるたてがみが生えている。チーズが大好物らしく、主人公が戦闘中にチーズを与えると火炎や冷気などのブレスによる直接攻撃・戦闘補助ができる。また、主人公たちが入ることのできない狭い場所を探索することもできる。主人公がトロデーン城に来た幼い頃からすでに一緒にいて、周囲から「ネズミにしては長生き」と指摘されたり、ゼシカ・ククール・ヤンガスの3人にも「(火を吐いたりするので)普通のネズミじゃない」と思われていた(竜神族の里での3人の発言から)。
本来は、前作『VII』の主人公のトカゲと同様、主人公のやさしさを象徴するもとのして描き加えられた小動物であり、描いた当初は特別な設定は考えられていなかったという。ゲームクリア後に意外な正体が明らかになる。
トーポはイタリア語で『鼠』を意味する。

七賢者の末裔[]

かつて暗黒神ラプソーンを封印した7人の賢者の子孫である。彼らが全員死んだとき、トロデーンから奪われた神鳥の杖よりラプソーンが甦る。このため主人公たちは彼らが殺害されるのを阻止するために、杖の持ち主を追うことになる。7人のうち、マスター・ライラスとギャリングは主人公たちが町を訪れた時点で既に殺されているため、作中には実際に登場しない。サーベルトは、リーザス像の幻影とゼシカの夢のみ登場するほか、ギャリングは肖像画が登場する。ラプソーン復活後の神鳥の杖に賢者の魂が宿っていたことから、彼ら七人は賢者の「生まれ変わり(転生)」と思われるが定かではない。

マスター・ライラス (Rylus)
トラペッタに住んでいた魔法使いの老人で、魔法使いマスター・コゾの末裔。ドルマゲスの魔術の師匠でもあった。ドルマゲスに殺害され、家は(恐らく)その際の争いで明かりなどの火が燃え移って全焼する。そのためトラペッタの住民達は、彼が火の不始末による火事で焼死したと思っていた。
サーベルト・アルバート (Alister)
ゼシカの兄でリーザス地方の名士アルバート家の当主で、魔法剣士シャマル・クランバートルの末裔。22歳。サーベルトは祖先の持つ魔力と剣術のうち、剣術の才能を受け継いだのだと推測している。リーザス像の塔の扉が開いていたことを不審に思い、一人で調べに行くが、ドルマゲスと遭遇、杖で腹部を刺され死亡。
オディロ (Francisco)
マイエラ修道院の院長であり、神の子レジェウスの末裔。法皇とは学友だった。ククールやマルチェロにとっては親代わりで、身勝手な実父を嫌っていた二人にとっては本当の意味で父性を感じられる人物だった。温厚な性格で、作中では直接披露しなかった(本の形で残してある)が、実は無類のギャグ・お笑い好きである。マイエラ修道院内より、主人公たちの目の前でドルマゲスによって殺される。
ギャリング (Golding)
ベルガラックのカジノの元オーナーで、無敵の男ギャリング(同一人物ではない)の末裔。素手で熊を倒すほどの豪傑だったが、屋敷に押し入ったドルマゲスに殺害された。その死はしばらくの間伏せられ、その間カジノは閉鎖された。
チェルス (David)
三角谷の出身で、リブルアーチの呪術師ハワードの召使いをしている青年。大呪術師クーパスの末裔。クーパスは自分の代で姿を隠すべく弟子(ハワードの祖先)に力を受け渡してしまったため、他の子孫のような特殊な潜在能力はない。心優しい性格の持ち主だが、ハワードを守るために勇気を出す面もある。杖に操られたレオパルドによって背中を刺され、殺される。どれほど虐められてもハワードに忠誠を尽くし、死の間際まで彼のことを思いやっていた。
メディ (Marta)
オークニスの南の家に住む薬師の老婆で、大学者カッティードの末裔。雪山地方を訪れ遭難した主人公たちを助ける。オオカミの魔物の群れを率いるレオパルドによって家を燃やされ、彼女自身もレオパルドに殺される。この際、相手が暗黒神だと感づいていたと思われる節があり、人質にされた息子を助ける前に、運命を悟ったように主人公たちへ、先祖代々守っていた暗黒神の戦いにまつわる資料の所在を教えた。
法皇
サヴェッラ大聖堂に住む聖堂信仰の長で、天界を見てきた男レグニストの末裔。権威への揉め事や策謀が絶えない聖堂内でも常識と良心の持ち主で、ナンバー2であるニノ大司教からも目の敵にされていた一方で内心は慕われていた。最後に生き残っていた七賢者でもあったが、主人公たちが煉獄島に投獄されている間にマルチェロによって殺される。
その関係者[]

上記七賢者の末裔との関連の深い人物を挙げる。

アローザ・アルバート
リーザス村に住む、アルバート家の女主人で、サーベルト&ゼシカ兄妹の母親。アルバート家に嫁入りした身であるため、彼女自身は賢者の血筋ではない。夫に先立たれ、女手ひとつで兄妹を育ててきたと思われる。息子で現当主のサーベルトが殺害され、先祖からの家訓に従い喪に服していたのだが、家訓に逆らい喪が明けてないのに敵討ちの旅に出ようとするゼシカと口論の末、彼女を勘当する。現実よりも伝統や家訓を重んじる、頑固で保守的な人物と思われがちだが、ゼシカが出て行ってからは元気をなくす一方だったという。結局ゼシカの意思を認め、彼女と和解する。のちに暗黒神の復活を目の当たりにし狼狽、ゼシカに叱咤された。彼女曰く、兄妹のアクティブな性格は父のほうに似ているという。
フォーグ (Cash)、ユッケ (Carry)
ギャリングに拾われた義理の子供たち。フォーグが兄でユッケが妹(拾われた孤児であったため生年月日が不詳で、実年齢でどちらが上なのかは当人たちにも不明である)。自分たちを引き取った義父への想いが強かったが、一方で義父をいかに自分へ引き付けるかで競っていた。そのため喧嘩がいつも絶えなかったが、竜骨の迷宮での試練をきっかけに仲直りし、二人そろってギャリングの後を継ぎベルガラックカジノのオーナーとなる。
ハワード (Dominico)
リブルアーチに住む呪術師。飼い犬のレオパルドを寵愛し、召使いのチェルスを虐待し、虐めている。高慢な性格で町の人からは好かれていないけど、術の腕前は確かである。また金払いも良いらしい。実は先祖が大呪術師クーパスの愛弟子で、ハワードの先祖はクーパスから呪術の能力を譲り渡されていた。その事実を忘れていた為、本人も町の人たちも、彼が賢者の末裔だと思っていた。クーパスが姿を消すとき、将来その子孫に運命の危機が迫った際には子孫を守るべく、本人と子孫の二人をめぐり合わせる特殊な呪術を先祖代々かけていたのだけれど、時とともに風化してしまいほとんど忘れてしまっていた。大呪術師クーパスの子孫であるチェルスを殺す為に、リブルアーチを攻めたゼシカを、ハワードの作った結界で元に戻す。その後は、チェルスが殺害された時に先祖からの使命を思い出すとともに、チェルスこそがクーパスの子孫と知り、使命を果たせなかったどころかチェルスを虐げた自分の行いを後悔・更生した。
ライドン・クランバートル
リブルアーチの天才彫刻家。息子夫婦と孫娘と共に暮らす壮年の男性。普段は自作の建築物「ライドンの塔」をより高くするためにノミを振るっており、家にはほとんど戻らないらしい。魔法剣士シャマル・クランバートルの子孫ではあるが、シャマルの数代後の子孫リーザス(女性)がアルバート家に嫁ぎ、その際に賢者の血筋も移ったため、「賢者の末裔」ではないという。
グラッド (Marek)
オークニスの薬師。メディの息子である。薬師としての腕前を役立てたいと思い、メディの元を出てオークニスに行った。その後、出て行ったことを謝りたいと思っていたが、レオパルドに人質に捕られ、その自分を助ける代わりにメディが殺害されたため、その願いは叶わなかった。その後は彼女が残した薬草園を飼い犬バフと共に受け継ぐ。レオパルド(ラプソーン)曰く、「賢者の血は感じるが、賢者ではない」という。
ラジュ
三角谷の集落に住むエルフの女性。かつて大呪術師クーパスに命を救われ、同じく命を救われた一つ目巨人の魔物ギガンテスと共に賢者のお供をしていた。彼が亡くなったあと、彼の末裔を守ると同時に七賢者と暗黒神の伝承を伝えるために、人間・魔物・エルフが共存する三角谷の集落を作る。チェルスには自分が賢者の末裔だとは知らせておらず、彼が一人前になったときに伝えるつもりだったのだが・・・。訪れた主人公達がチェルスの最期を看取ったと知り、暗黒神復活阻止の願いを託す。
ニノ (Rolo)
教会内で法皇に次ぐ地位にある大司教。太った禿頭の老年男性で、頭にはホーリーシンボルたる燭台マーク(十字架の代わり)がプリント(刺青?)されている。高慢な性格で、次の法皇は自分だと鼻にかけている。マルチェロを自分の手足として使い、また賄賂などの権謀術数を駆使して地位を固めてきたが、そのマルチェロに裏切られ、主人公たちと共に煉獄島に投獄された。その際に改心し、法皇の死の真相を知りたい一心から自分を顧みずに主人公たちを助けた。後に生還、本当に法皇になる。

そのほかの人物[]

以下のキャラクターは、ストーリーに関わる重要人物である。

ルイネロ (Kalderasha)
トラペッタに住む占い師。かつては「占えぬものは無い」と言われた程凄腕で知られていた。だが自分の占いによって少女ユリマの親を結果的に死亡させてしまったことから、罪悪感を抱き、水晶玉を滝の洞窟に捨て、彼女を自分の娘として育てていた。ユリマにその事は黙っていたが、本人は既に気付いており、水晶玉を回収された後は占い師として再起した。
ポルク (Bangerz)、マルク (Mash)
リーザス村に住む勇敢な少年たち。ゼシカを慕っている。ポルクは兜と銅の剣を、マルクは鍋とひのき棒を装備している。主人公たちと初対面の時、主人公たちをサーベルトを殺した賊と勘違いし戦闘になりかけるが、近くにいた住民の老婆によって止められる。その後ゼシカの命で部屋の入り口を守っていたが、彼女が置き手紙を残して姿を消したと知り、ポルクは主人公に彼女を追いかけるよう頼み、彼のためにリーザス像の塔の入り口を開く。その後村に戻ってきた主人公たちのために小遣いで宿を手配しておくなど、義理堅い性格をしている。ゼシカが旅に出た後は、用心棒として村を守るために二人で四六時中見回りをしていた。
パヴァン
アスカンタ国の若き国王。二年前に最愛の妻であるシセル王妃を亡くして以来心を閉ざし、国を挙げての喪に、現在に至るまで服していた。主人公達の活躍で立ち直ってからは国王としての職務に復帰したものの、優柔不断な一面があり、のちに城の宝物庫が盗賊の被害に遭ったときも対策会議がいつまでたっても結論が出なかった。結局盗まれた国宝「月影のハープ」を、主人公達の求めに応じて提供する。
キラ
アスカンタ城に仕えるメイド。献身的によく働くために、年若いながらも城の皆から大きな信任を得ている。
イシュマウリ (Ishmahri)
月の世界の住人。青い長髪の青年で、不思議な力を秘めるハープの弾き手。アスカンタのおとぎ話に伝わる「月影の窓」を開いた者の願いに応じ、建物や岩などの物が記憶する光景を具現化する。ヤンガスからは「ヘチマウリ」と呼ばれた。本人曰く、彼と古代船、月影のハープは「古き世界」に属するものだという。
ゲルダ (Red)
パルミドの西に住む男勝りの女盗賊。ヤンガスと旧知の仲であり、青年時代のヤンガスの憧れの存在だった。金品と美しいものに目がなく、「うるわしの貴婦人号」と呼ばれる船を所有している。しのび足(しのびばしり)の特技を会得しているが、直接戦闘は得意ではない。『ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン』では少女期の姿で登場しており、発言の中からこのころから船の名前は決めていた事が伺える。ある時パルミドで馬泥棒に遭い売りに出されたミーティア姫と馬車を買い取り、取り戻しに来たヤンガスたちに宝石「ビーナスの涙」を代価として求めた。素直ではないがその後もヤンガスのことを気にしていて動向を情報屋から入手しており、終盤には彼が暗黒神と戦おうとしていることを知り「必ず返すように(=生還するように)」と念を押してヤンガス専用の武器を渡す。
クラビウス (Clavius)
サザンビーク王国国王。賢王として高く評価されているが、子育てには失敗。妻に先立たれ、唯一の息子であるチャゴスを甘やかしてきてしまったため、彼の意気地無さに苦悩している。主人公達に王家の試練でチャゴスを護衛するよう依頼し、その礼として国宝の魔法の鏡を提供する。エルトリオという兄がいるが、愛した女性を追うため城を出て以来行方不明となっている。国に問題が二つも起こって手詰まりになったときに「こんなとき兄上がいれば……」と漏らすことも。息子のチャゴスがよくカジノに逃げ込むため、ベルガラックやギャリングの関係者を嫌っているらしい。
チャゴス (Charmles)
サザンビーク王国王子。ミーティアの婚約者。背丈が小さく、まるまると太っており(城の肖像画では正反対のハンサムに描かれている)、知らない者には王子に見えない。頭には王冠ではなくベレー帽を被っている。トカゲが大の苦手で、トカゲの魔物(アルゴリザード)と戦わなければならない王家の試練からあらゆる手段で逃げ続け、いざ試練に臨んでも戦いではすぐに逃げ出すなどといった臆病者。ストレスがたまるとベルガラックのカジノに逃げ込むらしい。さらに利己的な性格であり、王家の試練を終えた証であるアルゴンハートのために主人公たちをこき使い、最終的に納得のいく大きさのアルゴンハートを手に入れるも、バザーでさらに巨大なアルゴンハートを闇商人から買い取り主人公たちを呆れさせる。さらには、試練で世話になった主人公たちを後に再会した際も見下す態度を取るなど、とても自己中心的な性格で、気に入らない相手には皮肉を言う程度に抑えているククールでさえも、その傍若無人さには思わず机に拳を叩きつける程である。物語中、最後までこの悪い性格が改善されることはないが、最終的にはその性格が災いすることになる。欧米版では自分の名前 Charmles を 'Sharm-LEI' と発音しているが、周りからはしばしば 'Charmless'(魅力なし)と呼ばれる。
レティス (Empyrea)
数百年前、七賢者と共にラプソーンを封印した神鳥。当初、光の世界では影のみしか見られないが、闇の世界で本体の姿を見ることができる。妖魔ゲモンによって子供(卵)を人質にとられており、ゲモン退治を主人公たちに依頼するが、その前に主人公たちに戦いを挑んで力を試す。最終的には子供は殺されるが、その魂が主人公たちにとって大きな力となる。後に暗黒神ラプソーンが闇の世界の魔物を光の世界に召喚したとき、それらと一緒にレティス自身も光の世界に現れる。最終決戦では主人公達を背に乗せ、上空のラプソーンとの戦いで足場となる。
「まともに闘えば、ゲモンなど敵ではない」と語る通り、主人公達との戦闘に際しては強力なクチバシや爪の攻撃に加え、凍てつく波動や勇者専用呪文ライデインまで使う等、この後に闘うゲモンよりはるかに強い。
「無数の世界を旅するもの」とされる通り、実は本作の世界の神ではない。本作の世界においてラプソーンが調和を乱す事を警告する為に現れ、この世界の者たちが「神鳥」と呼び始めたのが起源となっている。「レティス」という名は七賢者のひとりレグニストに付けてもらったらしい。生まれた世界では「ラーミア」という名前で呼ばれていた。これは『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』に登場した不死鳥と同じ名であり、さらにアイテム「神鳥のたましい」での飛行時のBGMは『III』と同じく「おおぞらをとぶ」である、終盤ではラーミア同様に双子の巫女らしき少女たちが付き添っている、後の『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』ではロトシリーズ(第1作〜『III』)の主人公達が搭乗するラーミアがレティスと同じデザインになっているなど、同一の存在もしくは同族であることをほのめかす要素が多々存在する。

※以下は、物語に直接関連しない人物である。

モリー (Morrie)
モンスター・バトルロードの主催者で、自分も最強のチームを率いる。主人公を「ボーイ」(他にヤンガスを「ミスター」、ゼシカを「レディ」、ククールを「ナイスガイ」)と呼び、常に風が吹いている熱い男。マリー・ミリー・ムリー・メリーという4人のバニーガールが側にいる。容姿は『ドラゴンボール』のミスター・サタンに似ている。赤と緑がイメージカラー。
このキャラクターのイラストは、当初はゲーム内のほかのキャラクター用に用意されたものであったが、インパクトが強すぎるためにバトルロードのキャラクターに転用されたものである。
後の『モンスターバトルロードシリーズ』では一貫して進行役を務めている。『IX』では、2009年12月19日~20日に行われた「ジャンプフェスタ2010」の先行配信キャラクターとして登場、その後2010年7月15日から、『モンスターバトルロードビクトリー』の発売記念として一般配信。
ラグサット
ゼシカの元「フィ〜アンセ」(婚約者)。キノコのような髪型と貴族のような派手な服の青年。サザンビーク大臣の一人息子だったけど、女遊びの激しさから勘当されている。ゼシカとの婚約も大臣とゼシカの父親が友人同士だった事から決められたらしいが、彼女には歯牙にも掛けられておらず、本人もゼシカの気性の激しさを目の当たりにして驚いていた。美貌はともかくその気性は好みではなかったらしく、ゼシカの勘当と共に婚約が自然解消しても、特に惜しむ様子は見られなかった。また、彼を目撃した周囲からも「ゼシカとは合わない」という意見が飛び出していた。ゼシカが旅立った後はしばらくリーザス村のアルバート屋敷に居候していたが、やがて旅に出てリブルアーチで彫刻工房に弟子入りした・・・と思ったら「呪われしゼシカ」の襲撃騒ぎに乗じて逃げ出した。その後はサヴェッラ大聖堂などを転々とし、こっそり故郷にも戻ったけど「お父さんが怖くて帰れないんだって」と言っているらしい。登場頻度は高いけど、物語の根幹には関わらないチョイ役。
ラパン (Ferix)
ベルガラックの南東「ラパンハウス」に住む男。キラーパンサー友の会会長。キラーパンサーをこよなく愛し、「キラーパンサーの父」と呼ばれている。多忙なため、カラッチという忠実な召使いの認めた者としか会わない。家の中にもキラーパンサーが何匹かいる。合言葉は「心にパンサー」。かつてバウムレンという名のキラーパンサーと出会った事が今の仕事のきっかけであり、訪れた主人公達に彼を探して導くよう依頼する。その後、礼としてキラーパンサーに乗れる、キラーパンサー友の会会員証となる鈴を渡し、そのエピソードに冠して「バウムレンの鈴」と名付けた。
ライアン
ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』よりモンスター・バトルロードでトルネコと共にゲスト登場。
トルネコ
ライアンと同じ『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』よりモンスター・バトルロードでゲスト登場。
後に、スピンオフ作品『ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン』でも登場している。

異界関連[]

以下の4人は、ゲームクリア後のみ行くことができる場所で主人公たちが出会う人物である。いずれも主人公と深い関わりがある。

竜神王 (Lord of the Dragovians)
竜神族の長。天の祭壇に住んでいる。ある理由から人間の姿を捨てる儀式を行い失敗。自我を無くして凶暴化した巨竜となった。この儀式で彼が巨竜の姿になっている間は、他の竜神族から生体エネルギーを吸い取ることになるため、住人たちは弱っており、里は荒れ果てていた。彼との戦闘に勝利することで主人公の出生の秘密とトーポの正体が明かされる。正気を取り戻した後は、「竜の試練」と称し、主人公たちに戦いを挑む。最初の戦いでは人間形態だが、主人公たちが勝利すると、6つの巨竜形態のうちの1つに変身する。試練を6回終えた後の力試しでは、人間形態と、最終形態である「永遠の巨竜」を含む全8形態が順に現れる(人間形態と永遠の巨竜以外はHPが半減している)。「永遠の巨竜」は『ドラゴンクエスト』(第1作)の竜王の変身後の姿に似ている。なお、普通に変身する分には他人からエネルギーを吸い取ることはない。
『バトルロード』の「レジェンドクエストVIII」では、「聖なる巨竜」の姿で最終ボスとして登場。
エルトリオ (Eltrio)
サザンビーク王国国王クラビウスの兄で、主人公の父親。十数年前、持ち前の好奇心から人間界にやってきた竜神族のウィニアと出会い恋に落ちるが、ウィニアの父グルーノによって引き裂かれる。その後ウィニアを追って竜神族の村へ向かうも、あと少しというところで力尽き死亡。作中で主人公たちと出会う場面は無い。彼の亡骸は異界へのダンジョン内、村の入り口に近い所(遺体があった場所)にある墓の中で、グルーノの計らいによりウィニアと共に眠っている。グルーノの持っている紙芝居では、外見が主人公にそっくりである(実際に実弟のクラビウスも主人公をはじめて見た際、あまりに似ていることから動揺を隠しきれないでいた)。サザンビークの住民によると、城を出ていなければ彼が国王になっていたとのこと。
ウィニア (Xia)
竜神族の長老の1人・グルーノの娘。主人公の母親。好奇心から人間界を訪れた際にエルトリオと出会い恋に落ちるが、グルーノによって引き裂かれた。その後エルトリオの死を知って以降身体は衰弱し、主人公の出産と引き換えに命を落とした。既にこの世にはいないため、作中で主人公たちと出会う場面は無い。彼女の墓は天の祭壇にあるのだがそれはカモフラージュで、本当はエルトリオの墓に共に眠っている。
グルーノ (Chen Mui)
竜神族の長老の一人で、主人公の祖父。ネズミのトーポの正体は彼である。娘夫婦への罪滅ぼしもあって、竜神王の決定に従いネズミの姿に変えさせられてまで、孫である主人公の成長を傍で見守り続けた。主人公の生い立ちを紙芝居で教えるが、自分だけは美化して描かれていたり、その紙芝居を何度も見せたりと妙に見栄っ張りな面も見受けられる。

敵キャラクター[]

主人公たちが敵として戦うことになる存在である。主要なボスキャラクターのみ記す。

ザバン
滝の洞窟の主。ルイネロが捨てた水晶玉が頭に直撃し、傷を負ったことで激怒していた。主人公の経歴を知っていた節がある。
オセアーノン
船ほども巨大なイカの魔物。かつては「海一番のニュルニュル者である偉大なるボス」(ポルトリンクのしびれくらげ談)と呼ばれ、ポルトリンク近海の魔物たちから慕われる存在だったが、海上を歩いているドルマゲスと偶然遭遇、彼に睨まれて以来暴君と化してしまう。連絡船の運航を妨害していたが主人公達に敗れ、本来のおとなしく物分かりのいい性格に戻る。その後は登場しないが、彼の幼生である小型イカの魔物「プチアーノン」はあちこちの海で見られる。
モンスターズジョーカー2』でもボスキャラクターとして登場。何故か関西弁を喋る。
嘆きの亡霊
トラップボックス
剣士像の洞窟で、「ビーナスの涙」を求める旅人への試練として襲い掛かってくる。綺麗な物以外は口に入れないらしい。
ドン・モグーラ (Don Mole)
アスカンタ城地下宝庫から「月影のハープ」を奪ったモグラ盗賊団のボスである巨大モグラ。アスカンタより北方の洞窟にアジト(モグラのアジト)を構えている。音楽を愛するが部下を悶絶させるほどの音痴。しかし基本的には部下から慕われている。主人公達に敗れた後はアジトを引き払った。
アルゴングレート
ドルマゲス (Dhoulmagus)
トロデーン城にイバラの呪いを掛けた道化師で、マスター・ライラスの元弟子。弟子としては落ちこぼれで人々から馬鹿にされた過去を持ち、人々を見返すためにトロデーン王家の宝「神鳥の杖」を盗み出す。しかし、彼を馬鹿にした人々を憎む心が強かったせいで負の心が生まれ、杖に封じられた暗黒神ラプソーンに操られてしまう。全ての出来事を引き起こした張本人である。口癖は「悲しいなあ」。この口癖はのちにラプソーンに操られたゼシカにも見られることから、ラプソーン自身の口癖であると思われる。空中浮遊、瞬間移動、金縛り、にらみつけた相手を凶暴化させる、海の上を歩くなどの超魔力を持つ。七賢者の子孫のうち自身の師匠のマスター・ライラス、サーベルト、オディロ、ギャリングの4人を殺害後、賢者の末裔を殺害するたびに力を増していたようだが、その有り余る魔力に肉体が耐えられなくなり、その治癒のために闇の遺跡の最深部にこもっていた。その際、事前に遺跡の結界を破る「太陽の鏡」の魔力を奪っておくなど、周到で用心深い性格がうかがえる。最終的には、主人公達に発見され、闇の遺跡最深部で主人公らと戦うこととなる。戦闘では、第1形態は3体に分身する。その後神鳥の杖の力を解放し、怪鳥のような翼を生やした魔人の姿へと変貌して第2形態となる。その姿は頭部以外は闇の遺跡にある石像と酷似している。最終的には石化し砂となって滅び死亡する。
後に『IX』や『モンスターズ ジョーカー』、『モンスターズバトルロード』でも再登場した。『モンスターズ ジョーカー』と、『IX』では第2形態のみの登場、『モンスターバトルロードI』では第1形態だったが、『IIレジェンド』では第2形態に変更されている。
キャプテン・クロウ
レオパルド (Leopald)
リブルアーチの猛犬。ハワードの愛犬で、彼が唯一心を開く存在だった。黒くスマートな犬で、凶暴だが賢いらしい。ゼシカの落とした神鳥の杖を拾い、暗黒神ラプソーンに操られ、魔物化した。チェルスとメディを殺害後、羽根を生やして空中を飛び回り、法皇の館で主人公たちと戦う(戦闘では「魔犬レオパルド」と表示される)。最期は犬の姿に戻って絶命する。
また後に、『モンスターズジョーカーシリーズ』でも再登場した。
妖魔ゲモン (Gemon)
神鳥の巣(闇)に住む暗黒神ラプソーンの腹心。真っ黒な怪鳥の魔物。レティスの子供の卵を人質に取り、レティスに闇のレティシアを襲わせた。
レティスいわく、自身が戦えば敵ではない程度の強さらしい。
スクウェア・エニックスから発売された公式ガイドブック『ドラゴンクエストVIIIのあるきかた』の283ページによると、ゲモンの「暗黒神の腹心」発言は自称で、同じ姿をした雑魚モンスター・ダークジャミラの1匹にすぎないのではないかと記されている。しかし正確にはダークジャミラとは目や角に違いがある上能力も高く、体躯もダークジャミラよりかなり大きい為、基本的には別種と考えられる。
モンスターズジョーカー2』でもボスキャラクターとして登場。名前は「ゲモン」となっている。
マルチェロ (Marchello)
聖堂騎士団団長。ククールの異母兄。29歳。母はマイエラ地方の領主のメイドで、領主に実子がいなかったため半ば無理やり子供を産まされたのだったが、その後領主と妻との間にククールが生まれたため、幼少時に母とともに屋敷を追い出され、まもなく母を亡くし修道院に入った。端正だがそれ以上に鋭い顔つきで、かなりの野望と強靭な精神力を持ち、剣術、魔法も万能で戦闘技術は非常に高い。また、ククール誕生以前の少年時代から優秀さが故郷では知られており、その能力と野心で次期法皇を目論み行動していた。法皇就任式の演説から、目指していたのは神や王や法皇のような生まれつきやお飾りの存在ではなく「実力で偉くなった、武力を持った権力者」であったことが分かる。タカのような目つきをしており、主人公たちに会っては、睨みながらニヤリと笑みをうかべることもあり、ゼシカからは「2階からイヤミ」、「どこでもイヤミ」と言われる。一時期、暗黒神ラプソーンの封じられた「神鳥の杖」を握っていたにもかかわらず、強靭な意志で抗い、精神を支配される事なくその力を利用した。法皇殺害後、聖地ゴルドでは、その杖を取り戻そうとする主人公たちと対峙するが、主人公たちに敗れた際に杖の強大な魔力に精神を支配され、ラプソーンに利用される。ククールのことを激しく憎んでいるが、修道院で声をかけた少年がやって来たばかりのククールだと分かるまでは、かつての自分の境遇もあってか彼に対して非常に優しく接しており、そのことがククールに複雑な感情を持たせる要因となっていた。最終的にゴルド崩壊から生き延びククールに助けられるとともに思いを打ち明けられ、マルチェロなりにククールを許した証として彼に聖堂騎士団長の指輪を渡し何処へと去っていった。
暗黒の魔人
暗黒魔城都市が生命を持った姿。後に「モンスターバトルロード」シリーズや、「モンスターズジョーカー」シリーズにも再登場。
暗黒神ラプソーン (Rhapthorne)
本作の黒幕。その絶大な力で世界を混沌に落とし入れようと目論む暗黒神で、元々は闇の世界の神だった。かつて七賢者と神鳥レティスが封印し、魂をトロデーン王家の宝「神鳥の杖」に、肉体を聖地ゴルドの女神像に封じ込められていた。杖に魂が封じ込められていた時は、人の持つ負の心に取り付き、邪悪な精神で杖を持った者を操り、自身の完全復活を目論む。直属の部下として、闇の遺跡の信仰者達と暗黒魔城都市の精鋭がいる。
ドルマゲス、ゼシカ、レオパルドを操り七賢者の血脈者7人全員を殺害して魂の封印を解除し、マルチェロを操り女神像を破壊して肉体を解き放ったことにより復活する。その後マルチェロを解放し暗黒魔城都市で主人公たちと戦うが、この時は真の肉体を取り戻していない完全復活前の姿である。その後暗黒魔城都市の力を吸収し完全復活、非常に巨大な「完全体」へと変貌。この形態ではいかなる攻撃をも全く受け付けない絶対防御壁「闇の結界」を身に纏っている。七賢者の魂をオーブから解放することによって「闇の結界」を剥がされ、世界の上空で神鳥レティスに乗った主人公たちと最終決戦を繰り広げる。ラストダンジョンを抜けた奥ではなく、フィールド上で戦う最終ボスは彼が初である。
後に『IX』や『モンスターズ ジョーカー』、『モンスターズバトルロード』でも再登場した。『バトルロード』以外では『暗黒神』の肩書きは付かず『ラプソーン』または『魔王・大魔王ラプソーン』としての登場である。また、いずれの作品でも原典ほど大きくはなくなっており、『IX』では背景からレティスもいなくなっている。

道具[]

物語を進めるうえで特に重要な道具について解説する。

水晶玉
占い師ルイネロが使う水晶玉。ある理由により捨てられていた。
ビーナスの涙/アルゴンハート/クラン・スピネル
「世界三大宝石」と呼ばれる、美しい宝石。ビーナスの涙は仕掛けだらけの迷宮に安置され、アルゴンハートはある王家の儀式に関係し、クラン・スピネルは強い魔力を秘めている。
月影のハープ
ある王家の宝。古代船と同じくらい古い時代から伝わるハープ
魔法の鏡/太陽の鏡
ある王家に伝わる品。発見された当初は魔力が失われていたが…。
世界結界全集
呪術師が使う専門書。
光の海図
通常では航行不可能な、とある場所への行き方を示す海図。
暗黒大樹の葉
闇の世界の巨木の葉。暗黒の魔力に反応し、地図と組み合わせるとその位置が分かる。
ゴールドオーブ/シルバーオーブ/レッドオーブ/ブルーオーブ/グリーンオーブ/イエローオーブ/パープルオーブ
かつてラプソーンと戦った七賢者の意思が宿る7つのオーブ。
アルゴンリング
上述のアルゴンハートを埋め込んだ指輪。かつてはエルトリオが所有していた。

開発[]

完全3Dドラゴンクエストの実現[]

本作は対応ハードがプレイステーション2となったことにより、ゲームの全てが3Dとなった。ゲームデザイナーの堀井雄二は、このような3D化の構想をスーパーファミコンの時代から持っていたが、当時はハードウェアの性能上3D化は実現不可能であり、10年の月日を経て発売された本作でようやくその念願が叶えることができたと語っている。戦闘モードでの一人称視点は放棄されたが、3Dのゲームになっても、「プレイヤー自身が主人公である」というドラゴンクエストの基本コンセプトは変化させておらず、2D時代のわかりやすさやテンポを踏襲させている。

また、開発に携わったレベルファイブの日野晃博は、本作のグラフィックを作成する際、ドラゴンクエストシリーズの過去の作品を徹底的に研究し、堀井が構想するドラクエワールドを可能な限り美しく、そして細かく表現した。主人公が樽を投げた際の壊れ方や、差し込む太陽の光、そしてキャラクターやフィールド上の動物の動きなど、かなり細部にまでこだわって作り込んでいる。

しかし、次回作『ドラゴンクエストIX』では『VII』のような俯瞰視点のフィールドに回帰した。堀井雄二は雑誌「ファミ通」によるインタビューにて、「DQVIIIタイプの発展系も機会があればやりたい」と本作の方向性を完全に捨てたわけではないと発言をしている。

音楽[]

すぎやまこういちによる本作の楽曲は、前作までと比べるとイベント専用曲などが増加し、ゲーム音楽はアレンジバージョンも含めると全39曲が作られ、さらに没案の曲も含めると60曲に上ったという。また当初はゲームがアニメ風になるということでBGMもアニメ風にする構想もあったが、従来作との縦の連続性が生まれるようにするため、従来作の楽曲の方向性を貫いたという。ゲーム音源の作成は株式会社トーセの専任スタッフが担当。その中でもフィールドのBGMである『広い世界へ』などは、PS2版『ドラゴンクエストV』に同梱される特典ディスクの作成に合わせて急遽作曲されたものである。なお、飛行中のBGM『おおぞらをとぶ』、酒場などでのBGM『酒場でブギウギ』、カジノのBGM『楽しいカジノ』については、以前に発売されたドラゴンクエスト作品のものと同一のメロディを使用している。

2004年12月22日にはゲーム音源を収録したサウンドトラック(以下サントラ)が発売された。オーケストラ版よりもゲーム音源盤が先に発売されるのはシリーズで初のことであり、従来のCDについては資料としての意味合いが強かったが、本作のサントラは観賞用というコンセプトで発売したとすぎやまは語っている。その中でもすぎやまは、村のBGM『静かな村』を特にうまくできた曲と自己評価しており、サントラの解説書には楽譜も掲載された。

各楽曲の解説については「ドラゴンクエストシリーズの楽曲一覧」を参照

販売・プロモーション[]

本作の発売が最初に発表されたのは、旧エニックスが合併してスクウェア・エニックスとなる約4か月前の2002年11月末のことである。このときレベルファイブにより既に開発は進んでおり(日野の開発受託に至る証言を鑑みて、2001年の年末年始にかけてコンペが行われて同社に決まった後、2002年春ごろから開発が始まっていたようである)、続いて同年12月の初めにはゲーム画面が1点のみ公開された。その後2003年は戦闘画面が数点発表される以外に目立った発表は無かったが、2004年3月には正式タイトルとロゴが発表され、さらに同月25日に発売されたプレイステーション2版『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』に、本作のデモンストレーション映像を収録した「プレミアム映像ディスク」が同梱された。6月中旬には同年冬の発売が決定し、この後ゲームシステムなど新情報が続々と発表されていった。9月にはメーカーによるゲーム公式サイトが開設され、正式な発売日が同年11月27日と発表。東京ゲームショウ2004への出展も行われた。テレビCMには前作に続いて今回もSMAPが出演し、キャッチコピーは本作の広大なフィールドを連想させる「見渡す限りの世界がある。」が使われた。

ほかのナンバリングタイトルでは毎回発売日の延期が起きていた(SFC版VIを除く)が、本作では1度も延期されることは無く、同年11月27日の午前7時00分に発売に至った。発売前には東京にてカウントダウンイベントが行われ、日本テレビ系列の番組『エンパラナイト』でも特集が行われた。

日本での出荷本数は発売日から3日間で、プレイステーション2用ソフト史上最大となる300万本以上を出荷し、最終的には実売350万本以上、出荷は360万本以上を達成しており、日本国内の同ハードでのソフト売上1位を誇る。売上高は738億6400万円(前期比16.9%増)、営業利益は264億3800万円(同36.3%増)、経常利益は259億100万円(同41.9%増)。

2005年9月には、スクウェア・エニックスのアメリカ法人が本作の北米版の発売日を同年11月22日と発表した。従来、北米では"Dragon Warrior" ブランドでの発売であったが、本作からは日本以外でも"Dragon Quest" のブランドとなった(詳しくはドラゴンクエストシリーズの項を参照)。その後発売日は前倒しされ、実際の発売は11月15日となった。この北米版 "Dragon Quest VIII" には、"ファイナルファンタジーXII" の体験版が同梱された。

また、本作はドラゴンクエストシリーズで初めてとなるヨーロッパでも、5か国語(英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・イタリア語)対応で発売された。

欧米の売上本数累計は2008年12月時点で100万本を超えた。これは、日本以外での歴代ドラゴンクエストシリーズ作品の中で最高の売上本数である。

評価[]

ファミ通のクロスレビューでは40満点中39点だった。

日本では、日本ゲーム大賞(The 8th CESA GAME AWARDS FUTURE)を受賞し、2005年1月26日に第19回デジタルコンテンツグランプリのヒットコンテンツ部門・DCAj会長賞に選ばれた。後にThe 9th CESA GAME AWARDS 2004-2005 最優秀賞、米国1UP.com AWARDのBEST RPGを受賞した。

日本国外では、アメリカ大手ゲームサイトGameSpotにて2005年度最優秀RPGを受賞、IGNにおいても最優秀RPGに選出された。

2006年3月にファミ通900号記念企画として行われた「読者が選ぶ心のベストゲーム100」では、同シリーズ『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』に次ぐ4位にランクインした。

裁判[]

2004年12月に鉄人社が本作の非公式攻略本『ドラゴンクエストVIII 完全攻略データ集』を発売した。これに対し、スクウェア・エニックスは同年12月27日に商標権侵害と不正競争防止法違反を理由として同攻略本の出版差止を求める仮処分申請を東京地方裁判所に申し立て、翌2005年1月31日にはさらに著作権侵害を理由に加え出版差止や損害賠償を求める本訴を起こした。

その後2005年11月に両社は和解。具体的な和解内容は明らかにされていないが、鉄人社はこの件に関するプレスリリースの中でコメントを述べている。

ちなみに同裁判の中では、ドラゴンクエストシリーズ全体(第1作から『VII』まで、およびドラゴンクエストモンスターズなど)の公式ガイドブックの売上が2004年末現在で約2,256万部に上っていること、スクウェア・エニックスから発売される本作の公式ガイドブック1セット(上下巻セットで定価3,100円)から得られる利益が1419.5円であることなどが明らかにされている。

関連商品[]

ガイドブック[]

  • Vジャンプブックスゲームシリーズ ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君
  • SE-MOOK ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君 公式ガイドブック 上巻 世界編
  • SE-MOOK ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君 公式ガイドブック 下巻 知識編
  • ドラゴンクエストVIIIのあるきかた

その他の書籍[]

  • Vジャンプ緊急増刊 ドラゴンクエストVIII大冒険スーパーガイドブック - Vジャンプ2004年12月15日増刊号。鳥山明によるメインキャラクターや町の人、乗り物などの書き下ろしイラストが掲載された。

CD[]

†は廃盤。

  • † 「ドラゴンクエストVIII」空と海と大地と呪われし姫君 オリジナル・サウンドトラック - ゲーム音源集。
  • † 交響組曲「ドラゴンクエストVIII」空と海と大地と呪われし姫君 - 東京都交響楽団演奏。このCDに収録されている音楽は欧米バージョンのゲームBGMとして使用されている。
  • 交響組曲「ドラゴンクエストVIII」空と海と大地と呪われし姫君 - 東京都交響楽団演奏。このCDに収録されている音楽は欧米バージョンのゲームBGMとして使用されている。
  • 「ドラゴンクエストVIII」空と海と大地と呪われし姫君 オリジナル・サウンドトラック - ゲーム音源集。

その他グッズ[]

  • ドラゴンクエストスライムコントローラー - HORI製。スライムの形をしたプレイステーション2用コントローラ。本作と同日(2004年11月27日)の発売。ケーブルは着脱式で、オブジェとして飾ることもでき専用の台座も同梱されている。スライムの底面にボタンやアナログスティック等が配置されており、表面はゴム製であるが、翌年プラスチック表面のメタルスライムコントローラーも発売された。
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