『ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン』(ドラゴンクエスト しょうねんヤンガスとふしぎのダンジョン)は、スクウェア・エニックスのゲームソフト。ジャンルはローグライクゲーム。ドラゴンクエストシリーズの外伝的作品。
なお、本項ではプレイステーション2(PS2)向けに発売される同タイトルのほか、携帯電話アプリ『ドラゴンクエスト 不思議のダンジョン MOBILE』(ドラゴンクエスト ふしぎのダンジョン モバイル)についても述べる。
日本国内で2006年4月20日にプレイステーション2用ソフトとして発売された。2007年6月28日には廉価版としてアルティメットヒッツ版が発売された。
概要[]
2004年までに全3作が発売された『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』シリーズに続く、新たな「不思議のダンジョン」シリーズ作品。主人公はトルネコから、『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』(以下『VIII』)のキャラクターのひとり「ヤンガス」にバトンタッチした。本作はヤンガスの少年時代を描いた外伝である。
ゲーム画面は『VIII』と同様、完全3Dとなっており、トゥーンレンダリングの技法が採用されている。
テレビCMやゲーム内のナレーションは、アニメ『タイムボカンシリーズ』や『ドラゴンボール』でも活躍した八奈見乗児が担当。
システム[]
ゲーム内容は『トルネコの大冒険』などのようなローグライクゲームであるが、本作では『VIII』に存在した「テンション」システムが採用される。
『トルネコの大冒険3』で登場した仲間モンスターシステムが本作でも採用されている。本作では、モンスターを「モリーの壷」に吸い込むことにより仲間にすることができる。仲間にしたモンスターはヤンガスと一緒に戦うだけでなく、ヤンガスがそのモンスターと合体(上に乗る、足につかまる、頭に載せる、融合する)してダンジョンを進むこともできる。
ドラゴンクエストモンスターズシリーズで使われていた「配合」システムにより、2匹の異なるモンスターから1匹の新しいモンスターを生み出すこともできる。
登場キャラクター[]
- ヤンガス
- いつか大盗賊になることを夢見る少年。12歳の頃、大盗賊である父ヤンパーの持ち帰った不思議な壷に吸い込まれ、その壷の中にある不思議な世界「ポッタルランド」を救うために冒険する。『VIII』の時点よりかなり細身であるが、顔の怖さはそのままである。左頬には、キズあとがある。この作品では斧だけでなく、剣なども装備可能。
- ゲルダ
- 『VIII』にヤンガスの知り合いとして登場した女盗賊。本作では少年ヤンガスと同世代の少女として登場する。母の病気を治せるパデキアの根っこを捜しにポッタルランドへやってきた。後にダンジョン内でヤンガスにクイズを出題し、正解するとアイテムをヤンガスに与える。また、本作ではクイズの出題内容から分かる通り、彼女の人柄や趣味嗜好の細かい部分が一つ一つ設定されている。
- ポッピ
- 「ポッタルランド」に住むポッタル族のこども。身体は緑色で、頭の上に葉っぱのような器官をもつ。仲間モンスターの世話係となる。
- モリー
- 『VIII』でモンスター・バトルロードを主催していた男。本作では仲間モンスターシステムのアドバイス役となり、モンスターの配合を担当。見た目は『VIII』の時代と変わっていない。後にダンジョン内でも配合を行うようになる。
- トルネコ
- 『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』や『トルネコの大冒険』シリーズで活躍した商人。ヤンガスの友として登場。ヤンガスがいない間は家を守る。銀行も開いており、預けた金額に応じてアイテムをヤンガスに与える。
- ヤンパー
- ヤンガスの父親。盗賊団「ヤングライオン団」の首領。
- シュロ
- ポッタルランドの村長。ポタの大樹の中に住んでいる。
- カーペー
- ポッピの父親。口を囲うように生えた髭が特徴。大工をやっており、倉庫と安眠所を拡張する役割。
- キュリオ
- 道具屋。冒険に役立つアイテムを販売する役割。後に彼の妻も肉を売る。
- アムズ
- 武器屋。眼帯と黒髭が特徴。武器と盾を売る役割。
- ランス
- 彫刻家。左眼にモノクルをつけている。装備品に銘を彫り、その装備はダンジョンで倒れても無くならなくなる。
- ブラミ
- 鍛冶屋。眼鏡をかけている。武器、盾を鍛えたり合成したりする役割。後に装備品の印を外すこともできる。
- マギー
- 魔法屋を経営している老婆。杖や巻物を売る役割。
- ダンジョンじいさん
- ダンジョンの入口にいるポッタル族の老人。ダンジョンの特徴を教える役割。
- インヘーラー
- 本作のラスボス。カンダタが不思議な壺にかけた「物をなんでも吸い込む魔法」が人間たちの貪欲な欲望を吸い込み意識を持って誕生した魔物。初期形態は不思議な壺に口が付いた様な姿だが、最終形態になると壺から飛び出た魔人の様な姿となる。
- カンダタ
- 『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』に登場した大盗賊。本作では「伝説の盗賊王」といわれるほどの大物という設定。不思議な壺の主であり霊体状の思念で現れる。ヤンガスの素質に興味を持ち、自分の後継者になれる可能性を見出す。
主なダンジョン[]
- まどわしの森
- 本作のチュートリアルダンジョン。トルネコがダンジョンの進み方を教えてくれる。
- カンダタ遺跡 昼の間
- ポタの大樹の根元から入れるダンジョン。ここから色んなダンジョンに入れる。
- カンダタ遺跡 夜の間
- カンダタ遺跡 昼の間の奥から入れる。ここから矢が拾えるようになる。
- あやしの地下水道
- 水路、秘密の通路が初登場。水中を移動できるモンスターが多い。
- ならくの洞くつ
- ここから行ったことのない場所は真っ暗になっていて、先が分からない。ゾンビ系モンスターが多い。
- しゃくねつのほら穴
- 未識別アイテムが初登場。炎を操るモンスターが多い。
- まぼろし雪の迷宮
- 一面雪景色のダンジョン。滑る床が初登場。
- 盗賊王の迷宮
- 1週目のラストダンジョン。これまで以上に強いモンスターや厄介な罠が登場する。
2週目以降に入れるダンジョン[]
ここからアイテムや仲間、ゴールドを持ち込めないダンジョンが登場する。
- おそろしの大水道
- 持ち込み制限の無いダンジョンの中では一番深いダンジョン。後半は状態異常にしてくるモンスターが多数登場。
- まぼろしの大雪道
- 仲間モンスター以外は持ち込めないダンジョン。装備はほとんど落ちておらず、基本的に戦闘は仲間に任せる。
- しゃくねつの大洞くつ
- 何も持ち込むことが出来ないダンジョン。爆発物が多く登場し、これをいかに利用するかが攻略の鍵となる。
- 盗賊王の大宮殿
- 2週目のラストダンジョン。何も持ち込めない。全100階層で、奥にはカンダタが待ち構える。
- いにしえの闘技場
- 1フロアに必ずモンスターハウスが存在し、特定の種族のモンスターが登場。前作のダンジョン「魔物の巣」に似ている。
- もっとまどわしの森
- ボス戦のみのダンジョンで、道具は一切落ちていない。
- のろわれた地下庭園
- お化け屋敷のような雰囲気のダンジョン。マップが表示されず、手探りで探索することになる。呪われたアイテムが多い。
3週目以降に入れるダンジョン[]
- 竜骨の宝物庫
- 所々化石だらけのダンジョン。仲間以外は持ち込めない。秘密の通路がよく登場し、強力なアイテムはそこで手に入る。
- 夢幻の宝物庫
- 1~4回階段を降りる度に登場するモンスターがどんどん強力になるダンジョン。高確率でモンスターハウスと店が出現。能力を上げる草が多い。
- 魔導の宝物庫
- 本作最難関のダンジョン。深さはこれまでの作品のダンジョンを覆す999階。100階以降は珍しいモンスターが多数出現。
ドラゴンクエスト 不思議のダンジョン MOBILE[]
日本国内でスクウェア・エニックスより配信されている携帯電話アプリ。2006年8月7日よりiアプリ版(FOMA90x以降対応)、2007年4月5日よりEZアプリ(BREW)版、2008年5月14日よりS!アプリ版が配信されている。
上記で述べたPS2用ソフト『少年ヤンガス』と同じく、少年時代のヤンガスが活躍するが、ゲーム内容は『少年ヤンガス』とは別物である。ヤンガスの他、ゲルダやトルネコが主人公となるクエストもある。
正式サービス開始に先駆け、2006年4月10日より無料体験版が配信されていた。「N902iS」「N902iX HIGH-SPEED」「N903i」には無料体験版の続編がプリインストールされ、このプリインストール版でのデータは正式版へ継承可能となっている。
『VIII』で登場した「錬金」でアイテムを合成するシステムを採用している。
外部リンク[]
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