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ドラゴンクエストV 天空の花嫁』(ドラゴンクエストファイブ てんくうのはなよめ)は、スクウェア・エニックスより発売されたゲームソフト。ジャンルはロールプレイングゲーム(RPG)。

日本では、1992年9月27日にスーパーファミコン(以下SFC)用ソフトとして発売され、その後リメイク版としてプレイステーション2(以下PS2)版とニンテンドーDS(以下DS)版が発売されている(PS2版およびDS版はのちに廉価版「アルティメットヒッツ」として発売された)。

当時のエニックスがSuper Nintendo Entertainment System(SNES)に参入しなかったこともあって、長らく日本国外では発売されなかったが、2009年DS版がアメリカで "Dragon Quest V: Hand of the Heavenly Bride" として、ヨーロッパでは「V」を除いた "Dragon Quest: The Hand of the Heavenly Bride" として発売された。

概要[]

ドラゴンクエストシリーズの第5作。前4作はファミリーコンピュータ(ファミコン)で発売されてきたが、本作はその後継機種であるスーパーファミコンで発売された最初のドラゴンクエスト作品となった。初のスーパーファミコン作品で開発も難航したこともあり、今までの同シリーズと比較して前作発売からの期間が長かった。また、当初は1992年の5月31日の発売が決定したが、前述の開発難航により8月発売予定に変更、それからさらに延期となって発売日が9月27日となった経歴がある。具体的な発売日が決定してからの発売日変更は極めてまれな事例である。

親子3代に渡るストーリーや、ストーリー中盤に結婚という人生の重大なイベントがあることが特徴。多数のモンスターを仲間にするシステムも導入された。シナリオ・ゲームデザインの堀井雄二は、本作の本質は感動であり、一番の感動はもう一つの人生を体験することだと語っている。DS版のCMでは「人生を体験できるゲーム」と紹介された。

対応機種が高性能なスーパーファミコンに変わり、グラフィックやサウンドの質が向上した。また、前作までと比べるとストーリー重視の作風となり、重要キャラクターの会話が自動で進められるイベントシーンが増加した。さらに、一度最終ボスを倒してエンディングを見た冒険の書(セーブファイル)でしか入ることのできない、いわゆる隠しダンジョンが初登場し、その最深部には最終ボスを上回る強さを持つ隠しボスが存在する。

本作は「天空シリーズ」の2作目として位置づけられ、また、従来のシリーズ4作品に共通していた主人公は勇者という設定を覆した。主人公には魔王を倒すという使命がゲーム開始時から与えられているわけではなく、人や物を捜すという目的が中心となっている。物語の最後は他作品同様に魔王と対決することになるが、それでも直前までの目的はあくまで主人公の母親を捜すことであり、勇者と魔王の対決と言う図式は副次的な物に留められている。魔王の存在自体が明かされるのも終盤に入ってからである。

発売後には、ゲームブック化や小説化、ドラマCD化も行われている(それぞれゲームブックドラゴンクエスト小説ドラゴンクエストCDシアター ドラゴンクエストを参照)。また、本作の世界を舞台とした派生漫画作品として『ドラゴンクエスト 天空物語』(幸宮チノ)が連載された。

ゲームシステム[]

リメイク版については「#リメイク」を参照

ゲーム中での時間の大きな進行[]

ストーリー構成は前作のような章立てではないが、大きな場面転換が年月の経過という形で行われる。オープニングは主人公の誕生シーンが流れ、その後父親とともに船で旅をしているシーンからゲームが始まる。物語は序盤は子供として父親と共に冒険、中盤では成長し青年となり人生の伴侶(妻)と共に冒険、終盤では父親として子供と共に冒険、と3つのパートに分けることができ公式ガイドブックなどでは主人公の成長度から幼年時代少年時代とも)、青年時代前半青年時代後半と名付けられている。

また、前作と同様に幼年時代編に一度登場したマップを青年時代編において再使用するという手法がとられている。再度訪れるときには出現モンスターが異なるだけでなく、年月の経過により登場人物が加齢していたり、村が滅ぼされていたりするなどの状況の変化が起きる。その代わりに幼年時代編から青年時代前半編まではプレイヤーの行動範囲が制限され、ストーリーに従った順序でしかゲームを進められない。そのため、本作ではキメラの翼を使うと、自動的に最後に訪れた町へワープするだけで行き先指定が出来ない。ワープ先の移動の呪文ルーラは従来と同様にワープ先の選択ができるが、使えるようになるのはゲーム中盤のイベント終了後からであり、それ以前は幼年時代編も含め、今までに訪れた場所を自由に行き来することができない。また、大陸間にある浅瀬によって海が分断されているため、青年時代前半編では限られた範囲しか航海できないようになっている。

画面表示と移動画面[]

前作までと比べ、移動画面でのキャラクターの等身が若干大きくなり、キャラクター移動はそれまでの1ブロック単位から半ブロック単位となった。また、メッセージウィンドウ内の文字が大きくなり漢字が使われるようになり、メッセージも4行まで表示可能になった。また、前作までは仲間のHPが最大HPの4分の1以下になるとメッセージ・コマンドウィンドウや文字が全て緑色になり、死亡すると赤になっていたが、今作から4分の1以下になったキャラクターだけの文字が黄色に変わり、死亡すると赤になる表示に変わった。さらにステータス異常(毒やマホトーンなど)の表示がレベルの数値部分に表示されていたが、HPとMPの間に表示されるようになり色も赤色に変わった。

インターフェース面では新たに便利ボタン機能が搭載され、会話(はなす)・扉開け(とびら)・調査(しらべる)のうち適切なものがボタンを1回押すだけで実行されるようになった。アイテム購入時は、装備可能な武器・防具を購入と同時に装備させてもらうことができるようになり、いちいち自分で装備の操作をする手間が省かれるようになった。また「さくせん」コマンドで移動中に呪文によって自動的に全員のHPを完全回復(毒も同時治療)するまんたんが初登場した。

『ドラゴンクエストIII』から登場した昼と夜の時間の移り変わりが継承されている。青年時代編ではフィールドを一定歩数歩くことによって昼と夜が切り替わる。ただし幼年時代編は一部のイベント期間中に宿屋の利用によって昼・夜を切り替えるのみでそれ以外では夜は登場しない。さらに昼と夜とで、出現するモンスターの違いがない。

本作のモンスターは、色違いが存在せず1種類しかいないザコモンスターの割合が前4作より多い。

乗り物[]

  • - 乗り込むことによって水上を移動する。浅瀬は通れない。
  • 魔法のじゅうたん - 平地や水面の上(浅瀬も含む)を途中で魔物に遭遇せずに高速で移動する。アイテムとして持ち運べるため、フィールド上の広い平地であればどこからでも乗ることができる。ただし低空飛行をするため森や山を通行することはできない。
  • 天空城 - 天空城内の動力室のスイッチを踏むことで、城をゆっくりと移動させる。あらゆる地形の上を飛行可能だが、大神殿だけは行くことができない。離着陸できる場所は広い平地に限られる。船と違い呪文ルーラを使っても主人公たちの近くには移動しないが、直接天空城にルーラで行き飛行することは可能。
  • マスタードラゴン - 天空のベルでマスタードラゴンを呼び、彼の背中に乗って空を飛ぶ。あらゆる地形の上を高速で飛行可能で大神殿にも行くことができる。離着陸可能な場所は魔法のじゅうたんと同様。

移動手段別による基本的制約は、主に以下の通り(○=移動可能、△=可能だが降りる事は不可、▲=可能だがダメージを受ける、×=移動不可)









歩行 × × ×
じゅうたん × ×
× × × × ×
飛行手段

上記の乗り物は全て、妖精の世界と暗黒の世界では使用できない。

プレイヤーキャラクター[]

本作のプレイヤーキャラクターには人物キャラクターと主に戦闘後に仲間にすることができる仲間モンスターが存在する。

人物キャラクターに関しては、青年時代前半編まではシナリオ進行によって加入や離脱をするが、主人公の選択によっては仲間にならないキャラクターも存在する。青年時代後半編ではグランバニアに登場するルイーダの酒場で主人公以外の人物をパーティーに加えたり外したりすることができる。人物キャラクターを馬車に残したまま城や町に入った際は、優先的に人物キャラクターを中心としたパーティー編成になるように自動的に並び替えが行われる(一部を除く)。城や町以外に大神殿もこれに準ずる。よって仲間モンスターを連れていく場合はルイーダの酒場で人物キャラクターを外す必要がある。また青年時代編では死亡した主人公を連れて城や町などに入った場合、自動的に仲間が主人公を教会に運んで蘇生させる(所持金が費用に足りなくても全所持金を払って蘇生してもらえる)。これ以外にも特徴がある。詳細はこちらを参照。

プレイヤーキャラクターの名前は、前作まではひらがなのみ使用可能で濁点・半濁点を1文字として数えていたが、本作からは文字と濁点・半濁点を合わせて1文字と数え、カタカナも使用可能になった。

仲間モンスター[]

本作では、戦闘終了時に特定のモンスターが一定確率で起き上がることがあり、プレイヤーの判断によりそのモンスターを仲間にする(主人公のパーティーに加える)ことができる。このシステムは次作『ドラゴンクエストVI』でも採用されたほか、後にモンスター育成RPG『ドラゴンクエストモンスターズ』シリーズへと発展した。

本作で戦闘後にモンスターを仲間にできるのは、青年時代編でモンスターじいさんと会話し、馬車を入手した後からであり、仲間にするには主人公のレベルがそれ相応に高くなければならない。一度の戦闘で仲間になる可能性があるモンスターが複数出現した場合、それらの中で最後に倒したモンスター1匹が仲間になり得る。同種のモンスターは3匹まで仲間にすることができるが、2匹目、3匹目になると仲間になる確率は低くなる。また、モンスターによって仲間になる確率が異なる。名前はモンスター種別ごとに4つの名前が設定されており、仲間にしたときにはその4つの名前が順番に付けられる。

仲間モンスターは主人公たちと同様にレベルや経験値を持つが、初期レベルが1でない仲間モンスターや、レベル上限が99より低い仲間モンスターもいる。武具も装備でき、作戦・命令を与えることもできるが、「かしこさ」が20未満の場合は作戦・命令通りに行動しないことが多い。モンスターによっては炎・吹雪のブレス攻撃や踊りなどの特技を覚え、これらはMPを消費せず使用できる。

町などにあるモンスターじいさんの家では仲間モンスターを預ける、パーティーに戻す、状態を見る、別れる(登録抹消)、名前を変える(リメイク版のみ)といったことができる。また仲間が増えたときにそれ以上パーティーの人数を増やすことができない場合は、使わないモンスターをその場でモンスター預かり所に預けることができる。モンスターが死んだ状態で預けて「わかれる」を選択するとモンスターが埋葬される。

戦闘[]

戦闘画面は、『ドラゴンクエスト』第1作のように移動画面上に開いたウィンドウ内にモンスターが表示され、『ドラゴンクエストII』以降で廃止されていた背景が復活した。ただ、戦闘終了時にはウィンドウのみが閉じてフィールド画面に戻るのではなく、画面全体が暗転した後にフィールド画面に戻る。加えて、敵側に対する攻撃や呪文の効果がアニメーションとして表示されるようになった(主人公たちの姿は従来同様映らない)。また本作独特の要素として、モンスターが上下2段(地上・空中)に分かれて表示されるようになっている点がある。

前作『IV』の馬車システムが継承されたが、収容人数が10人→8人、戦闘参加人数が4人→3人に変更されたので、メンバー構成や攻撃手段などうまく組み立てないと苦戦を強いられる。特にモンスターが前述の上下2段で表示されるので一度に沢山来ることもしばしば。ダンジョンやボス戦も然り。前作同様城や町、一部のダンジョンでは入れ替えはできないがアイテムや呪文は使える。また馬車が入れないダンジョンでは馬車内にいるメンバーの経験値は得られない。前作は戦闘中の「いれかえ」が1ターン内のひとつの行動として行われていたが、本作ではターンの最初で即座に行え、さらに「そうがえ」で一度に複数のメンバーを入れ替えることもできる。

AI(人工知能)システムの変更も行われている。本作のAIは最初から敵の耐性等の情報を全て把握した状態になっており、無駄な行動を取ることがない。作戦は、前作に登場した6つのうち「いろいろやろうぜ」が廃止され、それに代わってコマンド入力によって指示を出すことができる作戦「めいれいさせろ」が初登場した。

コマンド入力で指定した標的が既にいなくなっていた場合、前作まではその攻撃や呪文が無効になっていたが、本作からはランダムに他の標的に移行するようになった。鞭やブーメランでは一度に複数の敵を攻撃できるようになったが、画面の右側の敵になるほど与えるダメージは小さくなり会心の一撃は出ない。

本作では新設された「みのまもり」が守備力の基礎値(防具を何も装備しない状態での守備力)となり、「すばやさ」は守備力とは無関係となった。また、敵モンスターが攻撃呪文を受ける際の耐性が、前作以前の確率式(ダメージを与えるか全く効かない)から、耐性の高低によってダメージが増減する方式に変更された。

なお、幼年時代はHPが0になった扱いが「しに」(死亡)ではなく「きぜつ」(気絶)となる。死亡とは異なり戦闘が終了するとHPが1になって復活するが、主人公の場合は全滅扱いとなる。

その他[]

カジノ
専用のコインを購入してミニゲームに挑戦し、獲得したコインを景品に交換できる。前作にあったスロットマシンとモンスター格闘場に加えて、スライムレースという、馬の代わりにスライムが走る競馬のようなものが新たに登場。ポーカーは廃止された。
小さなメダル
アイテム小さなメダルを、一定枚数をメダル王に届けることによってアイテムと交換できる。本作では世界各地にあるだけでなく、倒したモンスターがごくたまに落とすことがある。『VI』以降の作品では「持ってきた枚数の累計に応じて」順番にほうびがもらえるシステムなのだが、本作と前作『IV』(オリジナル版のみ)の特色として「持ってきたメダルとアイテムを交換、その分のメダルが減る」システムとなっている。例えば、預けたメダルが20枚の状態でメダル5枚のアイテムをもらうと、預けた分が15枚になる。メダルさえあれば同じアイテムを何回でももらえるが、その分枚数がたくさん必要なアイテムがもらいにくくなる。

リメイク[]

プレイステーション2版[]

SFC版を基に、新要素・新機能を追加したリメイク作品。SFC版の発売から11年半後の2004年3月に発売された。

機種がPS2に移ったことでグラフィックが向上している。『ドラゴンクエストVII』から採用された俯瞰方式の3Dマップを引き継ぎ、さらに従来は2Dのドット絵で表現されていたキャラクターが、ナンバリングタイトルで初めて3Dポリゴンで表現された。また、アナログスティックにより柔軟にキャラクターの移動が行えるようになった。

アイテムを入れる大きなふくろ、仲間との会話機能(移動中のみ)など、『VII』から多くのシステムが継承された。井戸の中に入る、壷や樽などを持ち上げて投げるなどのアクションも可能になった。

バックグラウンドミュージック(BGM)のほとんどはオーケストラ版が使用された。多くの曲はNHK交響楽団の演奏による曲だが、「哀愁物語」は神奈川フィルハーモニー管弦楽団、「ローリング・ダイス」はセントラル愛知交響楽団のライブ音源を使用。当時オーケストラ版の存在しなかった数曲はシンセサイザーによるサウンドである。

システムフォントはニィスのJTCウインR4をアルテピアッツァがライセンスを受けて使用している。

戦闘[]

戦闘参加人数が変更され、SFC版では3人だったが4人に増えた。このことからSFC版ではエンディングでしか見られなかった主人公家族4人のパーティー(並び替えも不可)が大神殿攻略後からできるようになった。また、一度に出現する敵モンスターの数もSFC版より増えるなどのゲームバランス調整が行われた。モンスターも3Dポリゴンとなり、攻撃のほか、混乱時や睡眠中などさまざまなアクションが追加され、待機中も常にアニメーションするようになった。武器攻撃・呪文のアニメーションも新しく作り直された。戦闘画面のレイアウトも変更され、従来の作品ではHP・MPのウィンドウが画面上部に表示されていたが、PS2版の本作ではそれらが画面下部に表示されるというレイアウトとなった。

レベルアップ時のステータス上昇幅はSFC版では固定方式であったが、PS2版ではランダム方式となった。AIの思考パターンの優先順位が変更され、場合によっては無駄な行動と取れることが多くなった。

作戦は1人ずつ選択できるようになり、「おれにまかせろ」の追加と「じゅもんせつやく」の廃止、「みんながんばれ」が「バッチリがんばれ」に名称変更された。

シナリオの追加・変更[]

SFC版では青年時代編にならないと登場しなかったフローラが幼年時代編に登場。青年時代前半では天空の剣を取得しないとストーリーが進まなくなり、これに関連するイベントがグランバニアで発生。石化からの復活直後の男の子のセリフも必ず見ることになる。ストーリー上重要な位置づけであるゲマに関連するイベントが追加・変更されている。エンディングまで到達した冒険の書で、パパスとマーサの過去に触れるシナリオを見られるようになった(後述の名産品とも関連している)。

新たなおまけ要素[]

名産品
世界の城や町、ダンジョンに名産品と呼ばれるアイテムが登場し、集めると名産博物館に展示することができる。入手方法はアイテムによって異なり一部の名産品は何度でも入手できる。各名産品にはランクが設定されており、展示の仕方によって来場者の数やセリフ・評価ポイントが変わる。また特定のイベントやアイテムの交換によりランクを上げることができる名産品や、道具として使うことで特殊効果を発揮する名産品もある。展示された名産品の数が増えると博物館を管理する老人ゆうじいからゴールドがもらえるが、名産品をコンプリートした際の特別な褒美はない。
ミニゲーム
  • すごろく場 - 基本ルールはリメイク版(SFC、ゲームボーイカラー)の『ドラゴンクエストIII』のものとほぼ同様だが(詳細は同作品の記事参照)、本作ではすごろくのサブマップすごろくダンジョンと、制限時間内に宝物を取る宝物庫が新要素として登場。
  • カジノ - ポーカーが復活した。また、スライムレースには自分のパーティーにいるスライムをレースに出せるようになった。
  • 福引 - 福引券1枚で1回挑戦できる。『II』に登場した福引とは方法が異なり、ランダムで出る玉の色によって獲得できるアイテムが決まる。

その他の変更点[]

タイトル画面の変更
SFC版のタイトル画面は主人公誕生シーン直後のみしか出なかったが、『IV』と同じオープニングクレジット後に出るようになった。
呪文・特技
サンチョが覚えるフィールド呪文(フローミ)と特技(盗賊の鼻・口笛)の追加と、隠し仲間モンスター用の攻撃特技2種追加。
モンスター
色違いのモンスター(スライムナイトとメタルライダーなど)が単なる色違いではなく、武具や大きさが若干アレンジされている。
新モンスターとして、『ドラゴンクエストVII』に登場した8種(コロヒーロー・プチヒーローなど)が追加された。仲間にすることのできるモンスターは42種から70種に増加し、クリア後に特定の条件で仲間になるモンスターも登場した。また、モンスターじいさんの家でキラーパンサーを除く仲間モンスターと大きなふくろの名前を自由に変更できるようになった。
マップ
フィールドマップにカジノ船名産博物館が追加され、一部の町やダンジョンではマップ構造が変更された。また、SFC版では幼年時代でしか歩けなかった妖精の世界のフィールドを青年時代後半でも歩けるようになった。
BGM
一部の城・町・ダンジョンなどのBGMが変更になった。
  • 氷の館が「洞窟に魔物の影が」から「死の塔」に変更
  • 「王宮のトランペット」に夜用のアレンジバージョンが登場
  • 青年時代のサンタローズの洞窟にあるパパスの隠し部屋が「さびれた村」(廃村のBGM)でなく「洞窟に魔物の影が」のまま
  • ラインハットでイベントにまつわる書物を読む時に「哀愁物語」が流れない
  • 青年時代後半のルラフェンにあるベネット研究所が「さびれた村」でなく「街は生きている」(町のBGM)のまま
  • ボブルの塔地下が「洞窟に魔物の影が」から地上と同じ「死の塔」に変更
細かい変更点
  • 味方と敵とで呪文を唱える際のサウンドエフェクトのオクターブが異なる
  • 喋る際のオクターブが3種類に変更
  • 店でこちらが物を売るときの値段が買値の75%→50%に変更
  • 戦闘中の補助系呪文の効果と麻痺状態が数ターンで消滅する
  • ボスのステータス強化(守備力がSFC版と比較して高くなっているなど)
  • 最初にサンタローズに向かう際の強制戦闘の内容変更
  • ベビーパンサーの名前候補が4種類→10種類に増加
  • 一時的に仲間になるベラに戦闘時命令不可になる
  • パパスがジャミとゴンズに攻撃されるシーンが戦闘画面からフィールドイベントに変更
  • 青年主人公の蘇生料金が無料になる
  • 預けられる仲間モンスターが58匹から200匹に増加
  • 馬車満杯時、預かり所へ戦闘直後に仲間になったモンスターでも送れるようになる
  • 仲間のパラメータ上昇率の修正(はぐれメタルのHPなど)
  • モンスターボックス・セレブリティパスなど数点のアイテム追加
  • 山彦の帽子・時の砂は入手不可になる(データ中には存在する)
  • ルーラの行先追加とベホマラーが常時使用可能に、キアリクが戦闘中使用のみに変更
  • ルーラ・リレミト・ラナルータがSFC版でかき消された場所で使用可能になる
  • ミナデインの参加人数(全員MP保持者)が3人→4人に変更
  • 小さなメダルをメダル王に送らず袋に入れる
  • ビスタ港とポートセルミが馬車も入れるようになり、建物に入らなければ仲間モンスターのパーティーで歩ける
  • 溶岩原人の構成が、1匹×3から1グループに変更
  • 花嫁により結婚式の場所が変更される
  • 花嫁のシルクのヴェール装着前と装着後のグラフィック追加
  • 花嫁のエスコートがプレイヤー操作からオート操作に変更
  • 上記とは逆に誓いの口づけがオート操作からプレイヤー操作に変更
  • フローラと結婚後、ルドマン邸や別荘に宿泊できる
  • 試練の洞窟の謎解き変更
  • 主人公と双子に『V』既存のキャラクター名や同じ名前をつけることが不可能になる
  • 主人公の石像の値段が10倍に増加
  • 女の子の習得呪文にヒャド追加
  • SFC版で同色だったゲマとネクロマンサー、ジャミとラムポーンのカラーリング変更
  • ストロスの杖の入手変更。女の子が持っていたのはイベント時に消滅
  • 青年時代後半のみグランバニアの宿屋が無料で宿泊可能になる
  • 一部地域の出現モンスター変更
  • 名前に小さい「ぁ」~「ぉ」(カタカナ可)・「ヴ」・記号などが使用可能になる
  • エンドロールの最後を、SFC版ドラクエVI以来主流となっていた羽ペンで「THE END」と筆記体で書かれていくタイプの物に変更

ニンテンドーDS版[]

ニンテンドーDSでの「天空シリーズ」三部作のリメイク第二弾として、SFC版の発売から約16年、PS2版の発売から約4年半後の2008年7月に発売された。

PS2版をベースにした移植であるが、画面仕様やキャラクター操作、コマンド仕様はDS版『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』をベースにしており、キャラクターやモンスターは2Dで表現されている。

BGMは内蔵音源だが、タイトル画面の「序曲のマーチ」のみ東京都交響楽団演奏のオーケストラ音源になっている(グランバニア即位式などでは「序曲のマーチ」も内蔵音源)。

DS版のソフトには、不正コピー防止のためのコピーガードが施された。不正コピー品でプレイすると、物語の最初に主人公が乗っている船が港に着かず、その先にシナリオを進められないようになっている。

新キャラクター[]

フローラの姉としてデボラが登場。主人公の3人目の花嫁候補となる。それに伴い、彼女専用の武器・防具が追加された。オープニング直後のビスタ港において幼少期のフローラとともに登場する。

新たなおまけ要素[]

名産品
オリジナルの名産品を作ることが可能になり、それを作る部屋および展示する部屋が地下1階に追加された。オリジナルの名産品はすれちがい交換が可能となっている。東京ゲームショウのイベントでしか入手できない限定アイテムも存在する。管理者の老人の名前はゆうじいからデスじいに変更された。
スライムタッチ
もぐら叩きに似たミニゲームスライムタッチが追加された。サラボナの町のルドマンの豪邸3階にあるデボラの部屋でプレイすることができる。この時のみタッチペンが使用可能。このゲームのための新曲「ずっこけモンスター」が追加された。

その他の変更点[]

インターフェース
仲間にインパスを習得している者がいれば、道具コマンドにインパスが追加され、MP消費なく道具鑑定できる。呪文コマンドのインパスは宝箱などに対してしか使用できず、この場合はMPを消費する。
モンスター
ドラゴンクエストVIII』に登場したプリズニャンとアークデーモンが追加され、仲間にもできる。ベビーパンサーとの通常エンカウントはなく、モンスター格闘場での出現のみである。
マップ
天空への塔が前作『ドラゴンクエストIV』のリメイク版の構造に準じたものになり、迷いの森および暗黒の世界がSFC版と同様の構造に戻った。
BGM
SFC版仕様とPS2版仕様が入り組んでいる。
馬車の並び順
馬車の並びが変更になり、方角で例えると1番目を南(下・画面に顔が向いている)として1→2→3→4番目では、
SFC版・PS2版は南→西(左)→東(右)→北(上・PS2版のみ)となり、
DS版は南→北→東→西となる。
細かい変更点
  • 最初の主人公名前入力画面において、「ああああ」や「いいいい」といったすべて同じ文字の名前は無効になった「DS版Ⅵも同様」
  • 一部のキャラクターが喋る際のオクターブ変更
  • ツボやタルを調べるとすぐに破壊する
  • 戦闘時の上画面や「つよさ」画面の顔グラフィック追加
  • 最初の戦闘でのパパス加入タイミング変更
  • 人物キャラクターの会話内容が一部変更
  • 「中断の書」からの再開を選択すると『IV』のように即時にスタートとはならず、主人公の名前とプレイ時間が表示されるようになり、冒険の書へのセーブ時との比較がしやすくなった
  • パパスがジャミとゴンズに攻撃されるシーンがSFC版と同じ戦闘画面に戻る(SFC版でなかったHP・MP表示がある)また、パパスが倒される際のメッセージが気絶扱い
  • 幼年時代終了時にセーブした場合、冒険の書の名称変更
  • 奴隷時代に道具を使ったりすると「ドレイには勝手な行動はゆるされない」と表示され無効に
  • プロポーズする時、彼女たちに返事をもらうのが2回になる
  • フローラかデボラと結婚後、ルドマン邸や別荘に宿泊できる
  • 小さなメダルが「つよさ」コマンドで取得数確認に変更(DS版『IV』と同じ)
  • スライムレースのスクロール方向変更
  • 仲間モンスターを預けられる最大が80匹、仲間にできる最大が76匹
  • モンスターボックスがモンスター図鑑に変更
  • すごろくに好きな目を選べるマス追加
  • PS2版では入手できなかった時の砂が入手可能
  • エンドクレジットのタイミングがPS2版では音楽の最後に表記され始め、すべて表示されたタイミングでBGMがとまっていたが、DS版ではBGMがとまってから表記されるようになった
  • エンディングのスタッフロールがスクロール式に統一された

物語[]

世界設定[]

前作『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』の数百年後の世界が舞台となる。作中でも前作の主人公である「伝説の勇者」の物語が語られており、本作の物語とも密接に関係している。 DS版『ドラゴンクエストVI 幻の大地』の裏ダンジョンにおいて、ⅣがⅥの近い未来、Ⅴが遠い未来であることが語られており、売り出した順番ではⅥが天空シリーズの最終章となるが、物語上は、Ⅴが最終章である(Ⅵに後の天空城が登場している)。

主人公たちの世界(以降人間界と呼ぶ)は、天空への塔やセントベレス山のある大陸が世界地図の中央にあり、その大陸を囲むように各大陸が位置している。しかし、前作と同じ建造物は天空への塔と天空城のみで、冒険の舞台となる世界の地図は前作とまったく異なるものに変化している。天空への塔は世界地図における座標だけで見れば前作とほぼ同じ位置にあるが、前作の世界がどのようにして、どのくらいの年月をかけて本作のようになったのかは作品内ではまったく明らかになっていない。

フィールドマップは人間界のほか、幼年時代で登場する妖精の世界とゲーム終盤で登場する暗黒の世界があるが(ルーラで相互行き来可能)、これらの2世界は人間界と比べマップは小さい。

主な国家・地域[]

  • 王国
    • ラインハット - ヘンリー王子とデール王子が住む国。王位継承問題に揺れておりパパスと主人公はそれに巻き込まれる。城の北東には古代の遺跡があり、そこで重大な事件が発生する。そのことによって主人公とヘンリーは奴隷になる。
    • テルパドール - 砂漠の国。伝説の勇者の兜が保管されている。国を治める女王アイシスは人の心や未来を読む力を持ち、伝説の勇者が現れるのを待ち続けている。彼女の祖先はかつて伝説の勇者と共に戦った者(名前は明かされていない)であり、その縁で代々、兜を守っていたとされている。
    • グランバニア - 主人公とパパスの出身地である国。安全のために城下町をまるごと城の中に収めているが、サンチョの家だけは城外にある。内海側(ネッドの宿屋がある方向)から城を訪れるには山を越えなければならないが、その道中にはチゾットの村がある(リメイク版では雪に覆われている)。北東には試練の洞くつ、海をへだてて北西には北の教会、北方には敵地であるデモンズタワーが存在する。
  • 王国以外の町・村・地域
    • サンタローズ - 主人公とパパスが暮らしている家がある村。奥に洞窟がある。後にラインハットの侵攻によって廃墟と化す。南にはビスタ港という小さな港がある。
    • アルカパ - サンタローズの西方にある町で大きな宿屋が特徴で幼年時代編ではビアンカの育ての父ダンカンが営む。ベビーパンサーとはこの村で出会う。
    • オラクルベリー - 中心にカジノがある大きな町。南には海辺の修道院神の塔がある。店の数も多く、夜だけ営業するオラクル屋と無料で占いを行って貰える占いババの店も存在する。
    • ポートセルミ - 北西の大陸にある港町。大きな灯台と酒場があり、リメイク版では酒場に福引所がある。ここから西方には呪文研究家のベネットが住むルラフェンの町が、南方には魔物に農作物を荒らされて悩まされている閉鎖的な農村カボチがある。
    • サラボナ - 大富豪ルドマンの住む大きな屋敷とその別荘や、大きく特徴的な教会がある町。町の隣には警備のために建てられた見晴らしの塔を併設。南には死の火山、北の山中には温泉が湧き出ており水門の管理も行っている山奥の村、東の森林地帯には妖精のいる迷いの森がある。
    • エルヘブン - 主人公の母マーサの故郷。大陸の窪地の底にあり陸路では行けない。4人の長老(リメイク版では「実は若くて美しい女性」となっている)が治めている。町全体が立体構造の建物(リメイク版ではひとつの岩山)になっている。太古の住民は人間界と天界・魔界の間にある門を操る能力を持っていたが、現在はその力のほとんどが失われている。南の湖のほとりにはトロッコレールが多数敷かれたトロッコ洞窟(リメイク版では地下遺跡の洞窟)があるが入口は溶岩で塞がれている。また、ここに行くための船で通る海の神殿には内部に3つの女神像がある謎の門が存在する。
    • 中央の大陸 - 天高くそびえるセントベレス山のある大陸。大陸上にはかつて前作の時代は天空城に通じていた天空への塔があるが、本作では荒れ果てており塔の途中までしか残っていない。ほかに大陸中央の霧の湖には妖精の女王の住む妖精の城が隠されている。セントベレス山頂上には、主人公とヘンリーが10年間奴隷として強制労働させられた光の教団の本拠地である大神殿がある。ここにはマスタードラゴンに乗ってでしか侵入できない。
  • そのほかの建造物
    • レヌール城 - アルカパの北にある城。エリック王とソフィア王妃の城であったが、子供がいなかったため王家の血筋は途絶え、その後に、城はゴーストたちに占領された。リメイク版では高貴な身分に生まれるとされた新たな天空の勇者を探しにきた魔王の手下が、子供がいないことに怒って滅ぼしたことになっている。
    • メダル王の城 - テルパドールから東の島にある小さなメダルを集めている王が住む城。
    • 天空城 - 天空の神マスタードラゴンの住む城。かつては空に浮いていたが、前作で開けられた床の穴が動力源喪失の原因となり、エルヘブンの南の湖底に沈んだ。再浮上後は、自在に操って乗り物として使用できる。
    • ボブルの塔 - 岩山に囲まれた島にそびえ立つ塔。中には巨大な竜の像があり、その内部にはドラゴンにまつわる品がある。
    • カジノ船名産博物館(リメイク版のみ) - 前者は中央の大陸から見て北にある島に停泊する船、後者は同じく南西にある島に存在する博物館。
  • 異世界
    • 妖精の世界 - 妖精やドワーフの住む、人間界とは別の世界で、人間界よりも小さい。幼年時代編と青年時代編で都合2回訪れるが、幼年時代編では雪が積もっており、青年時代編では春になっている。妖精の村はポワンが治めており、人間と妖精、魔物がともに暮らしている。オリジナル版では青年時代に行けるのは妖精の村のみだったが、リメイク版では幼年編と同じマップでドワーフの洞窟すごろくの穴(幼年時代の氷の館があった場所)にも移動できる。
    • 暗黒の世界 - 邪悪な世界で、大魔王ミルドラースの住まう魔の山エビルマウンテンがそびえている。魔界とも呼ばれる。昼と夜の区別がなく一日中暗い。南部には、マーサが地上から引いた聖水によって町全体が守られた、暗黒世界唯一の町ジャハンナがある。またエビルマウンテンの南にはエスタークの眠る洞窟(隠しダンジョン)が隠されている。

ストーリー概要[]

幼年時代
主人公は父・パパスと共に、2年ぶりにサンタローズの村を訪れる。そこで幼馴染のビアンカと再会し、彼女と共にレヌール城でお化け退治をしてベビーパンサーを助ける。彼女と別れた後はエルフのベラと妖精の世界で起こった事件を解決。その後ラインハットへ赴き、ヘンリー王子誘拐事件が発生し彼を助けに向かうが、光の教団の手によってパパスが殺害され主人公はヘンリーと共に教団の奴隷にされる。
青年時代前半
幼年時代から10年余(リメイク版は10年)が過ぎ、主人公とヘンリーはマリアと彼女の兄・ヨシュアの計らいで、奴隷として働かされていた大神殿から脱走に成功し海辺の修道院に流れ着く。主人公は父の遺言通りに母・マーサと伝説の勇者を捜す旅に出る。ヘンリーの加入と離脱、そして彼とマリアの結婚と色々あり、旅を続ける中で大富豪の娘フローラとの出会い、ビアンカとの再会があり、この2人のうちどちらかを選び主人公は結婚する。その後、出生の秘密が明らかになり故郷グランバニアに戻る。そこで妻の妊娠が明らかになり息子と娘が誕生、主人公も王に即位する。しかしその夜、妻がさらわれ彼女を救うべく実行犯と戦い勝利するが、主人公と妻は光の教団の手によって石化され引き離される。
青年時代後半
石像にされた主人公は競売にかけられ、とある富豪に買われる。それから約8年後、主人公は成長した息子と娘の手により石化を解かれ故郷グランバニアへ帰還する。その後、子供達と共に妻と母を捜す旅に出る。まず母の手がかりを得るため彼女の故郷を尋ねる。一行は旅の途中で伝説の勇者と出会う。そして浮上能力を喪失し湖底に沈んだ天空城を復活の為、世界を回り妖精界にも足を運ぶ。その甲斐あって城の浮上に成功し、その主マスタードラゴンとも謁見する。そして光の教団の本拠地である大神殿に向かい教団の教祖を倒し妻を救出し、その後魔界で母・マーサと対面。彼女の志を受け継ぎ大魔王・ミルドラースと対決する。

登場キャラクター[]

この節では、ゲーム作品本編内で語られる設定を中心に記述する。人物名右の( )内の英語表記は日本国外のDS版での名前。なお、一部の人物は言語によって名前が変わり、そういった人物については(英語/フランス語/ドイツ語/スペイン語/イタリア語)の順に記す。〔〕内はステータスウィンドウに表示されている仲間直後の肩書き(花嫁候補を除く)であり、変更がある場合は本文中に記載。ゲーム中はかな表記になる。本文中の呪文の詳細についてはドラゴンクエストシリーズの呪文体系を、ステータスについてはドラゴンクエストシリーズ#ステータスを参照。

物語の性質から、主人公をはじめ登場人物が年齢を重ねるのも特徴である。

リメイク版は男の子・女の子にあらかじめデフォルト名が設定してあるが、誕生時にプレイヤーが自由に変更できる(主人公はスクリーンショット名)。

DQ5-Family

相関図

主人公とその血族[]

主人公〔パパスの息子〕
グランバニア王パパスと元エルヘブン民である王妃マーサの間に生まれた一人息子。歴代で初の魔物を仲間にできる主人公である。主人公としては『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』以来の2人目の王子である。登場時6歳とシリーズ史上最年少。長い黒髪を後ろで結い紫のターバンを巻いている。青年になると杖を持ち、中東の羊飼いのような服装をしている。本来なら正当な王位継承者だが、彼自身にそのことを伝えられないまま父と幼い頃から世界中を旅している。幼年時代はあどけなさが残る少年で、よく「優しい、不思議な瞳の持ち主」と言われる。幼少時は字が読めないが、奴隷時に教育を受けていたらしく青年時代では読めるようになる。
ある事件で父と死別し、自身は奴隷生活を10年間強いられる。そこから脱走し、青年時代は所々で出会う女性から「素敵な人」と呼ばれる程の美青年になる。また母の不思議な力を受け継いでいるため、魔物の邪心を振り払い改心させる能力があり多くの魔物を仲間にすることができる。亡き父の遺言から旅の目的を知り、父が残した天空の剣を装備しようとしたが体が鉛のように動かなくなり、父と同じく装備できなかった。幾多の人物との出会いや別れを繰り返し、やがて結婚、そして子供が生まれ一緒に旅をすることに。家族を持った彼は父が果たせなかった探し物を求め、更に邪悪な魔の手を食い止めるため旅をする。
シリーズ史上初めてバギ系の攻撃呪文を習得する。勇者専用攻撃呪文のデイン系を覚えない「勇者ではない主人公」という特徴が前面に押し出されている。ホイミ・ザオラルなどの回復・蘇生呪文やスカラ・マホキテなどの補助呪文、インパス・ルーラなどのフィールド呪文や謎の呪文パルプンテも習得でき攻撃力も高い万能タイプ。彼のルーラとパルプンテの呪文はレベルでは覚えず、ルラフェンに住むベネットから授かる。装備できる武具は多く剣や杖、ブーメランなど扱え、重量がある鎧も装備可能。天空武具より強力な主人公専用武具も存在する。
肩書きはストーリーの進行に応じて〔パパスの息子〕→〔神殿のドレイ〕→〔逃げたドレイ〕→〔さすらいの旅人〕→〔モンスター使い〕→〔グランバニア王〕→〔勇者の父親〕と変わる。
基本的にドラクエの主人公は話さないが、本作では主人公が話す場面がある。幼年時代と青年時代後半に1回ずつ話す。
ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー in いただきストリートSpecial』(以下『いただきストリートSpecial』)や『ドラゴンクエスト モンスターバトルロードII』(以下『モンスターバトルロードII』)にも登場しており、後者では「伝説の魔物使い」の呼称で登場。また『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』(以下『IX』)では服装が装備品として登場する。
パパス (Pankraz Gotha/Petros/Ludwig/Pankraz/Russell)〔父親〕
主人公の父親。長い黒髪を後ろで結い、口ひげをたくわえ、その気品と風格から旅先で彼を伝説の勇者と勘違いする者もいたという。グランバニア王だったが魔界に連れ去られた妻・マーサを救うため、その身分を隠し息子とサンチョを連れて天空の勇者を探す旅を続けている。その結果、天空の剣を見つけたが自分に装備出来ずに嘆いていた。アルカパのダンカンとは付き合いがあるが、ビアンカのことは覚えていなかった(彼女は主人公と前に会っている)。ラインハット王にその勇猛さからヘンリーのお守り役を依頼されるが、ヘンリーが誘拐され、それを追った先の古代の遺跡にてジャミ、ゴンズと戦闘。2体相手に圧倒し、一度は倒すもゲマに主人公達を人質に取られて抵抗できず、ジャミとゴンズに倒される。そしてマーサが生きていることを主人公に告げた直後、ゲマに殺される。
パパスの剣と皮の腰巻を装備した体躯の良い戦士だが回復呪文も使える。厳しさと優しさを併せ持つが、ダンカンの風邪をうつされたり、ラインハットに赴く際に帰りそうになったりと、多少間抜けな面も見受けられる。サンタローズの村の住人達は彼の正体を知らなかったが、旅から帰って来ると話題になるなど皆に慕われており、リメイク版ではサンタローズ村が作られた際は誰よりも働いたとされている。ちなみに村に来たのは主人公の幼年時代から数えて5年前(つまり主人公が1歳の頃)で、戦士には彼のことを「村の長」と呼んでいた。また、グランバニア王都の城塞都市への改造を主導したことも語られており、こちらも住民に評判が良い。
戦闘ではプレイヤーは操作することができないNPCである。能力値は全体的に優れ特にHPが高い。1ターンで2度行動することがあり、頻繁に会心の一撃を発生させる。戦闘終了後は主人公のHPが低下していると呪文で回復する。このときのホイミは通常のものとは異なり、主人公のHPが完全回復し毒などの状態異常も治療される。
青年時代後半のあるイベントで主人公が幼年時代設定のサンタローズ村で彼に会うことができる。また、リメイク版クリア後に条件を満たすとエルヘブンで王子時代の彼と会うこともできる。
『モンスターバトルロードII』では「流浪の王 パパス」の呼称で登場。
マーサ (Mada)
主人公の母親でパパスの妻(グランバニア王妃)。長髪で髪色はSFC版は緑、リメイク版は黒である。エルヘブン出身で彼女がパパスと駆け落ちして村を出たことにより、パパスは住民達に恨まれていた。邪悪な魔物を改心させる他、人間へと生まれ変わらせる力を持ち、その力はモンスターを仲間にする能力として主人公に継承されている。エルヘブンの民が持つ魔界への門を操る能力を最も強く受け継いでいたが、その能力ゆえ大魔王ミルドラースによって魔界に連れ去られた。
幼年時代の主人公はマーサが死んだと聞かされていたが、死の直前のパパスから彼女が生きていることを聞かされ、青年時代は彼女を見つけるべく旅をすることになる。大神殿では後述するイブールを倒した後に妻の呪いと石化を解く。そしてテレパシーらしき能力で主人公に語りかけ「魔界に来てはなりません」と告げるが、それを破り魔界に来た彼を咎めることなく受け入れ、道具を転送する場面が存在する。エビルマウンテンで息子と再会を果たしミルドラースを封じるべく全力を尽くすが、力及ばずに息絶える。リメイク版では若干シナリオが変わり、封印の最中にゲマによる攻撃を受け重傷を負い、ゲマを倒した後に再び封印に臨むがミルドラースの攻撃で息絶える。その後、幻影のパパスに諭され天に召される。リメイク版は青年時代前半の神の塔でも彼女とパパスの幻影に会うことができる。また、リメイク版クリア後に条件を満たすとパパスと同じくエルヘブンで結婚前の彼女と会うこともできる。
男の子〔(主人公の名前)の息子〕
主人公と妻の間に生まれる双子の息子でグランバニア王子。父親と同じく長髪を後ろで結い、多数のくせっ毛が特徴の少年。母親により髪色は異なる。主人公が行方不明となった数年後、サンチョや女の子と共に主人公たちを捜す旅に出る。その旅で石化していた主人公を救い出した後パーティーに加わる。年齢は8~10歳(主人公が妻を救うまで2年経っている)。
リメイク版では男の子が兄、後述の女の子が妹という公式設定になっている。
性格は明るく元気で好奇心旺盛で、おねしょ癖が抜けきっていなかったり寝相が悪かったりと年相応にやんちゃな様子を見せながらも「世界を救う使命…ボクがんばるよ!」と正義感も併せ持つ。父に憧れ「ボクもお父さんみたいに、いろんな人から感謝されたい」と話す。
妹を気にかける場面もあり、会話では彼女に関することを報告したり怯える彼女を励ましたりする。食べ物の好き嫌いはないらしいが、DS版では野菜が嫌いらしい。兄という立場から泣くことはあまりないが、母や祖母マーサと会う所では泣いてしまう場面もある。
主人公が受継ぐエルヘブン民族の血筋(リメイク版では高貴な身分に生まれる設定も追加)と妻が受継ぐ天空の勇者の血筋の混血により、伝説の勇者として目覚める(作中では「勇者の血筋からの伝説の勇者の復活」という表現がされる)。登場時8歳とシリーズ史上一番若い勇者である。祖父パパスや父が装備できなかった天空の剣を装備でき(リメイク版によると赤ん坊のときに既に軽々と振り回したらしい)、さらに天空の兜を装備すると兜が彼の頭の大きさに合わせて縮む現象が見られる。
武具は主人公とほぼ同じ物を装備できるが、父が装備できないモーニングスターや吹雪の剣も装備できる。子供ながらちからもあり重い防具も難なく装備できる。天空の武具を装備することができる唯一の人物。武器による攻撃のほかベホイミ・ザオリクなどの回復・蘇生呪文やスクルト・マホトーンなどの補助呪文、シャナク・トラマナなどのフィールド呪文をバランス良く覚えるほか、ベギラマやデイン系攻撃呪文も扱えるなど主人公同様、臨機応変に対応できる。またやけつく息が効きにくい耐性を持つ。主人公家族の中でMPが若干低く設定されているが使える呪文が一番幅広く、特にスクルト・フバーハ・ベホマラーはボス戦に重宝する。
天空の兜を入手した場合、肩書きが〔(主人公の名前)の息子〕から〔伝説の勇者〕へと変化する。肩書きが変わらなくても勇者と呼ばれシナリオも変わらない。
『モンスターバトルロードII』では女の子と共にプレイヤーの分身として使用可能。
女の子〔(主人公の名前)の娘〕
主人公と妻の間に生まれる双子の娘でグランバニア王女。SFC版はワンレンでリボンなし、リメイク版はおかっぱにリボンという髪型の少女(差異の詳細はこちら)。母親により髪色は異なる。家族の中で唯一短髪である。主人公が行方不明になった数年後、サンチョや男の子と共に主人公たちを捜す旅に出る。その旅で石化していた主人公をストロスの杖で救い出した後パーティーに加わる。年齢は男の子と同じ8~10歳(詳細は男の子の項を参照)。
男の子を普段は「お兄ちゃん」と呼ぶが、文句を言う時などは名前で呼ぶ。またお兄ちゃん子(ブラコン)の様相を強くうかがわせ、結婚するとまで発言している。
性格は甘えん坊なところもあるが、ちょっとだけ大人びたところもあるおませな少女。兄とは対照的に冒険はやや苦手で泣くことも多少あるが、父や兄の力になりたい一心で冒険を続ける健気なところもある。お酒の匂いや酔っている人が嫌いで、詩人に惚れる傾向があり「お父さんの声もステキだけど、詩人さんには負けるかな」と言い、詩人であれば酔っていてもあまり嫌悪していない。
兄と同じ天空の勇者の子孫だが、天空の武具を装備したり勇者と呼ばれることはなく、兄の「勇者」としての大きな責務を自分がともに背負うことができればという実直な優しさを持つ。その一方で専用武具を持っていたりチヤホヤされる兄をうらやむ一幕も。いとこおばであるドリスとかなり仲が良く、逆にいたずら好きでワガママなラインハットのコリンズ王子とは馬が合わない様子。
リメイク版では動物や魔物、幽霊などの気持ちがわかるなど祖母マーサや父の能力を強く受け継いでいるが、魔物の邪心を払えるまでには至っていないらしい。主人公が石化されている事も「小鳥さんに聞いた」と言い、その対策としてストロスの杖を用意したという。また敵である魔物も「魔物さん」と呼び、「魔物さん大好き。だから戦うのはちょっとつらいの…」と言うが、その一方で魔物が脅威である世界の状況を強く認識しており、戦いをためらう事はない。邪悪な存在や場所の発する悪意の波動を感じて怯え、自身の能力が仇となる場合も多い。
武器はムチ類を得意とするが杖や剣も装備できる。ちからが低く打撃攻撃は父や兄には負けるが母には勝る(デボラを除く)。防具はドレスやローブなど軽い物を好み、重い物は装備できない。ある王冠を入手後「重いの頭に乗せてると、大きくなれないからいらない」と言う。母親たちが装備不可な水鏡(みかがみ)の盾も装備できる。また、ビアンカ以外の人物で唯一ビアンカのリボンも装備できる。母親がビアンカの場合はもちろん、フローラやデボラでも装備できる。
ちからの伸びは悪いがそれ以外の能力値はかなり高く、父や兄にひけを取らないイオ系・ヒャド系の強力な全体攻撃呪文とドラゴラムを覚えるほか、バイキルト・マホカンタなどの補助呪文やフィールド呪文ルーラ・リレミト・ラナルータを覚える。補助呪文は母親たちとかぶっているものもある。
『モンスターバトルロードII』では男の子と共にプレイヤーの分身として使用可能。
オジロン (Albert)
パパスの弟で主人公の叔父。パパスが行方不明となった後、グランバニアの王の座に就く。のちに主人公にその座を譲り渡すが、主人公が行方不明になった時に王代行(大臣)として再びグランバニアを護る。人柄の良さで周囲には慕われているが、決断力と胆力に乏しい面があり、国王として不向きなことを自覚している。ドリスという一人娘がいるが、妻(ドリスの母親)の存在には物語中では全く触れられない。主人公が石化から戻ったとき正式に大臣に就任するが、主人公は旅に出ているので実質的に国を護っている。
ドリス
オジロンの娘で主人公のいとこ。父が王に在任中は王女として暮らしていたが、王族の堅苦しい暮らしは性に合わなかったらしい。デボラは彼女に対して「気が合いそう」と発言している。いとこめいである女の子と仲が良く、王女時代の話を聞かせてくれてたと語っている。

花嫁候補となる人物[]

このゲームのサブタイトルである「天空の花嫁」の女性たち。主人公はサラボナで彼女たちのいずれか1人にプロポーズして結婚することになる。SFC版、PS2版ではビアンカとフローラの2人、DS版ではデボラを加えた3人である。彼女たちは幼年時代に主人公と出会うが、結婚前にパーティーに加わるのはビアンカのみである。 

主人公と結婚した相手のみがパーティーに加わる。3人とも後に天空の勇者の子孫であるということが明らかになるが、デモンズタワーでのイベントを除くと勇者の力を発揮することはない。男の子と女の子を出産後にデモンズタワーにて主人公とともに石化され、妻の石化は主人公の石化が解けた2年後に解けることになる。肩書きはビアンカのみ幼年期と結婚直前まで〔宿屋の娘〕、結婚後は全員が〔(主人公の名前)の妻〕となる。ただし、SFC版の公式ガイドブックにはフローラの肩書きが「ルドマンの娘」になっているが、前述のように結婚前に仲間になるのはビアンカのみなのでこの肩書きはゲーム中には登場しない。どのキャラを選んでもメインストーリーに変化はないが、発生するサブイベントが異なる。ゲーム中の肩書きはかな表記になる。

グラフィックについて、ビアンカは3ハードともほぼ変わらず。フローラはリメイク版の外装がガイドブックに準じたグラフィックになっている。SFC版・DS版の主人公と男の子・女の子は武器を持っているが2人は3ハードとも持っていない。DS版のみに登場するデボラも武器を持っていない。結婚式はSFC版は差異はないが、リメイク版はビアンカはサラボナの教会で、フローラとデボラはルドマンのカジノ船で式を挙げるという違いがある。公式ガイドブックには青年時代は全員のイラストがあるが、幼年時代はビアンカしか載ってない。

妻になった女性によって男の子・女の子や主人公にゆかりのある人物、結婚しなかった相手が話すセリフに違いが生じる。

3人とも『IX』に配信ゲストキャラクターとして登場している。

ビアンカ (Bianca Whitaker)
主人公の幼馴染で2つ年上の金髪に青い瞳が特徴の少女。髪型は幼年時代は両方に三つ編み、青年時代は右肩に三つ編みとなる。アルカパの宿屋を営むダンカン夫婦の娘とされているが、実子ではなく彼女にも告げられていない。なので自身が勇者の子孫だと知ると「うちの両親は天空人って感じはしないし…」と不思議がるセリフを言う。作中では8歳の頃にまだ6歳だった主人公と出会うが、設定ではその前からの付き合いがある。主人公が彼女を覚えているかはプレイヤーの選択次第となる。パパスの事は「パパスおじさま」と呼んでいる。おてんばで彼に対しお姉さんぶろうとして頑張っているが、基本的には気さくな性格であり、それは大人になってからも変わらない。幼年時代にいじめられていたベビーパンサーを助けるため、主人公とお化け退治をする。無事助けて主人公たちとまたの再会を約束し別れる。この冒険を青年時代に「本当は暗い場所もお化けも苦手で、怖くて泣きそうだった」と語っている。また主人公に「私より小さいのに守ってくれてとても嬉しかった」とも語り、冒険は怖かったがとても心に残っている様子がうかがえる。
主人公と別れて3年後(買った夫婦が7年前に購入と語る)父の療養のため宿屋を売り家族で山奥の村へ移り住む。そして育ての母を病気で早く亡くした。母親を亡くした寂しさは顔に出さなかった。父が病弱のため、料理が得意で主人公と再会後も料理を振る舞う(ただしオラクルベリーで料理が苦手とも)。父の代わりに村周辺を歩き回り、そのことをサラボナの戦士が「勇気ある女性」と褒め称えた。そしてすっかり美しい女性へと成長し、主人公と再会する。彼から母や勇者のこと、そして結婚を考えていることを知り、主人公の力になりたいと指輪探しに同行。しっかり者のお姉さんのようでいて、時折少女時代の無邪気な面影を覗かせたりする。はじめは母の逝去や滅んだサンタローズに赴いたことを話していたが、指輪を見つけると彼に想いを伝えたかったができなかった。冒険後は言葉が詰まり、複雑な思いを抱きながらルドマン邸まで指輪を渡しに同行したが、その結果フローラと共に花嫁候補者に。突然の話で戸惑いを隠せず、プロポーズ前夜の会話では複雑な思いを見せ、彼の幸せを願い身を引こうとする。しかし花嫁に選ばれ教会へエスコートされる時、彼に「ずっと大好きだった」と告白する。結婚後は対等な夫婦となるが、姉さん女房なので幼い頃を彷彿させるお姉さんぶるしぐさをする場面もある。年上とあって主人公を幼年・青年時代問わず、子供たちの前でも名前で呼ぶ。また石化されその呪いが解かれるまで2年かかるので主人公と同年齢になるが、セリフを聞くと姉さん女房らしさは変わっていない。また、母親の立場から子供たちに関するセリフも多くなる。
他の人物の会話に入ってくる場面(その人物が話した後に彼女が話す)が多いのも特徴である。具体例として息子には叱ったり娘にはなだめたりする。また「うふふ」と優しく微笑むしぐさも多い。堅実に生きてきた分お金に心配性な所があり、とあるのれんを買うとあきれるセリフを言う。
花嫁に選ばれなくても結婚式の準備を手伝ってくれる。その後は山奥の村で独身のままダンカンと暮らす。それでもまだ彼に好意はあるようである。年を重ねてもその美しさは変わらずに、フローラやデボラの息子に一目惚れをされてしまったりする。
覚える呪文はメラ系・ギラ系とザラキの攻撃呪文とルカナン・マヌーサなどの補助呪文やフィールド呪文トラマナを覚える。補助呪文は女の子とかぶっているものもある。女の子と比べると全体攻撃呪文は無いがメラゾーマは単体の敵に重宝する。メラとギラの2つの呪文は花嫁候補3人の中では彼女しか覚えない。後述するフローラとデボラもほぼ同じ呪文を覚える。武具は女の子とほぼ同じものを装備できるが、彼女はいかずちの杖とシルクのヴェール、エッチな下着も装備できる。盾はうろこの盾までしか装備できない。花嫁候補3人の中で唯一メタルキングヘルムとビアンカのリボンを装備可能。フローラとの能力値の比較ではちからで勝り、身の守りで劣るほかはほぼ同等である。
なお、パッケージや公式ガイドブック等に描かれている男の子と女の子は彼女と同じ金髪である。
『いただきストリートSpecial』や『モンスターバトルロードII』にも登場しており、後者では「天空の花嫁 ビアンカ」の呼称で登場。
フローラ (Nera Briscoletti)
ルドマンの娘とされている、長い青髪に紫のリボンと碧瞳が特徴の少女。リリアンという犬を飼っている。ルドマンの実子ではなく彼女もその事実を知らされている。父の言いつけで修道院で10年余り生活を送り、おしとやかな女性へと成長する。その後父の意向で結婚相手を探すためにサラボナへ戻る。そこでリリアンになつかれた主人公と出会う。当初、彼女は結婚に乗り気でなく父の行動に呆れていたが、花婿候補に立候補した主人公を見て少し譲歩した様子がうかがえる。同じ町に住む青年アンディとは幼馴染で、父の発言で炎のリングを探しに死の火山に向かい、そこで大ヤケドを負って帰ってきた彼に彼女はつきっきりで看病する。主人公と同じように彼にも好意があることがうかがえる。花嫁に選ばれなくても結婚式の準備を手伝ってくれる。主人公と結婚しなかった場合はアンディと結婚し「アンディと結婚できて幸せです」と感謝する。年齢を重ねても綺麗さは変わってない。主人公と結婚後は基本的に「さん」づけで呼ぶが、SFC版では一度だけ「さん」づけしないで呼ぶ場面がある。
リメイク版では幼い頃に主人公やパパスと出会う場面がある。その事を彼女はうっすら覚えており、花婿の条件が出された後や結婚後のポートセルミで乗船する時に話している。また会話システムでは天然ボケな性格であるが、たまに気の強そうな台詞が飛び出す。お嬢様育ちなので金銭感覚にうとい。とあるのれんを買うと喜ぶ。結婚後はルドマン邸に無料で宿泊できる(前半では別荘も可)。
覚える呪文はメラ系・ギラ系の初級呪文を除いてビアンカやデボラと変わらないが、それに加え他の2人が覚えないベホイミ・イオナズン・ラナルータを覚える点が異なる。女性キャラ4人の中でベホイミを使えるのはフローラのみである。武具はビアンカとほぼ同じものを装備できるが、彼女はチェーンクロスも装備できる。
『いただきストリートSpecial』や『モンスターバトルロードII』にも登場しており、後者では「貴族の娘 フローラ」の呼称で登場。
デボラ (Debora Briscoletti/Pandora/Griselda/Débora/Debora)
ルドマン邸に住む気が強くかなりわがままで高飛車、黒髪に赤いバラの髪飾りと左目下に泣きボクロがある女性。フローラと同じくルドマンの養女で、彼女の実姉である。幼い頃、フローラとともに主人公やパパスと出会う場面がある。昔からアンディを色々とこき使っていたようである。しかし、大ヤケドを負って帰ってきた彼を妹は看病するが、彼女は一切お見舞いにも来ず、彼の両親からは苦言を言われる。よって町の人たちからも彼女のいいウワサが聞かれない。自立心が非常に強く、父の監視をかいくぐり家出するなどおてんばな一面もある。主人公がプロポーズするシーンでは何の脈絡もなく「仕方がないから結婚してあげる」と乱入する。結婚後は彼を「しもべ」扱いし、褒め言葉には「小魚」など独特の言い回しを用いるが、実際は彼女なりの不器用な愛情表現である。また、不幸な境遇にある人物に対しては気遣いを見せ、彼が人助けを拒否すると「人としてどうなのか」と怒るなど、心優しい一面も持っている。フローラ同様、ルドマン邸に宿泊できる(前半では別荘も可)。
序盤は気の荒さや傲慢さが目立つが、物語終盤で結婚相手として名乗りを上げた理由を主人公に一目惚れしたからであったことと、3人の花嫁候補の中では自分が最も劣った存在であるという自覚があったことを明かし、主人公が自分を選んでくれて感謝していたことを告白する。
主人公と結婚しなかった場合は、独身のままルドマン宅の3階の自室で暮らすことになる。年齢を重ねても性格は変わってない。
3人の内でも突出した肉弾戦闘タイプ。ちからと身の守りが女性キャラクターでは最も高くそれ以外の能力も高めに設定されている。防具はビアンカやフローラとほぼ同じものを装備できるが、武器については剣・爪・金槌などを装備できる。また彼女専用武器としてシャイニーネイルとダイヤモンドネイルの2種類、専用防具はシルクワンピースとフラワーパラソルの2種類ある。逆に他の2人が装備できる杖や帽子類は装備できない。覚える呪文はビアンカやフローラに比べると少なく(補助系呪文については他2人と共通のものを習得できる)、他の2人が覚えないメダパニ・ザキを覚えるかわりにメラ系とイオ系の呪文は覚えられない。
『モンスターバトルロードII』では「第三の女 デボラ」の呼称で登場。

花嫁候補たちの育ての親[]

ダンカン
ビアンカの育ての父親。幼年時代編ではアルカパで大きな宿屋を経営していて、旅をしている最中のパパスが主人公を連れ何度か宿を訪れているためにパパスとは親しい間柄にあった。病を患い、宿屋を経営していくのが困難と判断し、店を売り青年期前半編では療養のため一家で温泉がある山奥の村に移り住む。後に妻が他界し、ビアンカは顔には出さないが心底寂しいのではと思い、彼女の身を案じて訪ねてきた主人公に彼女が自分の実子ではないことを打ち明ける。また、彼に「ビアンカと結婚してもらえればいいな」と促す。血のつながらないビアンカを実の娘のように可愛がり、ビアンカは両親に大事に育ててもらって幸せだったと語っている。青年期後半には体調が安定したようで、地元の青年に経営術を熱心に指導している。
ビアンカと結婚しなかった場合は幼少期の思い出を語り、懐かしむ。
ルドマン (Rodrigo Briscoletti)
フローラとデボラの育ての父親。サラボナに住む大富豪。フローラの婿を探すためその候補となる男性に厳しい条件を課す。熱中すると全く周りが見えなくなる性格であり、融通の利かない強引な性格を除けば気のいい紳士である。炎のリングと水のリングを入手した主人公をとても気に入り、フローラがビアンカの想いに気付いた際は彼に考える時間を与えたり、相手にビアンカを選んでも祝福して結婚式をあげさせる。また結婚式に出席したヘンリーから彼の目的が「伝説の勇者を見つけ、母親を救出する事」と聞いて、家宝の天空の盾を無償で譲ったり、自身が所有する船を無償で貸すなど太っ腹な面もある。主人公がフローラかデボラと結婚すると、青年時代前半のグランバニアまでの道中や、青年時代後半で旅の援助として現金や武具を持たせた使者を送る。彼も若い頃は冒険家であったらしく妻と結婚する際にも危険な冒険をした話がうかがえる。花嫁選びの際に彼にもプロポーズできるが「考え直しなさい」と断られる。150年前の先祖ルドルフは怪物ブオーンを封印した。PS版『IV』では移民の中に彼やルドルフの祖先と思われる人物が登場する。
リメイク版ではさらにカジノ船のオーナーでもあり、収益の一部を孤児院に寄付しているという。また、オープニングで主人公とパパスが乗っていた船は彼の船となり(船長がパパスと知り合いのため、彼を迎えに行くまで乗せてくれた)、フローラを届ける際にも登場。さらにはこの船が主人公に借し出される事になる。また結婚式後に大富豪らしからぬ結婚記念品ももらう。DS版ではフローラを修道院に預け、デボラを自宅で育てていた。デボラに関しては相当手を焼いているようで、反面いかなる我侭も許してしまう親バカな一面も覗かせる。
プレイヤーキャラクターの項目で表記した通り一部を除いて城や町へ入る際、自動的に人物キャラクターのパーティーに並び替えが行われるが、ルドマン邸ではそれに加え以下の特徴がある。
  1. 人物キャラクターのみ入れる。仲間モンスターは入口で切り離される。
  2. 並びが主人公→妻→男の子→女の子→サンチョかピピンの順になる。後の2人は並びが早い方優先。3人以下の場合は1.に準ずる。
  3. 人物パーティー4人が2.の並び以外(例:主人公→女の子→男の子→妻)の場合、入ると2.の並びに変わる。
  4. 主人公のみ、主人公+1~2人で行っても馬車に人物がいる時は全員で行くことになる。
  5. いずれの場合も外へ出ると元に戻る。豪邸内で並び替えしても同じ(一部例外あり)。
  6. ここ以外にもエビルマウンテン山頂のマーサイベントも2.の並びになる。その後のゲマ戦で並び替えしても対決後は2.に戻る。
  7. エンディングも然り。その場合、ミルドラース戦に妻・男の子・女の子がいなくても主人公家族4人のパーティーとなる。オリジナル版は並び替え不可だがリメイク版は可能。ただし城や町に移動した際は2.に戻る。
  8. 上記はPS2版を基に作成。SFC版は最大3人なので人数が1人減る。また5.・6.は該当せず。DS版は青年時代前半を除き2.~6.は該当せず。

その他グランバニア王国の人物[]

サンチョ (Sancho)〔召使い〕
パパスに仕えている召使いで、彼が王子だった頃マーサと結婚する前からの家臣。後に主人公にも仕える。やや肥満体で、気の優しい壮年の男性。主人公の教育係的存在でありとても可愛がっている。パパスたちが旅に出ている間サンタローズの家を守っていた。後に青年主人公が石化されて行方不明になっていた間は、彼の子供たちの親代わりでもあった。涙もろい性格でもありしばしば感涙に咽ぶ。パパスを深く敬愛し彼の死に誰よりも深い悲しみを感じている。パパスにヘンリー王子誘拐の犯人である疑いがかけられ、その報復としてサンタローズが壊滅させられたこともあり、ラインハット王国にはあまりいい印象を持っていない。双子と共に主人公探索の旅をしていた時も、この2ヵ所には立ち寄らなかったという。幼年時代ではパパスと主人公の素性を知る唯一の人物だが、パパスの命令で秘密にしていた。のちにその事を謝罪し、彼が王位に就くことを強く望んでいた。王位に就いた主人公のことは「○○○○(主人公の名前)王」と呼ぶが、たまに「坊っちゃん」と昔の呼び方に戻る。成長した主人公の姿を在りし日のパパスと重ね合わせることもしばしばだが、その一方で「坊っちゃんはまだ子供ですし、パパス様とは比べられませんよ」という発言もしていた。独身であるが召使い経験から料理と子育ては得意。ジャハンナでは男の子に「彼も元は魔物だった(マーサに人間にしてもらった)のでは?」という疑惑を持たれている。王の直属の家臣であることから、グランバニアでの地位や立場もそれなりに高いようだが、町人からは「さん」付けで呼ばれ、あまり偉い人扱いされてはいない。オジロンからは「中で一緒に住もう」と言われているようだが、「城の外の守りを固めたい」という理由から、自ら志願して城外(外壁の内側)に家を構えている。詳しい年齢は不明だが、「もうトシだから」と言われたり、白髪が増えたのを嘆いたり、高い塔に登って息切れしたりしている。
青年時代後半編にルイーダの店で主人公のパーティーに加えることができる。ザキ・メダパニ・メガンテ・スクルトなどの補助呪文を扱え、リメイク版ではフローミ・盗賊の鼻などのフィールド呪文・特技も使用できる。ちからとHPは高いが素早さが低い。また武具の中にはモンスター以外では彼しか装備できない品も少なくない。
ピピン (Tuppence)〔グランバニア兵士〕
グランバニア城の男性兵士。青年時代前半ではまだ子供だったが、後半になると大人になり宿屋を経営する母親の反対を押し切って、父親と同じ兵士に志願した。リメイク版での性格は女性好きでお調子者だが、これは旅の苦しみを軽減するための、彼なりのリップサービスでもあるらしい。しかし「平和は待っていても来ない。自分たちの手で平和にしなくては!」と普段の彼からは考えられないセリフも言っていたことが母親の口から語られている。また、男の子と仲が良く遊び相手になっている。SFC版およびPS2版ではグラフィックが一般兵士と同じであるが、DS版では専用グラフィックが用意された。一兵士に過ぎない自分が国王のお供で世界を救う旅に出られる事を光栄に思い、またプレッシャーも感じている。将来は家の宿屋を継ぐつもりらしく旅先の宿屋を見て「勉強になるなあ」と発言したり、山奥の村では宿屋の修行をする青年の苦労に「分かる分かる」と共感していた。また兵士としての視点からラインハット城を「規模の割りに警備兵の人数が少ない。城の防御に頼ってる」と評したことも。
サンチョと同様、青年時代後半編においてルイーダの店で主人公のパーティーに加えることができる。ちからが強く武器は剣や槍を得意とし、防具は主人公とほぼ同じ物が装備できる。呪文は一切使えない。その他の能力値は平均的。戦士系タイプのキャラだが、素早さもかなり上昇するという特徴がある。
リメイク版の青年時代後半編では父親は故人であり、遺品のモンスターチェスを名産品として主人公に譲り渡す。青年時代前半編のグランバニア城では名前の似ているパピンという兵士が登場し、彼はモンスターチェスの名人でもあるが明確にピピンの父親とは語られていない。
グランバニア大臣
オジロンが王位についていた時の大臣。オジロンが決断力や胆力が乏しいことをいいことに自分が王のような振る舞いをする。主人公が帰郷すると彼に王位に就くのを阻止すべく試練の洞窟へ行くよう促し、そこで暗殺を計画したが失敗に終わる。次に即位式の準備を自ら行い祝賀の酒に眠り薬を入れ、夜にジャミ率いる魔物たちを使い王妃を誘拐させる。計画は成功するがデモンズタワーで魔物たちの裏切りに遭い悲壮な最期を遂げる。

ラインハット王国の人物[]

ヘンリー (Henry)〔ラインハット王子〕
ラインハット王国の第一王子。緑色の髪の少年で、イタズラ好きで毎日城の人間にイタズラを仕掛けていた。実母を亡くして義母とうまく行っていなかったためひねくれた性格をしていた。遊び相手を子分にする癖があるらしくその結果、弟デールやパパスと一緒に来ていた主人公は子分にさせられた。デールを国王にするためヘンリーの始末を企てた義母の企みにより、彼は誘拐され古代の遺跡に幽閉される。その後パパスに発見されて主人公と脱走を試みるがゲマ一味に捕まり、主人公とともに奴隷として大神殿へ連れ去られる。それから時が過ぎ、古代の遺跡でのパパスの叱咤と彼の死、そして奴隷としての苦労をきっかけに素直で快活な青年に成長。主人公の親友となり青年時代前半編で彼とともに旅をする。当初は二度とラインハットには戻るまいと考えていたが、主人公の故郷であるサンタローズがラインハットによって滅ぼされた事を知り、それが自分が行方不明になった事への報復と知って責任を感じる。さらに故郷の異変の噂を耳にして、再びラインハットへ戻る。その後、悪の根源であるニセ太后を倒しデールを補佐するため離脱する。その後、想いを寄せていたマリアと結婚。白馬にまたがってラインハットから修道院まで彼女を迎えに行ったと修道院の少女が語っている。
リメイク版では名産品を受け取る際に、主人公やパパスに対しての変わらぬ感謝の思いをしたためたメッセージを読むシーンが追加されている。ただし照れくさかったため、幼少期に行った子分のしるしを応用したイタズラを再び行った。また主人公の結婚式に出席した際、誓いの口づけの時に逃げる素振りを見せる彼に茶々を入れる。
武具は主人公とほぼ同じ物を装備できるが、彼はグリンガムのムチも装備できる。またメラ・イオといった攻撃呪文や、ルカナン・マヌーサ・メダパニといった補助呪文、トヘロスといったフィールド呪文を覚える。またリメイク版では幼年時代編の最後の場面と青年時代編最初の奴隷期間中のイベント戦闘でもパーティーキャラクターの1人として戦闘に参加する。
デール (Wilbur)
ラインハット王国の第二王子。ヘンリーの異母兄弟で彼と違って茶色の髪。ヘンリー曰く「鈍臭い」が気の優しい少年。本人は王位に就きたくないと思っていたが、息子の王位に目がくらんだ母の陰謀により兄に代わり王位につく。ただし実権は母である(ニセ)太后に握られており、実質彼はお飾りに過ぎなかったこともあって無気力になっていた。一連の騒動が終結した後もヘンリーが即位を辞退したためデールは引き続き在位する。その後は跡目争いを避けるため、自身は独身を貫きいずれは甥のコリンズに王位を継がせるつもりのようである。青年時代後半の姿はオリジナル版では汎用の王様グラフィックを流用しているためにひげが生えているなどかなり年をとっている印象を与えたが、リメイク版では若い青年の姿となっている。
ラインハット王妃(後の太后)
ヘンリーの義母でデールの実母。先代の王がヘンリーに寂しい思いをさせぬよう再婚したが、彼女はデールだけをかわいがりヘンリーを邪魔者扱いし、挙句の果てにデールの即位のため彼を人さらいに誘拐させる。1年後、夫が崩御しヘンリーも行方不明とされたため、思惑通りデールが王に即位し彼女も太后となる。しかし、どこからかやってきた魔物(ニセ太后)に入れ替えられ地下洞窟の牢屋に幽閉される。青年時代前半に主人公とヘンリーに助けられ、事件解決後はおとなしくなり元ヘンリーの部屋に住む。後半になると亡くなったかどうか不明だが出なくなる(元ヘンリーの部屋はコリンズの部屋になる)。ヘンリー行方不明の報復としてサンタローズ村を滅ぼす指示を出したのは、本人と偽者どちらかは不明。
マリア (Maria)
金髪ロングヘアーの女性。後述の兄・ヨシュアとともに光の教団に入り、その教祖に仕える侍女であったが、教祖の皿を割ったことを咎められて奴隷にされた。その後、仕打ちされたところを主人公とヘンリーに助けられ、兄の計らいで大神殿を脱走する。流れ着いた修道院で洗礼を受け修道女となる。その後ラインハットに平和を取り戻すため、神の塔に入る清き乙女の力が必要と聞くと自ら志願して仲間になる。戦闘能力はない。当初は主人公に想いを秘めていたようだが、のちにヘンリーと結婚。一子コリンズを授かる。
「最近は教団のやり方についていけないところがあった」と発言したり、DS版では奴隷を庇ったことで自らも奴隷に貶められたことになるなど、教団の侍女でありながら完全に心酔していたわけではないようで、修道院においても、面倒を見ていたシスターから「彼女こそ神に仕えるため生まれてきたのではないか」と言われている。
コリンズ
ヘンリーとマリアの間に生まれた息子でラインハット王子。髪色は父と同じ緑。叔父デールが独身のため王太子に指名されるが、父親譲りのイタズラ好きの性格で周囲を困らせる。主人公の子供たちより年下で彼ら曰く「子分にならないと泣くぞ」「わがままばかりで疲れちゃった」「変な子だよね、普通にしゃべればいいのに」とのこと。幼少期のヘンリー同様、子分のしるしを使ったイタズラを彼らに仕掛け、かつての事件を彷彿させる。ヘンリー曰く「自分が子供の頃はもっとおとなしかった」とのこと。しかし、ヘンリーが幼年時代に同世代の女の子にはあまり好かれていなかったのに対し、コリンズは城の女の子に好かれており異性には優しい一面が描かれている。イベント後に子供たちは「子分になるのは嫌だけど、友達になるのは考える」と譲歩するセリフを言う。

妖精・ドワーフ[]

妖精の世界に暮らす妖精やエルフドワーフである。人間界において妖精の姿は子供しか見えないらしい。これが原因で後述のベラはサンタローズでいたずらを繰り返す。主人公は幼年時代に見えていたにもかかわらず、青年時代では息子か娘を連れていかないと妖精が見られない演出がある。

ポワン
妖精の村の長。妖精の世界の危機を救ってくれる人間を探しており、ベラに人間の戦士を探す使命を与えた。穏和な性格で、妖精もドワーフも魔物も、分け隔てなく村に住まわせている。支持者は多いようだが、全ての住民の支持を得られているわけではないようで、「やりかたが甘過ぎるから春風のフルートを盗まれる」という苦言を漏らす住民もいる。無事フルートを取り返した主人公にお礼を言う。そのお返しとして青年時代後半では妖精の女王の会い方を教えてくれる。
ベラ (Honey)〔妖精人〕
ポワンの命を受け人間界を訪れたエルフの娘。しかし、大人の人間には姿が見えないため気付いてもらおうとサンタローズでイタズラを繰り返す。そして自分の姿を見ることのできる幼年の主人公と出会い、主人公を妖精の世界へ案内する。この時彼女は途方にくれて歌っており、声をかけられた時は本当に嬉しかったと後に語る。彼女は妖精の世界での冒険で主人公のパーティーに加わり一緒に戦う。仲間になった時点でホイミ・ギラ・ルカナン・マヌーサといった攻撃・補助呪文と回復呪文を使える。当初は主人公が幼いことから頼りないと思っていたが、主人公が無事に春風のフルートを取り戻したことから主人公を見直す。また、騒動が一段落した後、とある場所に「ありがとう。またいつか会いたいわ」という趣旨の落書きを残す。青年時代後半編でも再会する機会がある。
リメイク版ではヒャドや冷気系の攻撃に耐性を持つ。じめじめした場所が苦手で洞窟を嫌い、極度の方向音痴という設定が追加された。また、少々口が悪く、思ったことをすぐ口にしてしまう。ただし、彼女本人に悪気はなく自覚もあるようで、「今のは失言だった」と即座に訂正し謝るほか、ポワンに行動を全て見られていたことに気付き、不安になる一面もある。また、戦闘中は命令不可となった。
青年時代前半でも、サンタローズで寝ている子供の夢に登場する。
ルナ(幼年時代は名前無表示)
妖精の村の図書館にいるエルフ。幼年時代では春風のフルートを盗んだ犯人(ザイル)を、青年時代後半では妖精の城の場所を教えてくれる。
妖精の女王
妖精界を統治し、妖精の城に住む女王。青年時代後半に天空城復活のために力を貸す。妖精界ではなく人間界に住んでいる。
老ドワーフ
後述のザイルの祖父で本名は不明。かつてポワンの先代の長に盗賊の鍵の技法を編み出した事をとがめられ、村から追い出されてスライムと共にドワーフの洞窟に住んでいた。村の住人曰く「ポワンの代なら追い出されなかったのに」とのこと。ザイルの行為に心を痛め主人公に彼を止めるよう依頼する。技法を洞窟の奥に封印したといい、SFC版ではその意味が判然としなかったが、リメイク版では読むだけで技法が身につく書物であることが判明した。青年時代後半では故人となり、スライム曰く「ザイルが心配かけたせいで病気になった」とのこと。
ザイル〔ドワーフの息子〕
妖精の世界に住むドワーフの少年。世界中を凍りつかせようと企む雪の女王に唆され、妖精の村から春風のフルートを盗み氷の館に逃げ込んだ。フルートを取り返しに来た主人公たちと戦うことに。女王を倒したあと、騙されていたことを知り祖父がいる洞窟に帰る。リメイク版では青年時代後半編にドワーフの洞窟を訪れて会話すると仲間モンスターとして使用できる。マントつきの覆面を頭から被っており素顔は見えない。グラフィックでは斧を持っているが、仲間になってからは斧は使わずドラゴンキラーなどの剣を装備でき回復や補助の呪文も覚える。
『モンスターバトルロードIIレジェンド』の『レジェンドクエストV』で敵として登場した際はカンダタのカラーリングを変えた姿となっており、体が従来より大きくなった姿をしている。

そのほかの人物[]

以下の人物は、ストーリーに関わりのある人物である(味方の魔物を含む)。

ベビーパンサー (Great Subrecab/Smilodon de lait/Großes Säbelzahnkätzchen/Gran Dientecillos/Baby Grandizanne)、キラーパンサー (Great Subrecat/Smilodon/Große Säbelzahnkatze/Gran Dientes de sable/Koguar)
ヒョウのような姿をした魔物。ベビーパンサーはキラーパンサーの幼生。本来は「地獄の殺し屋」と呼ばれており、人に懐くことはなく通常の敵として登場するベビーパンサー(及びキラーパンサー)は仲間にできないがストーリー上、1匹だけ主人公の仲間となる。ベビーパンサーの頃(幼年時代編)はアルカパで彼を猫だと思っていた子供たちにいじめられていたが、お化け退治をした主人公とビアンカによって助けられ仲間となり、ビアンカと別れる際に彼女のリボンを付けられる(DS版では彼女の母が猫アレルギーで飼えない設定が追加)。主人公が大神殿に連行される際に一度はぐれ成長してキラーパンサーとなり、青年時代編ではカボチ村の西にある魔物のすみかの奥底でパパスの形見である剣をずっと守る。ゲマは野生に戻れば再び魔物としての本能を取り戻すと考えていたが、幼い頃の記憶は微かにあったようで、ビアンカのリボンでそれを思い出させることで再び主人公の仲間となる。カボチ村を襲っていた際も人や家畜は襲わず作物だけを失敬しており、村人の一人からも後に「もしかしたら悪い魔物じゃなかったのかも」と言われる。前半・後半問わず仲間にできるが、仲間にしなくてもクリア可能。他の仲間モンスターと違い名前の変更や別れることができない。
ちからやすばやさは高いが、みのまもりは低く、呪文・炎・吹雪への耐性がない。
ヨシュア
マリアの実兄。妹と共に光の教団に拾われ、大神殿建設工事現場の兵士として職務を遂行していたが、大神殿が完成した暁には奴隷が皆殺しにされるウワサを聞いたため、奴隷に貶められたマリアを救い出そうと模索していた。そこに奴隷の身でありながら幹部に反抗した主人公とヘンリーの強さに希望を見い出し、マリアを託し彼らを樽に入れて海へと放つ。のちに完成した大神殿で白骨死体という変わり果てた姿になった彼を見ることができるが、死に際までマリアのことを気にかけていたらしく、壁(リメイク版では床)に遺言を残している。
プサン (Dr. Agon)
エルヘブン南のトロッコ洞窟(リメイク版では地下遺跡の洞窟)で出会う自称天空人の謎の男。本人曰く、回り続けるトロッコにうっかり乗ってしまい、そのまま20年間も回り続けていたという。主人公たちに助けられ、彼らが湖底に沈んだ天空城に向かっていると聞くと「人数は多いほうがいいですからね」と言ってパーティーに加わる。戦闘には参加しない。真面目な面をのぞかせるものの普段はひょうきんな物言いでバーテンのような姿をしているが、普通の人間とは思えない場面も見受けられる。その正体は天空の神マスタードラゴンで、ドラゴンオーブにその力を分離・封印することにより人間の姿を得ていた。前作『IV』の頃は人間との交流を厳しく禁じていた彼だが、その後に人間と人間社会に魅力を感じるようになり、彼らのことをもっと知るために人間に扮して地上で生活していた(この事はオーブの封印に関わった一部の天空人しか知らなかったようである)。人間の生活が相当気に入ったらしく、エンディングでは世界に平和が戻ったため結局プサンの姿になってしまった。彼曰く「ドラゴンの姿と厳格なしゃべり方は疲れる」とのこと。

光の教団[]

本作における主な敵組織。表向きは光の国の存在と教祖への信仰を教義とし、各地での布教活動によって近年信者を大きく増やしている宗教団体だが、勧誘した信者を奴隷として強制労働させる、子供を誘拐するなど、その実態は邪悪な教団である。リメイク版におけるイブール戦後のゲマの言葉によると、ミルドラースへの祈りを行わせて力を届けさせ、人間界への扉を開かせることが目的だったようである。子供誘拐(しかも身分のある者や金持ちの子を重点的に)の目的の一つには、自分達の脅威である伝説の勇者の復活の妨害があったらしい。セントベレス山の頂上に神殿を構える。

ゲマ (Bishop Ladja)
光の教団の幹部。主人公の仇敵となる存在。赤紫色のローブを纏い魔道士の様な格好で登場する。リメイク版ではパパスが知っていたのでマーサをさらった実行犯とうかがえる。ジャミとゴンズを引き連れて古代の遺跡を訪れ、そこで逃げようとした主人公たちと鉢合わせる。圧倒的な力で主人公たちを倒して人質に取り、ジャミとゴンズに駆けつけたパパスを痛めつけるよう指示を与え、瀕死になった彼を巨大な火の玉で殺害する。この攻撃は各イベントでも使われる。そして主人公が持っていたゴールドオーブを破壊し、彼とヘンリーを大神殿へ連れ去る。青年時代後半でボブルの塔の地下で、竜の右目を取り返しに来た主人公たちと再度戦うことになり、敗れると「教祖さま万歳」の言葉を残して息絶える。SFC版はイブールを崇高していたらしい。よく高笑いをして丁寧な口調であるが、その性格は悪辣・卑劣・残忍である。
リメイク版では出番が増加する。デモンズタワーではジャミが息絶えた後に現れ、主人公と妻を石化させて去っていく。またボブルの塔での対決後も生き延び、大神殿では主人公たちに敗北した教祖イブールにとどめを刺して姿を消す。そしてエビルマウンテンではミルドラースの力を抑えようとするマーサに重傷を負わせ主人公たちと最後の対決を行い、敗れると聖なる光に焼かれてようやく息絶える。愉しみのためにあえてとどめは刺さずに置くなど悪趣味な一面も見せる。
幼年時代編におけるゲマとの最初の戦闘はストーリー上負けることが前提のイベント戦闘であり、通常では勝つことは非常に難しく、倒せた場合でも負けたときと同様に物語が進む。
メラゾーマ・激しい炎・やけつく息などを使う。まれに2回攻撃もする。リメイク版はボブルの塔とエビルマウンテンで使う呪文・特技に違いがある。
『モンスターバトルロードII』ではミルドラースの前座として「邪教の使徒」の呼称で登場。
ジャミ (Kon the Knight)
ゲマの手下。デモンズタワーを拠点にしており、直立二足歩行で鱗の生えた白馬の姿をしている。グランバニアの大臣(オジロンの前任)を唆して主人公を殺害しようとして失敗するも、彼の妻をデモンズタワーに連れ去ることにより彼をおびき出して殺害し、その後自分の妻にして自らグランバニアの国王になりすまそうと企む。最初はバリアに守られておりほとんどダメージを与えることができないが、妻がそのバリアを破ったあとはダメージを与えられる。そして敗北すると死に際に勇者の誕生を阻止すべく主人公と妻を石化させるが、リメイク版はそのまま息絶え石化はゲマが行う。メラミ・バギクロス・凍える吹雪などを仕掛ける。何故か幼年時代にパパスと戦う際に使ったラリホーマを主人公と戦う際は使わない。
ゴンズ (Slon the Rock)
ゲマの手下。一本角の鬼のような姿をしており、ゲマとともにボブルの塔の地下で竜の左目を守る。SFC版ではシミターと五角形の盾を装備しているが、リメイク版では巨大な鉈や斧のような武器に変更され、無数のスパイクが生えた盾を構えている。呪文・特技などを使わない打撃一辺倒のモンスター。リメイク版では戦闘後に男の子が「どうしたの、お父さん?すごく怖い顔して」と主人公の怒りを表すセリフを言う。
ムチおとこ
光の教団の下級信者。建設中の大神殿で奴隷たちの監視を行っている。上の者には逆らえないので奴隷たちをいたぶる陰湿な性格。マリアが彼らにムチで叩かれそうな所をヘンリーが助け、そのあと主人公も加わり戦闘になる。SFC版は主人公だけで戦うが、リメイク版はヘンリーも加勢する。勝っても負けてもシナリオは変わらず主人公たちは牢屋に入れられる。必ず2人で登場し不思議な踊りや薬草を使う。大神殿完成後は姿を消す。
オークLv20・キメーラLv35
ジャミの手下。オークはイノシシの顔をした獣人で、三叉の槍で攻撃しルカナンも唱える。キメーラは鳥の上半身と爬虫類の下半身、足はなく宙に浮いている魔物キメラの上位種。ベギラマ・ヒャダルコ・火炎の息と全体攻撃を仕掛けベホイミも唱える。まれに2回攻撃もする。
ラマダ (Queen Ferz)
イブールに仕える神官で「一番の片腕」と称される。大神殿でマーサの姿に化けており主人公を欺こうとする。戦闘前の選択肢による受け答え次第では呪いをかけられた状態で戦うことになるが回避することも可能。その正体は巨大な棍棒を持つ一つ目の巨人(ギガンテスやサイクロプス、アトラスの色違い)で、打撃攻撃だけでなくベギラゴン・マヒャド・激しい炎と全体攻撃を仕掛ける。リメイク版では棍棒のデザインが変更され、表面が削られ無数の木のトゲが生じている。
イブール (King Korol)
光の教団の教祖でワニの顔をしている。伝説の勇者の誕生を阻止すべく石像にされた主人公の妻に呪いをかけ、ストロスの杖(SFC版のみ)で戻せなくした張本人。しかしその甲斐空しく勇者が誕生し、彼と主人公たちを大神殿の祭壇で待ち受ける。仲間たちが震え上がるほど凄まじいオーラを放ち、決戦前にわざわざ馬車まで呼び寄せ、メンバー交代が可能な状態で戦うことになる。イオナズン・輝く息などゲマをも凌ぐ全体攻撃を仕掛ける。
主人公たちに敗れた後、ミルドラースの力を借りて彼らを魔界へ送ろうとするも見捨てられて息絶える。リメイク版では突如現れたゲマにとどめを刺されて息絶える。また、ゲーム中に「イブールの本」というアイテムが登場する。
『II』のハーゴンや『III』のバラモスと同等の大ボスクラスの立場にあるが、それらとは違いシリーズ他作品に登場したのは『ジョーカー2 プロフェッショナル』のみで、上記のように『モンスターバトルロード』でこれに相当する立場はゲマとなっている。
ミルドラース (Mildrath)
本作の最終ボス。魔界のエビルマウンテンに住まう大魔王で、王の中の王。本人曰く、長い年月をかけて神をも越える存在となったらしい。光の教団の様々な活動は、全て魔王の復活が目的である(リメイク版では「私は運命に選ばれし者であり、しもべ達の働きは必要のない下らない努力に過ぎない」と部下の活動を切り捨てるセリフが追加された)。魔界で力を蓄え、人間界への扉が開くのを待ち望んでいたため、物語の終盤にならないと名前も存在も判明しない。人間形態は仮の姿であり、本来の姿は4本の腕と翼に長大な尾、そして赤々とした体を持つ巨大な魔物である。
メラゾーマ・イオナズン・凍てつく波動など仕掛ける。機種や形態によって行動パターンが異なる。
リメイク版では、元来は人間であったが、神になるという野望ゆえに心が歪み、魔物になってしまったことが語られている。また、序盤から名前だけは所々で聞くことができるようになったが、いずれも冒険の流れとは無関係で、伝説や伝承の一つとして登場する。
後に『モンスターズ』シリーズや『モンスターバトルロード』で他のシリーズ作品の魔王と共に再登場し、『IX』でも隠しボスとして登場した。殆どの作品で変身後の姿のみの登場となっている。

そのほかの魔物・敵[]

以下は、光の教団との関連がないか、作中で関連が示されていない敵キャラクターである。

動く石像
レヌール城に棲み憑いたゴースト達の1人。一見ただの石像だが、ある程度主人公が離れると後をつけてくる。怪しいと思って石像を調べると叫び声と共にバトルに突入する。リメイク版では主人公が目の前を通ると目を光らし、2度調べるとバトルに突入する。しかし外見は勇ましい戦士の石像に化けているが、正体はリメイク前と同じく土偶のような外見をしている。ビアンカがさらわれた後に主人公1人で戦い、気絶(全滅)しても全滅扱いにはならず、彼女が入れられた隣の墓に入れられる。
なお、他の作品に登場する同名のザコモンスターとは別物である。
親分ゴースト
廃墟と化したレヌール城に手下のゴースト達と共に棲み憑き、城の人々の魂を弄んで愉しみ苦しめていた。リメイク版では魔界のはみだし者であり、同じく魔界から追いやられた部下と共に城へ居着いていたという設定が与えられた。親分ゴーストの手下とは別に「魔界の幽霊」という存在が城の中に確認できる。呪文にも長けておりメラ・ギラ・ルカニなどで襲いかかる。
雪の女王
ポワンの先代の長に妖精の村から追い出されたドワーフの孫であるザイルを唆し、世界に春を呼ぶために必要な春風のフルートを盗ませる。最終的には世界の寒冷化を目論んでいた。いかにも女王といった感じの姿と戦闘時の魔物の姿がある。ザイルを倒した後に登場。ヒャド・ホイミなどを用いる。
ニセ太后
ラインハットの太后に成り済まし、専制政治によりラインハットを軍事国化。悪逆非道の限りを尽くすほか、魔物を自らの部下として雇い、世界征服を企む。火炎の息や仲間を呼ぶなど多様な攻撃を仕掛ける。
ヘンリー誘拐を企てたのは太后本人であることが明かされているが、主人公とヘンリーが奴隷生活をしていた10年の間の、いつごろから太后に成りすまして居たかは定かではない。「デールが王になった途端冷たくなった」と言われているので主人公達が奴隷になった1年後(ラインハット王がこの時期に亡くなっている)に入れ替わったと思われる。また、ヘンリーは少なくともサンタローズが滅ぼされた時には既に入れ替わっていたと考えている。
溶岩原人
死の火山の最深部にて待ち構えるモンスター。炎のリングに近付くと3体がかりで襲ってくる。火炎の息でパーティー全体にダメージを与える。
カンダタ
グランバニアの大臣(オジロンの前任)が、主人公の暗殺に雇った刺客。リメイク版の公式ガイドブックの設定によると、本職は盗賊団のボスで面倒見の良さから部下に慕われているが、部下を養うため裏の仕事を引き受けているらしい。何故かシールドヒッポを連れている。痛恨の一撃やベホイミなどを使う。青年時代後半編では、一部の町にカンダタ子分が登場し宝箱を守る。同名のキャラクターは『III』にも登場しているがイラストが異なる。
ブオーン (Bjørn the Behemoose)
かつてルドマンの8代前の祖先ルドルフによって壷に封印された巨大な魔物。150年で封印の効き目が切れ、地上に再び現れる。長い間封印されていたためか、体のところどころに苔が生えている。その昔、最後の鍵を盗み出した盗賊ゴロステを飲み込んだことがあり(書籍によると、このために腹痛を起こしてその隙を付かれて封印されたらしい)、倒すことで同アイテムを入手できる。青年時代後半ならいつでも戦えるが、手に入れないと暗黒の世界に行くことができない。
ブオーンのイベントは独特の演出があり、SFC版における出現シーンは同ハードの拡大機能を用いている。PS2版ではこの演出が大規模になり、壷からの復活・降臨シーンが追加、雄叫びを上げて戦闘に入るとカメラがブオーンを嘗め回すように一周して再び雄叫びを上げてからようやくコマンド入力画面に移行、そして倒すと大きな音を立てて倒れる、という最終ボス戦すら上回る大掛かりな演出となっている。DS版では復活・降臨シーンはPS2版と同様の物を使っているが、戦闘時の特殊演出はなくなっている。
攻撃力が高くスカラ・ルカナンも唱え、さらに稲妻・激しい炎でパーティー全体にダメージを与える。まれに2回攻撃もする。
リメイク版では、条件を満たすと非常に体が小さくなった(主人公が倒した後に、ルドマンが特殊な封印をかけたらしい)プオーンとなって再登場し、仲間モンスターとなる。
『モンスターバトルロードII』ではアンクルホーン・ホースデビル・ビッグアイの三体による合体モンスターとして登場する。
エスターク
前作『IV』で登場した地獄の帝王。本作ではゲームクリア後の隠しボスとして登場し、暗黒の世界の地下深くで記憶を失った状態で眠っている。倒されると倒した時のターン数を言う。原作版ではダンジョンの存在も含めてゲーム中に存在を示唆する手掛かりはほとんど無かったが、リメイク版では暗黒の世界のとあるキャラクターと、とある本がその存在を示唆しており、「ミルドラースですら手を出せない大物」とのこと。前作では覚醒前だったのでその実力を発揮しきれなかったが、本作では隠しボスに相応しい強さを誇る。
ミルドラース同様に攻撃が多彩である。イオナズン・しゃくねつ炎・輝く息など全体攻撃を仕掛ける。機種によって行動パターンが異なる。常に2回攻撃する。前作の進化の秘法であらゆる攻撃・呪文に耐性を持つ。
リメイク版では名産品の闇のトロフィーを所持しており、一定ターン以内に撃破すると入手できる。また自分専用のすごろく場を持っており、彼の息子を名乗るプチタークが登場するなど僅かだが彼の素性が明らかになった。

道具[]

物語を進めるうえで特に重要な道具について解説する。

旅人の地図(SFC版)・不思議な地図(リメイク版)
前者は青年時代のオラクル屋で購入する地図で世界の地形がわかる。後者はパパスが主人公に渡した地図で歩くと地形や町などが記されていく。
たいまつ
レヌール城に伝わる、暗闇を青白い炎で照らす道具。リメイク版の設定では「とある国の王妃からもらった聖なる品」で、魔界の幽霊を消し去る効果も併せ持つ。4作前『ドラゴンクエスト』にも登場。
ビアンカのリボン
ビアンカとの別れ際にベビーパンサーにつけられたビアンカ愛用のリボン。装備するとかしこさが上がる。彼以外にスライム族や女の子(母親がビアンカ以外でも可)もつけられる。またキラーパンサーを仲間にするイベント戦闘でも用いられる。
盗賊の鍵の技法
ザイルの祖父が作った、簡単な作りの鍵を開けることができる技。SFC版ではどういった形の物か漠然としなかったが、リメイク版では書物から魔力が与えられるものとされている。技術習得後、書物は消滅するためアイテム欄には残らない。幼年時代のドワーフの洞窟にある。前作『IV』では鍵として登場。
春風のフルート
世界に春を呼ぶために必要なフルート。雪の女王に唆されたザイルによって盗まれる。
パパスの手紙
パパスが未来の主人公にあてた手紙。この旅の本当の目的を記したメッセージが記されている。
天空の剣・天空の鎧・天空の盾・天空の兜
選ばれし伝説の勇者のみが身に付けられる武具。前作『IV』で勇者が着用したのと同一の物(性能はアレンジされている)。資格なき者には鉛のように重く感じるが、資格ある者には羽根のように軽くなり、さらに資格者の体格に合わせて大きさが変化するなどの不思議な特性がある。戦闘中に使うと天空の剣は凍てつく波動、天空の盾はマホカンタの効果を発揮する。
ラインハットの鍵
ラインハット城の扉を開けられる鍵。書庫や宝物庫を開けられる。
ラーの鏡
真実の姿を映し出す鏡。戦闘中に使うと変身している敵を元に戻すことができる。
ルラムーン草
魔法研究に使う草。月明かりの下でほのかに光る。
パパスの剣
パパスが愛用した剣で、その威力は鋼鉄の剣を上回る。前述のキラーパンサーが守っていた。パパスの血を引く主人公と男の子のみが装備できる。グランバニア王家の紋章入り。
炎のリング・水のリング
身につけた者に幸せをもたらすと言い伝えられている指輪。主人公と妻の結婚指輪となる。実はもう一つの指輪と共にとある場所の鍵だった。炎のリングは主人公が身につけられ戦闘中に使うとイオ、水のリングは妻が身につけられ戦闘中に使うとバギの効果を発揮する。
王家の証
グランバニア王になるために必要な証。試練の洞窟で入手できる。
空飛ぶ靴
前作『IV』でも登場した特定の場所に移動できる不思議な靴。動物の帰巣本能を利用しているとも言われる。
ストロスの杖
女の子が主人公の石化を解いた時に用いた不思議な杖。SFC版は石化解除後も持つことができたが、リメイク版は消滅する。その後とある場所で再び入手できる。SFC版は妻にも用いることができるがイブールの呪いで石化は解けない。SFC版は常時、リメイク版は戦闘中に使うと味方一人にキアリクの効果を発揮する。
魔法のじゅうたん
赤い魔法の絨毯。普段は道具袋に収められており、広げると魔法の力で浮かび陸や海の上を高速で移動できる。実はかなり低いところを飛んでおり、森や山を越えることはできない。主人公とゆかりのある人物の故郷で入手できる。
魔法の鍵
上記の絨毯と同じ場所で入手できる鍵。ある城の宝物庫でとてもセクシーな防具が入手できる。前作『IV』でも登場。
マグマの杖
前作『IV』でも登場したマグマを呼び出す力を持つ杖。荒れ果てた塔のある人物が持っている。戦闘中に使うとイオの効果を発揮する。
妖精のホルン
妖精族が作り出したホルン。ある場所で吹くと妖精の城へ行ける。
ゴールドオーブ・光るオーブ
かつて太古の時代に妖精族が作った、黄金色に光るオーブ。強大な魔力を持っており、天空城の動力源となっていた。前作『IV』でのデスピサロ覚醒に伴う攻撃で天空城に開いた穴から落ちてしまい、レヌール城でのお化け退治を終えた主人公とビアンカに偶然拾われる。その後ゲマに破壊される。光るオーブは現在の妖精族がゴールドオーブをもう一度作ろうとした失敗作で、見た目はよく似ているがゴールドオーブのような魔力はない。
フック付きロープ
ドラゴンにまつわる塔を攻略するのに必要なロープ。引っ掛けるフックがある場所で使用し高いところから降りる。
竜の右目・左目
後述するドラゴンの杖とドラゴンオーブ入手に必要な宝玉。ゲマとゴンズによって奪われる。
ドラゴンの杖・王者のマント・光の盾・太陽の冠
真の王者のみが身につけられるという武具。天空の武具以上の性能を持ち、全て主人公専用の最強クラスの物である。このうち光の盾だけはエンディング後にしか手に入らない。ドラゴンの杖は戦闘中に使うとドラゴラムの効果を発揮する。後に『IX』にも光の盾以外は登場している。
ドラゴンオーブ
竜の力が封印されているという不思議なオーブ。ある人物が封印の解き方を知っている。
天空のベル
はるか天空まで音が響き渡るという鈴。鳴らすとある乗り物が登場する。
命のリング
前述のイブールを倒した後に入手できる指輪。そこで主人公にゆかりのある人物の声が聞ける。身につけると移動中や戦闘中にHPが回復する。主人公家族全員が身につけられる。
最後の鍵
形状記憶合金の一種である「マネマネ銀」なる物質で作られた、世界中のほぼ全ての扉を開けられる鍵。前述のブオーンを倒した後に入手できる。前作『IV』でも登場。
賢者の石
前作『IV』でも登場した戦闘中に使うと全員のHPが回復する不思議な石。ある人物が転送する。
聖なる水差し
激しく燃え盛る魔界の炎さえ消してしまう水を出すことができる水差し。リメイク版ではもう一つ使い道がある。
時の砂(SFC版・DS版)
前作『IV』でも登場した戦闘を1回だけ最初に戻すことができる砂。宿屋に泊まると回復する。

開発[]

キャラクターイラストについて[]

SFC版の開発当時は、主人公たちのほかに、町の人のグラフィックが鳥山明によって数点描き下ろされていたが、これらは没案となり結局ゲーム中には登場しなかった。

逆に、SFC版のサンチョやフローラ、ヘンリー、男の子、女の子は、鳥山によるデザイン画が描き起こされておらず、ゲーム中ではオリジナルのグラフィックが使われていた。後に発売された公式ガイドブックでは、鳥山の絵柄の忠実な模写で実績のあった中鶴勝祥が代わってイラストを起こしている。彼の起こしたイラストは、ゲーム中のドットグラフィックとかなり異なっている(例えば、女の子(娘)はゲーム中ではワンレンだったが、イラストではおかっぱになった)。PS2版では、中鶴によるイラストが公式デザイン化し、ゲーム内のグラフィックもSFC版公式ガイドブックのイラストとほぼ同じ姿となっている。また、リメイク時には中鶴のデザインを元に鳥山によってサンチョ、フローラ、男の子、女の子のイラストも描き起こされた。PS2版公式ガイドブックのイラストを描いたのは、漫画家の村上ゆみ子。

販売・プロモーション[]

プレイステーション2版[]

PS2でのリメイクが最初に発表されたのは、『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』も開発中であった2003年10月末のことであった。翌11月から画面写真が発表され、2004年1月には第19回次世代ワールドホビーフェアに出展された。同月22日には発売日が同年3月25日と発表、さらに数日後には『ドラゴンクエストVIII』の開発中のデモ映像を見ることができるプレミアム映像ディスク(PS2用CD-ROM)が同梱されることが発表された。そして発売延期は無く、3月25日に発売に至った。キャッチコピーは「強き心は、時を越えて」が使われた。

出荷本数は2日間で130万本を突破し、発売15日後の4月8日には、それまでのシリーズのリメイク作品の中では最多の150万本を達成した。

ニンテンドーDS版[]

2007年8月、「天空シリーズ」3部作である『ドラゴンクエストIV』と本作、『VI』がニンテンドーDSでリメイクされることが一挙に発表された。

DS版『IV』発売後の2007年末、DS版『V』の画面の公開が開始。翌2008年4月には、発売日が同年7月17日と発表された。6月25日に発売されたケツメイシのアルバム『ケツノポリス6』においては、本作とのコラボレーションが行われ、7月には『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』とともにフジテレビジョンのイベント「お台場冒険王」に出展された。発売延期は無く、発表どおりに7月17日に発売された。キャッチコピーは「受け継がれる、強き心」が使われた。

発売後は2週間で、日本国内出荷本数が100万本を超え、約1か月後の8月12日には販売本数が100万本を突破した。

評価[]

  • オリジナル版は『III』以降のナンバリング作品で唯一売上が300万本に達していない作品である。しかしその一方で、PS2版はリメイク作で最多売上本数を記録し、DS版はニンテンドーDSにおいて最速で売上100万本を突破した(当時)ゲームソフトとなっているなど、後の評価が高い作品となっている。また、本作で登場した仲間モンスターのシステムは後の作品へも影響を与えて、『ドラゴンクエストモンスターズ』シリーズへ発展していくこととなる。
  • プレイステーション2:日本ゲーム大賞|The 8th CESA GAME AWARDS 2003-2004 優秀賞を受賞。

関連商品[]

攻略本[]

  • スーパーファミコン版
    • スーパーファミコン奥義大全書 ドラゴンクエストV 天空の花
    • ドラゴンクエストV 天空の花嫁 公式ガイドブック 上巻 世界編
    • ドラゴンクエストV 天空の花嫁 公式ガイドブック 下巻 知識編
  • プレイステーション2版
    • Vジャンプブックス ドラゴンクエストV 天空の花嫁 プレイステーション2版
    • SE-MOOK ドラゴンクエストV 天空の花嫁 公式ガイドブック 上巻 世界編
    • SE-MOOK ドラゴンクエストV 天空の花嫁 公式ガイドブック 下巻 知識編
    • ドラゴンクエストVのあるきかた
  • ニンテンドーDS版
    • Vジャンプブックス ドラゴンクエストV 花嫁探求の書 ニンテンドーDS版
    • ドラゴンクエストV 天空の花嫁 公式ガイドブック ニンテンドーDS版

その他の書籍[]

  • 漫画 ドラゴンクエスト 天空物語(幸宮チノ作、全11巻) - 青年時代前半から6年後、青年時代後半に至るまでを描いたサイドストーリー。
    • 第1巻
    • 第2巻
    • 第3巻
    • 第4巻
    • 第5巻
    • 第6巻
    • 第7巻
    • 第8巻
    • 第9巻
    • 第10巻
    • 第11巻
  • 小説 ドラゴンクエストV -天空の花嫁-(久美沙織著)
    • 第1巻
    • 第2巻
    • 第3巻
  • ゲームブックドラゴンクエストV(全4巻)
    • 第1巻
    • 第2巻
    • 第3巻
    • 第4巻
  • ドラゴンクエストV 知られざる伝説
  • ドラゴンクエストV 導きの書 CD+ - SFC版発売時に書店などで販売された解説書。モンスターカードや、序曲とフィールド曲を収録した8cmCDが同梱された。

CD[]

†は廃盤。

SFC版は効果音入り、チャプターなしでメドレー形式の「ゲーム・オリジナル・サウンド・ストーリー」のみ、PS2版はほとんどが交響組曲を流用、DS版は未発売と厳密なゲーム音源のオリジナルサウンドトラックは存在しない。

  • CDシアター ドラゴンクエストV(書籍扱い)
  • † 交響組曲「ドラゴンクエストV」天空の花嫁 - DISC1はNHK交響楽団演奏のオーケストラ版、DISC2はゲーム音源(前述の「ゲーム・オリジナル・サウンド・ストーリー」)。オーケストラ版はPS2版のゲームBGMとしても使用されている。
  • † すぎやまこういち 「ドラゴンクエストV」天空の花嫁 結婚ワルツ コーラスバージョン 演奏コーラス・クリエーション - N響版CDの『結婚ワルツ』にコーラスを加えたもの。シングル。なお「結婚ワルツ」というタイトルがつくのはこのコーラス版と「ルーラ」というデュエットが歌うものとがあるが全く別物である。
  • † すぎやまこういち 「ドラゴンクエストV」天空の花嫁 イン・ブラス
  • † すぎやまこういち 「ドラゴンクエストV」天空の花嫁 オン・ピアノ
  • † すぎやまこういち 「ドラゴンクエストV」天空の花嫁 オン・エレクトーン
  • † 交響組曲「ドラゴンクエストV」天空の花嫁( - ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。『哀愁物語』が追加された。
  • † 吹奏楽組曲ドラゴンクエスト第3集 ドラゴンクエストV 天空の花嫁 - 「イン・ブラス」にデジタルリマスター処理を施し再リリースしたバージョン。
  • † 交響組曲「ドラゴンクエストV」天空の花嫁 - 東京都交響楽団演奏。『はめつの予感』など3曲のメドレーが追加された。当初はレーベルゲートCD2として発売されたが、後に通常のCDとして再発売された。
  • 交響組曲「ドラゴンクエストV」天空の花嫁 - 東京都交響楽団演奏。『はめつの予感』など3曲のメドレーが追加された。
  • 交響組曲「ドラゴンクエストV」天空の花嫁 - ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。『哀愁物語』が追加された。
  • 交響組曲「ドラゴンクエストV」天空の花嫁 - NHK交響楽団演奏。
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